【三国志~司馬懿 軍師連盟~】27話・28話・29話・30話のあらすじ。士族の支持を得た曹丕は、ようやく皇帝になることを決意し禅譲を受けました。即位の儀式では、新政策を進めることを発表し……。この記事ではネタバレ感想をお届けします。
第27話「曹家一族との対立」
曹一族の処罰
司馬懿は家族と帰郷する道中で、搾取される農民をかばった小役人が 仲間からひどい仕打ちを受けている場面を目撃する。
「小役人ですら堂々と戦っている。私も戻らねば」
司馬懿はそう言うと、父親が止めるのも聞かずに屋敷へと戻った。
その頃、司馬家の前では兵を引き連れた曹洪が横暴に振る舞い、屋敷の門に無数の矢を放っていた。
ちょうど帰宅した司馬懿は、いばり散らす曹洪を言い負かして追い返す。
曹洪は自分は“曹一族”だから処罰されるわけがないとタカをくくっていたが、この一件を知った曹丕は、曹洪を3か月の減給処分にした。
曹一族は余計に司馬懿を敵視するようになり、同時に“早く曹丕を皇帝につけて自分たちも王の立場を得なければ”と思うようになる。
(曹丕が皇帝になれば、親族の彼らは王という立場になり誰も手出しできなくなるため)
彼らは連日「皇帝になってほしい」と曹丕に迫った。
曹丕の出征
曹丕は孫権を討つという名目で南征することにした。
曹一族は「ようやく皇帝になる決心がついたのか!」と喜ぶ。
出征当日。
曹丕は、見送りの中に誰かの姿(たぶん司馬懿)を探すが見つからない。
そこへ、寝坊したせいで遅れてしまった司馬懿が駆けつける。
司馬懿は上奏したいことがあるというが、間違えて何も書かれてない上奏文を持ってきてしまった。
曹一族はここぞとばかりに司馬懿を罰するべきだと訴えるも、曹丕は「罰は本人の自覚に任せる」と言い出征した。
司馬懿は自ら罪を認めて牢屋に入り、伸び伸びと過ごす。
感想
曹真は司馬懿を目の敵にしているけど、味方には情が厚いタイプな気がします。
以前に曹丕がピンチだったとき、司馬懿の家に兵を率いて押しかけてきたこともありましたし、友人のためなら熱くなれる男なのではないかと。
そんな彼が司馬懿と和解するときは来るのか?とその辺りも楽しみのひとつです。
一方の曹丕は、見送りの中に誰かの姿を探していましたが司馬懿ですよね。
見送りにギリギリ間に合った司馬懿が登場したときの、曹丕のほんのり嬉しそうな表情にこちらも嬉しくなりました。
出発時に曹丕が司馬懿に見せたおどけた表情も、友人として気を許しているように見えました。
第28話「3つの宝」
曹丕、皇帝となる
南征した曹丕は譙県に到着した。
その夜 曹丕は、曹一族が譙県の土地を独占しているせいで民には耕す田畑がないと知り激怒する。
その時、皇帝の遣いが勅命を伝えにやって来た。
勅命は皇帝の座を譲るという内容だったが、まだ時期ではないと思っている曹丕は拒んで帰らせた。
入れ違いにやって来た鐘繇は、3つの宝を持ってきたという。
- 帝位を勧める上奏文
- 司馬懿が獄中で記した政策案
- 改革を望む士族(学生)たちの連盟状
3つ目の宝を見た曹丕は「これで曹一族も長くは抗えないだろう」と皇帝の座につく決意を固めた。
(士族の支持を得た今なら、曹一族の勢力を抑え込めると判断したのでしょう)
再び皇帝の使者がやってきたので、曹丕は自ら皇帝に会いにいくことにした。
皇帝と対面した曹丕は、禅譲を受けて皇帝となる。
即位の儀式では、司馬懿が壇上にあがり「改革を進める」と詔を読み上げた。
さっそく、夏候惇らが抗議にやってくるが、曹丕は「新政を敷いても曹一族が登用の権限を失わないようにする」と なだめた。
陛下の勅命
一足先に鄴へ戻ることとなった司馬懿は、曹丕から「楽しみを用意した。朕の好意を無にするなよ」と念を押される。
司馬懿は帰路の途中で知らない場所に連れて行かれ、(曹丕が用意した)柏霊筠という女性と対面する。
状況を把握できない司馬懿に、柏霊筠は「陛下の勅命でお仕えします」と告げた。
(陛下=曹丕のこと)
感想
献帝が久々の登場!
年月とともに積み重なったのであろう哀愁や疲れ切った雰囲気が出ており、さすがはマオレイ(俳優)です。
禅譲を受けた曹丕の表情も素晴らしかったですし、やはり演技派俳優の掛け合いは見ごたえがあります。
印象的だったのは曹真で、彼は改革そのものよりも曹丕に隠し事をされたことがショックなように見えました。
自分こそが曹丕の一番の側近でいたいと、そう思っているようにも感じられます。
一方の司馬懿は、柏霊筠に対する態度がいかにも女慣れしていなくて面白かったです。
第29話「甘い罠」
司馬懿は妻子ある身だからと帰ろうとするも、「勅命に背くのですか」と言われて留まるしかなかった。
夜になると、柏霊筠に共寝を迫られるが一貫して拒む。
すると柏霊筠は、曹丕の勅命を取り出した。
勅命には「(柏霊筠を)攻め落として帰還せよ」と書かれていた。
それでも司馬懿が拒み続けると、柏霊筠は共寝を諦めて部屋を出ていった。
翌朝、司馬懿は柏霊筠に頼まれて琴を教える。
そこへ、司馬懿の妻である張春華が乗り込んでくる。
司馬懿は激昂する張春華を家に連れ帰り、「柏霊筠とは何もなかった。彼女は陛下が私を探るための駒だ」と弁明する。
感想
どうやら柏霊筠はますます司馬懿に好意を抱いた様子。
確かに、家族思いで誠実な司馬懿は視聴者から見ても好印象でした。
彼は曹操の前ですらあまり動じなかったのに、柏霊筠に押され気味なのが印象的でした。
タジタジになりながらも きっぱり断るのは男らしかったですし、やましいことは一切していないので張春華の誤解も早く解けるといいのですが。
張春華が乗り込んできたシーンや、その後に叱られるシーンはコントのようで面白かったです。
第30話「君主と臣下の関係」
柏霊筠が司馬家に……
司馬懿は張春華に、柏霊筠とは本当に何もなかったと必死に訴える。
「だったら明日、陛下(曹丕)に女を返しなさい」
「明日必ず断ってくる!」
そう言い切った司馬懿だったが、曹丕は勅命を撤回してくれなかった。
それどころか、柏霊筠を受け入れないなら張春華とは離縁させると言われてしまう。
司馬懿が帰宅すると、すでに柏霊筠が到着していた。
司馬懿は門の前で柏霊筠を待たせ、張春華を説得しに行く。
しかし 大ゲンカになり、司馬懿は怒りのままに柏霊筠を屋敷に迎え入れる。
九品官人法の実施
街じゅうに新政の触れ書きが貼られ、“九品官人法”が実施された。
才能さえあればどんな者でも選考を受けることができ、選考を通過した者は最終試験を受けることとなる。
しかし、いざ選考が始まると今まで同様に家柄が重視された。
選考を受けにきた小役人の鄧艾は、吃音症ということもあり面接官吏に適当にあしらわれ会場から追い出されてしまう。
その様子を見ていた鍾会(鍾繇の息子)は、鄧艾が落としていった竹簡を拾う。
そこに書かれていた“屯田の策”に感銘を受けた鍾会は鄧艾を訪ねる。
感想
曹丕があそこまでして司馬懿に柏霊筠を娶らせようとする真意がよく分かりませんでしたが、司馬懿のこのセリフが正解な気がします。
「(司馬懿を)信頼する根拠がほしいのだ」
結局曹丕は司馬懿のことすらも完全には信じきれていないのでしょう。
勅命で娶れといわれたら さすがの司馬懿も断れないですよね。
けれど、たとえ柏霊筠を側室に迎えたとしても、妻の張春華とは20年間の夫婦の絆があるから大丈夫なはず。
それよりも不安要因になりそうなのが、息子の司馬昭です。
彼は迷わず柏霊筠に剣を向けていましたし、その後の“思考”も人の心がないように感じられ とんでもない危険人物になりそうな予感がします。
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