「風起隴西(ふうきろうせい)」6話・7話・8話ネタバレあらすじと感想。陳恭は国境で糜冲を”陳主簿”と呼び、間諜の証である割符を渡して逃げます。
荀詡は李邈だけに司聞曹に燭龍という間諜が潜入していると報告。李邈は秘密を守ると約束しますが……。
6話:成りすまし
陳恭は国境に差し掛かった時、急に糜冲を”陳主簿”と呼び、間諜の証である割符を渡して逃げました。糜冲は国境を守る兵に囲まれ、殺されてしまいます。
一方、荀詡は李邈だけに司聞曹に燭龍という間諜が潜入しているようだと報告していました。李邈は荀詡に秘密は守ると約束したにも関わらず、その後の会議の場で急に燭龍の話を持ち出します。
馮膺は荀詡から燭龍について報告されていなかったので驚きました。会議後、荀詡は李邈に馮膺を不快にさせたかもしれないと言いますが、李邈は荀詡に自分を頼るように言います。
また荀詡は配下たちから自分が戻る前にすでに司聞曹内に白帝の正体は陳恭だと明かされていたと聞いて憤慨しました。
国境で死んだ糜冲の荷物が兵たちによって調べられますが、荷物には陳恭によって事前に”陳”という姓の通行証と名刺が入れられていたのです。
荀詡は北伐が失敗した日、白帝の情報は軍営までは正常に運ばれたが、軍営の中ですり替えられたと睨んでいました。
配下の裴緒(ホウ・ウェイタオ)は荀詡に、馮膺の義弟で暗号解読用の木版の管理もしている孫令(チャン・ユエン)が怪しいのではないかと言います。
その後、荀詡が呼び出されて馮膺のところに行った時、国境で間諜が1人死に、1人死亡したという知らせが届きました。
そして馮膺は荀詡に、燭龍のことを最初に知らせなかったのは私を疑っているからかと尋ねます。荀詡は冷静を装って否定するのでした。
7話:暗号解読用の木版
その頃、李邈は馮膺の腹心の陰輯(リウ・ティンズオ)の家を訪ねていました。李邈は陰輯が指令を捏造して情報を呉と魏に流し、私利をむさぼっていた証拠を突きつけます。
陰輯は短剣を自分に向け、自害しようとしますが果たすことができませんでした。李邈は陰輯に活路を与えてやると言い……。
一方、荀詡は馮膺にも白帝の情報は軍営までは正常に運ばれたが、軍営の中ですり替えられたという自分の見解を話していました。
馮膺は孫令を疑っているのかと言いますが、孫令が取り調べられたら自分に矛先が向くと言って調べさせようとしません。
五仙道に陳恭が”糜冲”として到着します。五仙道の祭酒である黄預(チャン・シャオチェン)はそれを歓迎し、聖女に舞を披露させました。彼女こそが聖女として五仙道に潜入している陳恭の妻、翟悦だったのです。
夜になり、馮膺は腹心の高堂秉と陰輯を酒楼に誘いました。馮膺は李邈が燭龍のことを調べようとしているのは私を引きずり下ろすためだと言います。そして馮膺は2人に李邈に司聞曹を中傷する隙を与えないように忠告しました。
同じ頃、荀詡は李邈の家を訪ね、燭龍の件は孫令が怪しいと思うが馮膺が調べさせようとしないと訴えます。そして荀詡は李邈に暗号解読用の木版を確認したいので持ち出してほしいと頼みました。
李邈の家からの帰り道、荀詡は柳瑩が働いている酒楼”紫煙閣”へ行ってみます。開け放たれた襖の奥で柳瑩が客たちと酒を飲んでいるのが見えました。
荀詡は柳瑩と目が合いますが、その時、店の者に襖を閉められてしまいます。その夜、荀詡は柳瑩のことを思い出して眠れず、柳瑩にもらった横笛を取り出して眺めるのでした。
紫煙閣が閉店した後、柳瑩にこっそり”白帝は陳恭だ”と伝える者がいました。柳瑩は”谷正が死んで私が新しい連絡係になった”と言い、紙に”白帝 天水郡主簿 陳恭”と書き留めます。
翌朝、五仙道に柳瑩が書き留めた紙が届くのでした。黄預は”陳恭”が糜冲とともに五仙道に来るはずだったと知り、目の前の糜冲が本物か確かめるために天水から2人の使者が到着すると伝えて様子を窺うことにします。
司聞曹では李邈が陰輯に暗号解読用の木版について尋ねていました。陰輯は白帝の木版は機密扱いだったが白帝は裏切ったと思われるためすでに解禁になったと答えます。
李邈は捜査を理由に暗号解読用の木版を書庫から持ち出すのでした。
8話:天水からの使者
李邈は荀詡に暗号解読用の木版の入った箱を渡しますが、荀詡は国境で死んだ男の骸を調査するために出発するところでした。李邈は暗号解読用の木版を荀詡の部署で保管するように言います。
荀詡は配下の廖会に箱を渡し”証拠品”だとだけ言って見張りを命じました。
国境に着き、骸を見た荀詡は陳恭の策が成功したとわかり安堵します。荀詡は骸の体にあった忍冬の紋章から検案書には東呉の陳氏の者だと書きました。その帰りに大雨になり、荀詡は国境に1泊することになります。
一方、陳恭は厳重な見張りの五仙道から逃げ出すことができず、仕方なく天水からの使者を歓迎する宴に出ることにしました。
使者は陳恭の顔を見て糜冲ではないと言います。ところが陳恭は落ち着き払ってこの使者2人の顔は天水で見た覚えはないと言い返しました。
すると使者は、道中で糜冲を殺し、糜冲に成りすましてここに来たのではないかと指摘します。そう言われた陳恭は突然”月はなく星は稀に烏鵲が南へ飛ぶ”と言いました。
きょとんとしている使者に陳恭は、2人が本当に天水からの使者ならば郭剛にこの合言葉の続きを教わったはずだと言います。すると使者は本当に糜冲なら体に忍冬の紋章があるはずだから証拠を見せろと言いました。
陳恭が衣を脱ぐと、胸に忍冬の紋章の焼き印があります。陳恭は糜冲に成りすますために天水を発つ前にあらかじめ胸に焼き印を押していたのです。
黄預は陳恭を”糜冲”だと認めました。その時、陳恭は急に使者に剣を抜きます。陳恭は応戦した使者の剣術を見て益州の剣術だと言い、その者たちこそが西蜀の間諜だと指摘し、使者の1人を刺し殺しました。
もう1人の使者は黄預に助けを求めましたが、黄預は私まで欺きやがってと言ってその使者を刺したのです。
蜀漢では李邈が李厳の腹心である狐忠(ポン・イーチョン)に、陰輯を使って馮膺に罪を着させると報告していました。
その夜、陰輯は馮膺に手紙が来ていると言って司聞曹に戻るように仕向けます。馮膺が司聞曹に戻るとほとんど人がおらず、その日は大雨だったので李邈が山津波を心配して早上がりを命じたとのことでした。
残っていたのは荀詡に命じられて”証拠品”を見張っている廖会だけ。馮膺は廖会をねぎらって帰って行きます。
五仙道では黄預が陳恭に間諜から守ってくれたことへの礼を言い、義兄弟の契りを結ぼうと申し出ていました。陳恭が快諾すると黄預は聖女に扮した翟悦を紹介し、兄嫁として接するように言うのでした。
陳恭と翟悦は初めて会ったふりをして挨拶を交わし、翟悦はお近づきのしるしにと言って陳恭に宝剣を渡します。
翌朝、荀詡が戻ってくると司聞曹が物々しい雰囲気になっていました。昨夜大雨で皆が早く帰った後、司聞曹に賊が入り残って見張りをしていた廖会が殺されて暗号解読用の木版が盗まれたとのこと。
荀詡は骸を確認しますが、廖会が剣を抜いた形跡がないことを不審に思います。
また各部から盗まれた物を調べた荀詡は、陰輯が貴重な文鎮を盗まれた以外は取るに足らない物しか盗まれておらず、賊の目的は暗号解読用の木版だったと考えるのでした。
馮膺は曹魏と通じ人を殺めた疑いで捕らえられてしまいます。