【清越坊の女たち】9話・10話・11話あらすじネタバレと感想。翠喜は、手に入れた十二水図の復元に力を注ぎ見事成功しました。一方で、十二水図の件で翠喜と如風に騙されたと思った宝琴は任家を尋ねるも、そこで雪堂と夫婦になれなかった理由を知り川に身投げしようとして……。
【清越坊の女たち】9話あらすじネタバレ
如風は”十二水図”を所有している季家を訪れ、異色双面緙を復元できるのは翠喜しかいないと説得して譲り受けることが出来ました。復元には大きな意義があり任家にとっても大事であるため、他人に介入させず任家だけで復元しなければなりません。
一方で、任家が十二水図を手に入れたことを知った宝琴は翠喜や如風の動向を知り、騙されたと激怒し翠喜に会いに行きました。翠喜は、騒ぎ立てる宝琴に「何年も経つのに進歩のない人ね、当時の状況をまだ理解していない」と声を荒げていいます。
(回想から)実は、大女将は雪堂と宝琴の仲を裂くつもりはなかったのです。しかし、かつて宝琴の父 曽知府は在任中に3度多大な損失を出してしまい、1年以内に穴埋めするよう命じられていました。
その期限が迫っていたのですが、大女将が調べたところによると曽知府が出した損失は任家が3代に渡り築いてきた財産を上回るものだったのです。
もし宝琴と縁組すれば親戚となった曽知府は任家に頼ってくる、でも見捨てたら夫である雪堂は薄情だと非難され、反対に曽知府を助けたら稼業がつぶれ不幸者と言われてしまうという。そこで大女将は、やむなく宝琴と雪堂の仲を引き割くことにしたのです。(回想から終)
宝琴はそれでも親の不祥事は婿ではなく実子が背負うものだから両親も任家に頼らなかったはずだと強気な態度を見せますが翠喜も一歩も引きません。
援助したら任家は終わり、でも助けなかったら宝琴に面目が立たなくなる。翠喜がそう指摘すると、宝琴は気づいたようにハッとして走り去ってしまいました。
宝琴は川に身を投げようとしましたが、翠喜が止め李照が張飈の後ろ盾になっている可能性を指摘し、雪堂が大事なら冷静になって真相を突き止めなさいと言ったのです。
翠喜は、十二水図のすべての柄を1幅に織り込みたいと考えていました。何千回試したところで成功するとは限りませんが、自ら生糸を染めて織る作業の繰り返してをしていたある日、見事に復元した織物が完成したのです。
それを販売することが分かると、清越坊にはたくさんの客が押し寄せました。また、曽文彬が留任となり翠喜は祝いの品を持って訪ねる一方で、その一報を受けた李照は頭を悩ませているようでした。
李照は、魏良弓という青年に会いに行っていました。2人は同門で、李照は魏良弓の実母探しを助けていましたが、良弓の母はすでに亡くなっていたため湖州から蘇州に遺骨を移したようです。
養うことも葬ることもできなかったと深く悔い、生きる気力も失っていた良弓は、李照から「今後は雑念を忘れ嫡母の潘氏への授位を願え」と言われ反発しました。
良弓は16歳で郷試(科挙の試験段階のひとつ)に合格した江南で有名な才子
「あの女は実母を死に至らしめた、名を遂げても授位を求めたりはしない」
その後、李照に何を言われても良弓の気持ちは揺るがず、「馬鹿馬鹿しい、そんなことを言うなら科挙は受けない」と吹雪の中を去っていきました。
【清越坊の女たち】10話あらすじネタバレ
魏良弓は、吹雪の中を彷徨ううちに意識を失い倒れてしまいました。そこに通りがかった宝琴は、彼が魏良弓だと気づいたようで連れて帰り看病します。意識を取り戻した魏良弓は、宝琴と境遇が似ていることから意気投合しその場に留まり宝琴を曽姉と呼ぶようになりました。
その後、宝琴が置かれている立場やさまざまな噂を耳にするようになった良弓は、翠喜を嫌うようになっていきます。数年後、良弓は7歳になった秀山の教育係を務めていましたが、ある日の教育中に秀山が居眠りしてしまいます。
良弓は、侍従の文墨から秀山が毎晩 翠喜から出された宿題を済ませているため睡眠時間が短いことや、食事を抜かれていると聞いて「見過ごせない」と翠喜に問いました。
良弓:「育ちざかりの秀山に、なぜ食事は朝晩だけで肉や魚を与えないのですか?」
翠喜:「消化不良で熱を出して医師に診せたら、胃を空っぽにすればよくなると言われた」
良弓は秀山への虐待を疑っていましたが、翠喜が秀山を大切にしていることを感じたようでした。それでも巷では、「女将の望みは秀山の出世と悠々自適な暮らしだ。女将は実母ではないから平気で苦学させる。病気になっても面倒を見ない」と噂されていると任小欄が翠喜に伝えます。
翠喜は、慈しめば偽善者と言われ、遠ざければ実子じゃないからと言われる。実後は宝琴。でも私たちは相いれないのは周囲の事実で秀山もきっと気づいてる。秀山を連れて帰ってきたのは任家のためで嫡母である以上育てなければ」と胸の内を明かしました。
それを少し離れたところから翠喜の語りを聞いていた良弓は、翠喜の「願いが叶うよう堂々とするだけ」という言葉に考えさせられます。
翠喜が祠堂にいると長老たちがやってきて、雪堂の件を曖昧にせず結論を出そうとやってきます。世間では翠喜が遺体を見つけたけど戦力のために隠してるという噂が広がっていると言うのです。
すると翠喜は激高し長老たちを追い払いました。翠喜は精神的に限界が来ていたのか、川側に立っていると雨が降ってきました。そこへ、心配した良弓がやってきて傘をさします。翠喜は良弓に問います。
「身を処するのはなぜ難しいのか書を読む魏先生ならご存知でしょうか」
良弓は、身を処するのは難しいけど少し楽にする方法はあるかもと、翠喜を船に乗せて橋の下にやってきました。橋の上から聞こえてきたのは、女性たちが話している翠喜の悪い噂話でした。
すると翠喜は橋の下から「ちょっと誰の話よ!良く知ってるのね!我が家をのぞき見したの!?」と大声で叫び、タガが外れたように笑顔になり大笑いしたのです。そんな中、宝琴は翠喜が秀山を虐待してるかのような噂話を耳にしていました。
【清越坊の女たち】11話あらすじネタバレ
宝琴は耳にした噂のことが気になって落ちつかず、戻ってきた良弓に秀山のことを尋ねます。良弓は、噂は誤解で翠喜は秀山を大切にしていると伝えましたが、翠喜を嫌っていた良弓が翠喜に味方したことに宝琴は怒りを感じたようでした。
ある日、清越坊に領織となった丁栄と巧児が2人の子を連れ「清越坊の新作を朝廷へ献上したい」とやってきます。翠喜はこれを「李照の狙い撃ち」だと察しました。
夜になり、それを聞いた舒芳は「織造局は競技会のあと織機を取り上げ織子を禁足にしたうえ新作も奪うとは容赦ない」と批判します。
宝琴の家に李照が来ていて、2人で碁を打っていましたが宝琴は集中できずにいました。李照から、良弓や自分への束縛を解くよう助言されましたが宝琴ははぐらかします。そこに戻ってきた良弓にも「じきに会試が始まるから気を落ち着けて都へ行け」といい、良弓が何か言おうとしても反論させませんでした。
良弓は、李照は言うことは立派だけど冷酷無情な人だから付き合いはほどほどにするよう宝琴に忠告します。しかし、宝琴の表情や言葉から理由があって李照と接触しているのだと察しました。
その一方で、陳暁紅は如風に縁談を薦めていましたが如風は何かと理由をつけて避けていました。大事なのは賢さよりもうちとの相性だと言うと、陳暁紅は「それなら舒芳がいるわ。舒芳なら良識もあるし商いの心得もある、奥様を助けることが出来る」と乗り気になります。
如風は心の中では嬉しいと思いつつも、舒芳は翠喜の懐刀だから縁組させるわけがないと弱気でした。それでも如風のまんざらでもない様子に陳暁紅は翠喜に掛け合うことにします。
翠喜もちょうど舒芳にも縁談を世話しようとしていたところで、陳暁紅の話を聞き舒芳の気持ちを聞いてみることにしました。翠喜は舒芳に如風はどうかと勧めましたが、舒芳は誰かを選ぶなら魏良弓先生がいいと言うのです。
【清越坊の女たち】9話~11話の感想
雪堂の行方が分からないまま7年も経過してしまいました。回想シーンから、翠喜が雪堂と夫婦になったのは本意ではなかったことや、雪堂と宝琴が一緒になれなかった理由も分かりました。
また、魏良弓は任家に入った時は翠喜を嫌っていたようですが、それは宝琴から聞かされていたことを鵜吞みにしていただけ。誤解だったとわかり翠喜を見る目が変わり、恋する目という感じにも見えます。
そして如風の縁談はどうなるのか?若旦那としての仕事を真面目にこなしているようですが、まだまだ怪しいところがあるので、引き締めるには舒芳のようなしっかりした女性が傍にいる方がいいかもしれませんね。