清越坊の女たち ネタバレあらすじ36話・37話・38話。小欄の父は復讐をあきらめず清越坊に嫌がらせをします。しかし、それを終わらせたのはやはり翠喜の機転の良さと強さでした。また。恩赦により蘇州に戻ってきた曹文彬と妻は娘を救おうとしましたが、文彬と妻の考え方は違っていました。
沈翠喜(ジアン・チンチン)、曽宝琴(ヤン・ロン)、魏良弓(マオ・ズージュン)、任雪堂(シュー・ハイチャオ)、如風(リー・イーナン)、林舒芳(ジャン・フイウェン)、丁栄(ワン・シーチャオ)、如意(ワン・シー)
36話:安堵の日
如意に一目惚れをしたのは翁晋と言う男性でした。友人たちのところに戻った翁晋は、川で出会った如意について話すと、一部の友人は如意のこと知っているようで”楽子を母に持つ卑しい女”と罵ったのです。「女子の陰口は君子の行いではない」と怒った翁晋は、怒り心頭で”縁を切らせてもらう”とその場から去ってしまいました。
一方で、父の件で母を心配した小欄はそっと実家の様子を見に行きます。家の中では、案の定 父が母に暴力を振るっていましたが、小欄は何もできずにただ涙を堪えるしかありませんでした。
任福は翠喜への復讐を諦めず、3人のならず者の男を雇って錦渓坊に行かせます。男たちは、錦渓坊をまるで行院のように扱い嫌がらせをしてきました。
その話を耳にした雪堂は書硯を連れて錦渓坊に向かいましたが、すでに男たちは杖刑にさらされていたのです。実は翠喜は、「職人はほとんどが女子なので何かあっても頼れるところがない」と呉巡撫に相談していました。それは女性の職人だけではなく錦渓坊も同じです。
呉巡撫は、女子の職人を守ることは蘇州の織物業の発展にも繋がるという翠喜の言葉で動き、さらに揮毫も与えました。呉巡撫の揮毫があるからには、悪い輩は錦渓坊に手出しすることは出来なくなり任福もあきらめざるを得なくなります。
男3人のことが父の仕業だと気づいた小欄は、翌朝母を守るため”体調を崩した父のため”という名目で鶏を持って実家に行きました。
包丁が錆びていると母に包丁を研がせている間に、夫が妻に暴力を振るう夫婦の話を聞かせます。小欄は両親のことを物語のように話し始めたのです。
その話は、このままではいつか殺されると思った妻は包丁で寝ている夫の右腕を切り落とすというものでしたが、話にはまだ続きがありました。その話を家の中で聞いていた任福は落ち着かずに立とうとしたものの転んで倒れてしまいます。
任福の痛がる声を聞いた妻は、研いでいた包丁を持ったまま様子を見に行くと……任福は包丁を見て怯えました。しかし、妻が包丁を置いて手を差し出すと、任福は妻に抱き着いて泣いたのです。これでも暴力は振るわないだろうと思った小欄は、嬉しそうに錦渓坊に帰っていきました。
その頃、大赦(恩恵)により蘇州に戻って来た曹夫婦は、娘の幺娘の行く先を探し回っていましたが、文彬がたまたま仕事で行った行院で偶然にも娘と再会します。
父に気づいた幺娘は、ある出来事を利用して父と話すことに成功しました。しかし、2人が再会を喜ぶのも束の間。文彬は娘に「名節を守るために自分で顔に傷をつけろ」と刃物を渡したのです。
37話:プライドが大事?
父の言うことを一晩考えた幺娘は、翌日「顔に傷をつけるのも死ぬのもご免です。私はここで美しく生きて行く」と父に告げました。すると文彬はこともあろうか娘を殺そうと考えたのです。
文彬の様子がおかしいと気づいた曹夫人は夫の後をつけ、文彬が行院で働く男に”幺娘の化粧台に置くように”と訳ありの練り紅と銀子を渡しているのを見てしまいました。娘の身が危ないと悟った曹夫人は、文彬の姿が見えなくなったあと男に駆け寄り腕輪と練り紅と交換してもらいます。
曹夫人が気落ちしながら歩いているところ、錦渓坊の看板が目に入り立ち止まりました。小欄が「お子様の入門をご希望ですか?」と話し掛けるとと、後ろから翠喜が驚いた様子で声をかけます。
事情を聞いた翠喜は、代わりに行院に行って幺娘の様子を見てくると約束しました。家に戻ると文彬はすでに戻ってきていましたが、曹夫人は幺娘のために棺桶を用意しに行っていたと嘘をつきます。
曹夫人との約束通り、翠喜は妓女たちの採寸にやって来た女職人に紛れて行院に入り、採寸しながら幺娘と話しをしました。幺娘から曹夫人への伝言は「私は元気でここでの前途は明るい」それだけでした。
一方で、如意に一目ぼれした翁晋は任家の屏を登って如意に話し掛けました。翁晋は一生懸命アピールしましたが、如意は書硯のことをふいに思い出し彼を追い返してしまいます。しかし後日、翁晋は堂々と任家にやってきたのです。
翁晋は任家の女将である宝琴にも謁見を求め、如意が行院の出あることを知った上で娶りたいと願いでました。宝琴は両親は承諾しているのかと尋ねると翁晋は「重要なのは本人の気持ちです」と話します。これは如意が思っていることと同じでした。そこに翁晋の母が訪ねてきます。
38話:変わりつつある人々
翁晋の母 翁夫人は雪堂と宝琴に、息子の言うことは戯言だと説明すると翁晋が「淑女が君子に嫁いで何がいけないのか?」と反論しました。
そして「こんな女子を娶ったら蘇州じゅうの笑いものになる」と如意を軽んじた翁夫人の言い方が、宝琴の怒りに触れてしまいます。家に帰った翁晋は板打ちの罰を与えられましたが、それでも如意を娶ることを諦めませんでした。
一方で、翠喜は幺娘からの伝言を曹夫人に伝えます。曹夫人から、文彬が娘を殺そうとしていたことなど聞いた翠喜は幺娘を助けるために動き始めまずは舒芳に相談しました。宝琴から聞いた話では、幺娘は官妓となり賤籍に入ったので民は手出しできないと言うことでした。
幺娘を助け出すには陛下が自ら解放するよう説得するか、陛下が忘れた頃に手を尽くして救出するしか方法がありません。舒芳は翠喜を陥れた文彬を憎んでいましたが、話を聞くうちに幺娘を助ける手伝いをしたいと言ってくれました。
そんななか、翁晋は凝りもせず夜こっそり家を抜け出して如意に会いに行きます。見つからないように出たものの、母親にはしっかり見られていましたが……。それでも翁夫人は翁晋を止めずに行かせました。
翁晋は屏越しから如意にプロポ―スし、如意は少し考えましたが翁晋を信じ彼の想いに応えるかのように「わかった」と返事をしたのです。翁晋が家に戻ると翁夫人が怖い顔して待っていましたが、実は婚姻を許すつもりだったようで父の説得もかって出ました。
後日、任家には翁家から結納の品が届きます。夜、宝琴と如意が品を確認し2人が出会った時のことを思い出していました。宝琴が純潔を守ろうとして食事を抜かれた罰を受けた時、そっと食べ物を届けてくれたのが如意だったのです。如意が子供の頃からずっと一緒だった2人が離ればなれになることに、嬉しさと寂しさが入り混じります。
若い人たちが安くて目新しい柄を求める傾向にあり、清越坊では経営が上手くいかず宝琴はイライラしていました。そんな時如風と舒芳の会話が聞こえてきます。「うちも新しい柄を出せばいい」と如風は言いますが、新しい柄を出せばお得意さまが無くなるという問題があるようでした。