【清越坊の女たち~当家主母】27話・28話・29話あらすじネタバレと感想。翠喜は異色双面緙の技と引き換えに如風を釈放させました。しかし、異色双面緙の技を織造局に独占させないよう別の手を打ちます。そんななか翠喜の処刑の日がやってきてしまいました。
【清越坊の女たち】27話あらすじネタバレ
宝琴が首に簪を突き立て、任家の財産を蘇州府に奪われないよう阻止していた時に李照が現れます。李照は「証拠の捜索を」と説明する邵氏を殴り、「創作するのは構わんが死を迫ってはいかん。特に相手が宝琴ならばなおさらだ。私の女に手を出したら承知しないと主に伝えろ」と追い払ったのです。
しかし、「文彬は任家の財産、李照には異色双面緙の技を渡す」という文彬からの提案に李照は、自分の利益のために任家の残った財産をすべて奪うことに同意したのでした。一方で、翠喜の牢にやってきた文彬は、自分は味方だというフリをしながら翠喜に罪を認めるよう迫ります。
翠喜は文彬が来たのには他に理由があると分かっていました。文彬は、単刀直入に「緙絲の技を授けてくれたらうまく取り計らう」と言うと、翠喜は少し考え「家族に会いたい」と伝えたのです。
その夜、翠喜は徹夜で緙絲の技を細かく記し、翌日 面会に来た舒芳と陳暁紅に「あと7日で如風と帰る」と約束しました。翠喜は7日後の釈放を条件に緙絲の技を文彬に渡してしまったのです。文彬は緙絲の技を記した書き物を李照に渡し、引き換えに任家の財産が保管されている倉庫の鍵を受け取りました。
ところが、任家の財産は半分しかありません。李照は、緙絲の技が本物であれば残りの財産を渡すと言い、さらに書かれている技が本物かどうかを判別するには7日以内では無理だと言い出したのです。
そして約束の7日目。任家では如風と翠喜の帰りを今か今かと待っていましたが、結局2人は戻って来ませんでした。陳暁紅は肩を落とし、今までのような元気もなくなってしまいます。すべては如風が張飈と関わった事が原因だと責任を感じた陳暁紅は、自分で出来ることの後始末を終えた翌日、聴衆に息子の無罪を主張し自ら壁に頭をぶつけたのです。
【清越坊の女たち】28話あらすじネタバレ
陳暁紅は、自分の命と引き換えに翠喜と如風の潔白を訴え、このことは丁栄から李照の耳にも入りました。林舒芳は陳夫人の代わりに、杖刑を覚悟で公平な裁きを訴えに蘇州府署に出向きます。
一連の出来事を知った李照は、死人を出したことで文彬を強く非難すると文彬は、もしお上に知れて曹家が取り潰しになるなら李照も巻き添えにすると激怒しました。そこで2人は、自分たちの身を守るため翠喜の弱点を利用して罪を求めさせることしかないと考えたのです。
文彬は翠喜に、「如風と張飈が繋がっていた証拠はある、翠喜が罪を認めなければ任家全員が流刑になるが、密通と夫殺害の罪を認めれば任家の全員が助かる」と、罪を認めさせようとしました。
翌日、翠喜は罪状書に母印を押して罪を認め如風が釈放されました。陳暁紅の葬儀を終えた後、舒芳は翠喜から緙絲の技法を記した書を託されたことを宝琴に話します。緙絲の技法を記した書は、文彬に渡したもの以外にもう一冊書いていたようです。
翠喜は、舒芳に異色双面緙の技法は模範だけでは復元できず感性と既存の技を融合して出来上がるものだと説明し、「もし自分の身に何かあれば技法を公開して、蘇州中の織り元に伝えて」と言われたと話しました。
これを聞いた宝琴は、その書と引き換えに翠喜を釈放するよう李照に交渉します。しかし、李照はその書を読み”細かい指示”を記憶すると「書に用はない」と宝琴の取引を断ったのです。
文彬に渡したものは異色双面緙の技法、舒芳に渡したものには細かい指示が書かれていた
少し前から宝琴の持病が悪化し咳が多くなっていましたが、店に届いた薬は織造局が全部買い取ってしまうため品不足となり手に入りませんでした。そんな時、宝琴の持病を心配した李照から薬が届きましたが、宝琴は薬を庭に捨ててしまいます。しかし、山積みの問題を解決するためにも「薬があるなら飲めばいい」と考えを変えました。
ある日、宝琴が誰かに嫁ぐらしいと噂を聞きつけた李照が、宝琴の見合いの場に押し入ってきます。李照が「なぜ自分を頼らないのか」と聞くと宝琴は、私を守る名目で任家を潰すから信用できないと伝えました。宝琴の噂に怒った舒芳は宝琴を責めましたが、嫁ぐ本当の理由を教えてくれなかったのです。
翌日、李照は宝琴を屋敷に招きある部屋を見せました。そこには、何枚も描かれた宝琴の絵や大量の金子や銀子などの財産が保管されていたのです。すべての財宝は、李照が宝琴を身請けするために蓄えていたものでした。これを使えば損失が補てんできたはずなのに李照が使わずにいたのは、宝琴への愛ゆえだったのです。
【清越坊の女たち】29話あらすじネタバレ
李照の想いを知った宝琴は翠喜を救うために李照の気持ちを利用し、金1万両と白銀32万両を渡すと言う証文を書かせて求婚に応じました。
そして後日、李照が結納品を届けに任家にやってきます。宝琴は、李照の年収では金1万両と白銀32万両を用意するのは100年かかっても無理だから、別の方法で収入を得ていることを告発すると李照に伝えました。
しかし、李照は証文を光に当てると消えてしまう特殊なインクで書いていたため文字が消え、証文はただの紙になってしまったのです。
李照失脚による翠喜救出という宝琴の計画は失敗に終わりました。ある日、男たちが翠喜と宝琴のことを噂しているのをひとりの男が聞いていました。そして日が経ち、翠喜の処刑の日がやってきます。
【清越坊の女たち】27話~29話の感想
李照がずっと宝琴を想っていて身請けするために必要な5000両を作るため悪に手を染めたようでした。しかし、いざ身請けが出来る状態になったものの直前で雪堂に身請けされていく宝琴を見て肩を落とします。
元々は自分に厳しかったという李照がここまで冷酷非道になったのは、宝琴へのねじれた勝手な想いだったことが分かりました。
一度踏み入れた悪の道を断ち切ることが出来なかったのは李照の弱さだったのでしょう。そして、ついに翠喜の処刑の日がやってきてしまいました。それにしても前日に、宝琴と翠喜の噂話しを聞いていた男は誰なのでしょう?