【清越坊の女たち】18話・19話・20話のあらすじネタバレと感想。翠喜と良弓の恋は講談師によって蘇州中に広がってしまいました。さらに追い打ちを掛けるかのように丁栄が翠喜に罠を仕掛けるものの失敗。巧児は丁栄を恥じ縁を切ったものの、その怒りが大変な事態を引き起こしてしまいます。
【清越坊の女たち】18話あらすじネタバレ
翠喜と良弓の恋は「繍荷包」を通じ、蘇州中に知られることになってしまいました。李照は良弓の見舞いという名目で宝琴を訪ね2人の関係を探りに来ましたが、宝琴は「秀山が翠喜に泣きついて頼んだから良弓を任家に戻した」と嘘を伝えたのです。
その頃、良弓は翠喜に自分の母のことや李照のことなどを話していました。良弓の母は妾で、正妻の潘氏に禁足されて侮辱された上に行院に売られ自ら命を絶ったのです。良弓が李照と出会ったのは7歳の時で、とてもよく面倒を見てくれた己に厳しい君子だったと話します。
しかし、役人になった李照は出世するにつれ冷酷かつ貪欲になったのです。そこで良弓は疑問に思ったのです。「人は高位に就くと人の貴賤や生死を操れるようになるのだろうか 人格までもが変わるのか」と。そして翠喜の言葉で「過ちの原因は地位ではなく人間にある」と気づいたのでした。こうして2人の穏やかな時間が流れていきました。
組合には講談師の話を聞いた組合員たちが、このまま組合と取引を続けたらどんな目で見られるかと自分の身を心配して押しかけていました。舒芳が「奥様が風紀を乱したのを誰が見たのか?」と反論すると組合員の1人が「誰かが見たに決まってる」と言います。
それを聞いていた如風が「そいつの名前を教えてもらおう」と追及すると、講談師の話を鵜呑みにしただけの彼らは、何も言えなくなってしまいました。そこに巧児が来て、みんながもめている様子を見て帰ろうとしましたが、舒芳に引き留められ「洗いざらい話す」といったのです。
巧児は、如風に丁栄が講談師にやらせたことだと話し活路を与えて欲しいと跪きました。すると如風は、丁栄のことは許してやってもいいが巧児はこのまま丁栄についていくのかと心配し、講談師を捕えに行きます。
一方で、任家を見張っていた丁栄は翠喜と良弓の噂を聞きつけたを長老たちが任家に入っていくのを見て、翠喜の部屋に罠を仕掛けようと隙を狙って入り込みました。そこで靴を置き、翠喜が縫いかけの衣は証拠になると考え懐にしまい込んだのです。
長老たちは翠喜と如風に、噂が蘇州中に広がっていることを追求している一方で、如風と巧児、舒芳は丁栄が翠喜の部屋に罠を仕掛けている所に出くわします。丁栄と講談師は長老や翠喜たちの前に引き出され、講談師は「丁栄から頼まれた”繍荷包”を読んだだけだと弁明しました。
舒芳は、丁栄が翠喜の部屋に男物の靴を置いていたと靴を見せます。如風は丁栄に言い分があるかというと、丁栄は巧児の顔を見て「私を売ったのか?」と言いました。
丁栄から「翠喜の部屋に行き翠喜と良弓のことが李照にバレていると知らせる」と嘘を聞かされていたことを知った巧児は激怒し、翠喜は潔白だと証言し、丁栄が何をいっても巧児は耳を貸しません。泥沼劇のなか、良弓が口を開きました。
「私はここに誓う。もし翠喜と恋仲だったら来年の春までに命を絶つ」
そして巧児もまた、丁栄とは今日で縁を切ると言ったのです。これに逆上した丁栄は、さきほど盗んだ衣を出し「これは翠喜が情夫のために作った衣だ」と声を荒げます。すると舒芳が、これは良弓の衣だけど縫ったのは翠喜ではなく、私が良弓に縫ったものだと言ったのです。
巧児は「なぜあなたを好きになり嫁いでしまったのか なぜあなたの子を産んだのか 舒芳の忠告を聞いておけばよかった」と大声で後悔を口にしました。その瞬間 巧児は出血し、お腹の子と共に亡くなってしまったのです。
【清越坊の女たち】19話あらすじネタバレ
巧児が亡くなったのは翠喜のせいだと逆恨みした丁栄は、織造局へ行き李照のために翠喜と清越坊を潰すと断言しました。
一方で、翠喜を庇って良弓に衣を作ったと証言した舒芳は、みんなに知られることとなってしまったため、如風との婚約を破棄することになってしまいます。このまま如風と婚礼を行えば如風が笑われることになると案じたためでした。そうとは知らない如風は、舒芳がまだ良弓を諦めきれずにいると思ってしまったようです。
後日、宝琴は三塘街の屋敷にやって来た李照に「翠喜と良弓の噂は李照が流したのではないか」と追求しましたが答えは得られませんでした。すると宝琴は、朝廷が水運と治水工事の調査に来ることを挙げ、織造局は大丈夫かと尋ねてみます。
李照は、水運と治水工事の調査は関係ないと否定しましたが、かつて蘇州知府だった宝琴の父が水運の財源を流用していたことに触れました。
「李照の師兄の高殿は都も絶大な権力者であり、気前もいい。そして近年、師兄は江南の重鎮として財源を多く持っている、さぞ高殿にも貢がれたことでしょう」と李照に言ったのです。
そして「どういうことか?」としらばっくれる李照に、宝琴は自分の父や家族がどうなったかを話し「なるべく早く手を引いた方が身のため」と促しました。宝琴は、朝廷の動静を記録した邸報を持って翠喜の元を訪ねました。
丁栄の策は失敗したもののこれで李照が手を引くはずがないと、邸報を読んで報復の方法を探り次の対策に役立てようとしたのです。元来、李照は無欲な人だったのに摂取にここまで熱心なのは理由があると考え、邸報で李照の挙動の手がかりをつかむことにしました。
すると李照が抹殺か権力かの紙一重にいることや、本来 織造は政や官吏を操ることはできないから何の実権も無いように見えるものの、李照は江南における陛下の耳目で上奏すべてが陛下に届いていることが分かったのです。
そして、話し合いの中で翠喜は李照はいずれ手元の生糸を売り払うと予測し、「張飈を見つけた」という名目で、見回りを強化してもらうよう曹文彬に頼むことにしました。
そんななか、都から李照に文が届きます。文には「半年で損失を補てんせよ」と書かれていました。焦った李照は、丁栄を使って貯め込んだ生糸を海賊に売り 補てんするための財を作ろうと考えます。
【清越坊の女たち】20話あらすじネタバレ
丁栄を呼び出した李照は貯め込んでいた生糸を見せ、南洋に売り先を持つ買い手を見つけたからその取引を行うよう命じました。丁栄は、海禁令に背けば死罪だと知りつつも引き受けるしかありませんでした。
取引を何度か成功させるも、ある取引の時に見回りの官兵に見つかってしまいます。丁栄は身を隠して逃げ伸び李照に伝えると、李照は曹文彬の仕業と見て怒りを隠せません。そこで李照は、両江監督を後ろ盾にしている曹文彬を大人しくさせるため、自らは江寧の総督を訪ねて釘を刺すよう頼むことにしたのです。こうして李照は翌日、江寧に向け出発しました。
その夜、翠喜は良弓に宝琴との出会いを話しました。
「宝琴とは最初から特別な縁があった。でも田舎者だった私は雪堂や宝琴に対して引け目を感じてた」
翌朝、翠喜と良弓は船で出掛け2人の時間を過ごすことに。しかし、翠喜は良弓が咳込んで吐血したのを見てしまいます。良弓は心配そうな顔をした翠喜に「我々に残された春は一度しかない、気がふさぐようなことは考えず お互いと この一瞬を大切にしよう」と話すと、翠喜も「共に過ごせることが夢のようだわ この夢が静かに流れて行くことを願う」と笑顔を見せました。
こうして2人は、この後も笑って大切な時間を過ごしたのです。そして春が訪れました。翠喜は良弓の隣で鴨の刺繍を刺し、良弓は「なんて幸せなひとときだろう」と喜びを感じます。
「あでやかな春の日、隣にはあなたがいる 桃の花が咲き 運河の水も緑に染まった 明日はこの上ない晴天になろう 翠喜 明日は一緒に船に揺られないか?」そういうと、良弓は翠喜の肩に顔を寄せました。
「この世は美しいものに溢れてる、一緒に見に行こう。」良弓はそのまま目を閉じました。そこで刺繍の糸が切れ、翠喜は良弓の旅立ちを悟ったのです。
【清越坊の女たち】18話~20話の感想
巧児は丁栄と結婚したことを悔いながら亡くなってしまいました。それなのに、この期に及んで丁栄は翠喜を逆恨みするとは……。みんな頭がおかしいと丁栄は言うけど、頭がおかしいのは丁栄あなたですよ?と言いたくなります。
もはや李照に洗脳でもされているのではないかと思うほどの異常さで、なぜそこまでして李照の言いなりになるのかが分かりません(笑)
そして、魏良弓が亡くなってしまいました。翠喜に本当の愛を教えてくれた人であり、清らかな心を持った人なので惜しいです。
それでも冬を越せないと言われていたのに、春まで生き延びることができたのは翠喜と出会ったからでしょう。そっと目を閉じた瞬間は胸にグッとくるものを感じました。