【三国志~司馬懿 軍師連盟~】最終回(86話)のあらすじ。多くの人が司馬懿のもとを去り、そばには侯吉だけが残りました。そんな中、死期を悟った司馬懿が最後に望んだこととは?この記事では、結末までのネタバレ感想をお届けします。
Writer:kino
最終回(86話)のあらすじ
死期を悟った司馬懿は朝議中の宮廷に赴き、皇帝に「自分が死んだら文帝(曹丕)の墓陵のそばに葬ってください」とお願いする。
「丘陵を作ることも植樹も無用です。平服であの世へ行きます。冠も副葬の品もすべて要りませぬ」
皇帝がその願いを聞き届けると、司馬懿は老体を引きずりながら階段を降りていく。
真ん中を歩いていた司馬懿は、ふと立ち止まって百官を見渡した後、端に移動して退廷した。
最終話(86話)のネタバレ
大喧嘩
司馬懿は結局、小沅を殺した司馬昭を許した。
そのことに納得がいかない侯吉は、司馬懿が長年飼っている亀を殺して粥に入れたと嘘をつく。
司馬懿は激怒し、「殺してやる!」と侯吉を追いかけ回した。
侯吉も侯吉で、司馬懿が曹爽や王陵の親族を無慈悲に殺したことを非難する。
激しい取っ組み合いとなる中、床で亀が這っているのを見た司馬懿は 怒りを引っ込めて笑いだす。
落ち着きを取り戻すと、侯吉は亡くなった小沅との結婚を望み 司馬懿に式の準備を頼んだ。
結婚式は、誰も招待されない簡素なものだった。
司馬懿は張春華の位牌とともに祝福する。
最期の回想~結末~
司馬懿は自分が死ぬ前に、ずっと飼っていた亀を川に放つことにした。
翌朝、司馬懿は侯吉とともに馬車で川に向かったが、道中で侯吉が死亡してしまう。
司馬懿は1人 川辺に立ち、亀を放つ。
そして、かつて華佗から授けられた健康体操をしながら過去を遡っていく。
晩年で覚醒し、クーデターを決行したこと。
諸葛亮との戦いで息子たちと死線をくぐり抜けたこと。
甄宓と交わした血の誓いを守り、曹叡を補佐しつづけたこと。
そして……。
曹丕に「仁義」の策をさずけ、師友となり、彼が皇帝になったあとも支え続けたこと。
1話の月旦評で楊修とやり合ったことや、出仕を拒むために己の足を折ったこと。
そして最後は、曹操を睨みつけたあの瞬間が映し出され 司馬懿は息を引き取る。
西暦251年 司馬懿は洛陽で没した 享年73歳
西暦263年 蜀の主 劉禅が戦わずして魏に降り 蜀は滅亡する
西暦265年 司馬懿の孫 司馬炎が禅譲を受け 皇帝を称し 国号を晋と改める
西暦280年 呉の孫皎が降伏し 三国は晋に帰した
引用:【三国志~司馬懿 軍師連盟~】86話
<完>
最終回(86話)の感想
司馬懿の最後の願いが、まさか曹丕の墓陵のそばで眠ることだとは!
妻のそばでなく、先祖や親のそばでもなく、曹丕というのが胸熱すぎて感極まりました。
晩年は野心や卑劣さが浮き彫りになっていったように見えましたが、最後は官位も何も持たない状態で死ぬことを望んだのも印象的。
退廷時に、ど真ん中を歩いていた司馬懿がふと立ち止まって“端っこに移動”したのも、地位や権力を手放したことの表れな気がしました。
そんなふうに 権力も何もかもを手放した司馬懿が、唯一手放さなかった望みが曹丕と一緒に眠ることだなんて、曹丕ファンとしては泣けてきます。
かつて、曹丕が最期に思い浮かべたのも司馬懿でした。
あの時は2人が会えないまま死別したことを悲しく思いましたが、これで曹丕も浮かばれたのではないかと。
全話を通して策略家だった司馬懿という男は、何が本心か分からないところも多々あるけれど、最終話になってようやく、かつて曹丕に「命を懸けてお仕えします」と誓ったことは本心なのだと分かった気がします。
そう考えると、もしも曹丕が生きていたならば、司馬懿もずっと臣下の本分を守ったまま生きていられたのではないかと思わずにはいられません。
司馬懿にとっては、張春華の死と同様に 曹丕の死もひとつのターニングポイントだったのかもしれませんね。
最終話の侯吉との掛け合いもとても良かったです。
おじいちゃん2人の本気の取っ組み合いは、シリアスながらもどこか笑えるところもありました。
それはきっと、どれだけ大ゲンカになっても2人の関係は絶対に揺らがないという確信を持って見れたからかもしれません。
司馬懿の晩年はいろいろと思うところもありましたが、86話も見ていると 司馬懿という男の人生に少なからず愛着が湧き、ドラマが終わってしまうのが名残惜しい気持ちです。
最後に全体の感想を。
【三国志 司馬懿 軍師連盟】全体の感想と振り返り考察
とにかくメインキャストの演技が素晴らしかったです。
物語の序盤を牽引してくれた曹操のカリスマ性や存在感はすごいものがありました。
しかしながら、思い返してみれば悲劇の発端は彼にある気がします。
曹丕に甄宓を娶らせたこと。
このことが、後の悲劇を生んでしまいました。
そういう意味で、曹操は罪深い人物だったとも言えます。
次に司馬懿について。
曹操編では、まだ司馬懿は権力などに興味がなさそうでしたし、己の足を折ってまで出仕を拒んでもいました。
実のところ、司馬懿がいつから野心を抱いていたかは分かりませんが、少なくとも曹丕に仕えている間は己を律していたように思います。
そのブレーキが緩くなり始めたのは、曹丕の死後、曹叡が郭照を殺した時でしょう。
そのすぐ後に、司馬懿が明確に臣下の一線を踏み越えたと思われるエピソードがありました。
それは、曹叡に無断で公孫淵とその親族を皆殺しにしたこと。
おそらく、この時からじわじわと己を律するタガが外れていき、張春華の死によってストッパーが外れた状態になったのではないかと推測します。
それからの司馬懿は卑劣さを隠さなくなっていきましたが、彼自身が変わったというよりは、司馬懿の中にもともとあったものが浮き彫りになっただけという気がしました。
晩年の司馬懿の描き方に関しては、大きく好みが分かれるところでしょう。
個人的には、人間のいい部分だけではなく、年月とともに律しきれなくなった権力欲までもをしっかり描き切った本作は忘れられない作品となりました。
また、最後の最後にそれら権力欲や執着を手放した(と思われる)幕の下ろし方も良かったです。
全86話と長丁場ではありますが、是非とももう1周したいと思える素晴らしい作品でした。
<特に好きだったキャラクター>
- 楊修…ウザかわいくて憎めない
- 荀彧…清廉潔白なイケおじ
- 曹真…曹丕♡強火担なところが憎めない
- 曹丕…司馬懿の一挙手一投足をすべて知りたい男
- 曹叡…心を許すのは辟邪、心を占めるのは母
- 辟邪…曹叡の心が安らぐなら人間さえ辞められる男
- 司馬昭…天使の顔した悪魔のギャップ◎
- 司馬孚…純真無垢 選手権、優勝
本ページの情報は2022年7月時点のものです。最新の配信状況は[U-NEXT] (PR) にてご確認く
中国歴史ドラマ「三国志〜司馬懿 軍師連盟〜」(C)CHINA INT’L TV CORPORATION