31話
また越妃は凌不疑と程少商だけを残し、皇子とその妻たちも下がらせ、次のような話をしました。
かつて越妃と霍君華はお互いに攻撃し合い、越妃は霍君華に外におびき出され、賊に襲われそうになったこともある。
程少商と太子妃が霍将軍の法事の準備をしている時、三公主が来て太子妃の実家が農民であることをバカにしました。程少商は手に持っていた香玉を三公主の足元に投げて転ばせます。その時、程少商は三公主が白い衣の下に真っ赤な衣を着ていることに気づきました。
三公主が焼香する時、程少商は三公主の衣の飾り紐をこっそり燭台に巻き付けます。三公主が立ち上がると燭台が倒れ、衣が燃えあがりました。
侍女が慌てて白い衣を脱がせると三公主はその下に真っ赤な衣を着ていて、皇帝は激怒。その上、五公主が上等そうな真っ赤な衣を買った金の出どころを怪しむ発言をして皇帝の怒りを煽りました。
その時、三皇子が三公主の領地で流通している贋金を証拠として皇帝に渡します。三公主は自分の領地に鉱山はないと反論しますが、三皇子は皇帝に贋金の運搬者を捕らえて贋金が小乾安王の領地で鋳造されたことを突き止めたと報告しました。皇帝は凌不疑に贋金の件を調査するように命じ、本当に小乾安王の仕業なら鉱山を召し上げると言います。
三公主が鉱山を召し上げるだけで小乾安王を処刑しないのは皇后の恩人だからかと突っかかると、皇帝はますます怒りを募らせて三公主に杖刑を言い渡しました。
法事の後、凌不疑は霍君華にかつて越妃を襲わせて小越侯を怒らせたことがあるのかと確認します。霍君華は気が触れているものの、その時のことは覚えているようでした。凌不疑は越氏が孤城に援軍に来なかったのはその因縁のせいではないかと考えます。
実は凌不疑は、小越侯が文修君を利用して小乾安王に貨幣を鋳造させるように指示したと予想して密かに三皇子に情報を流していました。
その後、文修君は贋金問題で傷ついた乾安文氏の名誉を取り戻すために、息子の王隆に出征先で山賊を掃討に行くように指示します。それを知った凌不疑は密かに山賊にその情報を流しました。
その結果、王隆軍全軍が山賊に捕らえられてしまいます。知らせを受けた太子は凌不疑に相談しますが、凌不疑は王隆が独断で出兵したからだと言って突き放すのでした。
太子は1人で皇帝に報告に行きますが、皇帝は独断で出兵した王隆をかばう太子に激怒し、そんなことで後継者になれるのかとまで言い出します。その言葉を聞いていた皇后は自分の太子に対する指導が悪かったと落ち込むのでした。