【尚食（しょうしょく）～美味なる恋は紫禁城で～】9話・10話・11話のネタバレと感想。喩美人が起こした騒動の黒幕は游一帆であることが分かりました。しかし、喩美人は余命僅かだったことから家族を心配して游一帆の取引に応じたのです。そんな中、姚子衿と朱瞻基がついに顔を合わせます。
9話ネタバレ
喩美人が起こした事を巡るやり取りが続き、姚子衿の証言により医師の診察を受けさせられた喩美人が、余命僅かであることがわかります。
死を間近にした喩美人は、皆を巻き添えにしようとしていたのだと荘妃や朱高熾が無関係を訴えているところに朱瞻基やってきました。
朱瞻基は、「数日前に喩美人の実家に金を届け父母の面倒を約束した者がいる。喩美人はその代償に罪を犯した。金を届けたのは漢王府の者だったという証人が来ている」と言うのです。
漢王 朱高喣は濡れ衣だ、自分は無関係だと必死に訴え泣き言まで言う始末。その姿を見た朱棣は呆れたように、「もうよい」と荘妃を居所に戻すよう命じ、喩美人は投獄、他の者は全員解放されることになりました。
皆が去った後、朱瞻基が游一帆に「この件には何か裏があるとは思わないか」と話しかけると、游一帆は「先のない喩美人が皆を道連れにしようとしただけの単純な話」と答えます。
その後、朱高喣と孟尚食が話をしていましたが、朱高喣は黒幕が誰なのか何となく気づいたようでした。
游一帆が、母 鄭氏の墓参りをしている所に朱高喣がやってきて、「親不孝者」と言いながら游一帆を殴ります。
実は、游一帆は朱高喣の息子だったのですが、何度すれ違っても朱高喣は游一帆が息子だとは気づかなかったのです。
朱高喣は、游一帆にお前は自分にも”あの女”にも似てないと吐き捨てるように言うと、游一帆は拳を握りしめて怒りを抑えます。
かつて、游一帆が子供の頃に母は密通の疑いを掛けられていました。そして、母亡き後に游一帆は屋敷を出て行方知れずになっていたのです。
游一帆は、母を死に追いやった父 朱高喣への恨みを果たすためか、父の元に戻るためだったのか、その一心でここまで這い上がってきたのです。
ただ、朱高喣は「妻へのことを後悔し息子を探した。恨んでも構わないが私にとっては大切な息子だ」と言うと游一帆の気持ちが揺らぎ始めます。
夜になり、游一帆は投獄されている喩美人のところに出向き、約束を果たした事を伝えるとその直後に喩美人は血を吐きながらも安心したように息を引き取りました。
そんな中、游一帆が怪しいと感じていた朱瞻基が朱棣に知らせようとしたところ、朱棣から届け物がありました。
それを見た朱瞻基は、「聞かず、見ず、問うな」という朱棣のメッセージだと気づき、行雲草舎に戻ることに。
翌日、姚子衿は荘妃から贈られた褒美のお礼に菓子を届けましたが、雨に濡れたのが原因で熱を出し寝込んでしまいました。
次の日から朱瞻基の食事は別の司膳が作っていましたが、味が違うため朱瞻基は姚子衿に何かあったのかと気にかけます。
勉学にも身が入らず、報告書を読んでも落ち着かずにいました。
そんななか、姚子衿は元気になり厨房に戻ってきました。
そこでは、足を捻った胡善囲に誰が膳を届けるかと司膳たちが話していましたが、みんな嫌がって決まりません。
そこで近くにいた姚子衿が、胡善囲に膳を運ぶことになりました。
姚子衿が行くと胡善囲は、「みんな私に忠実に尽くしていたのに孟尚食が嫌っていると察すると避ける」とこぼしていました。
しかし、姚子衿の態度を見た胡善囲は「素養と忍耐がある」と褒め、教えを受けさせることに。
一方で、蘇月華もまた王遙清の教えを受けることになります。王遙清は至高の飲食を追求するのに対し、胡善囲は「後宮は料理の腕だけでは生き残れない。人に好かれて長生きできる」と姚子衿に話します。
そして胡善囲は、あまたの職がある中で勝ち抜くために必要だと言う、「異」の文字を姚子衿の手のひらに書きました。
司膳司に戻った姚子衿は「異」の意味について考えていました。
そこに殷紫萍がやってくると、姚子衿は殷紫萍に耳打ちして「信じてやってみて」と助言します。
殷紫萍はその足で孟尚食の家の前に行き、寒いなか跪いて孟尚食が出てくるのを待ちました。
翌朝、殷紫萍は孟尚食に厨房に戻してもらえるよう懇願し、全力を尽くと約束して最後のチャンスを与えられました。
10話ネタバレ
胡善祥が朱瞻基を夕食に招いたものの、毒の一件以来避けられているのか朱瞻基は来ませんでした。
姚子衿が朱瞻基に食事を届け書物を読んでいるところに、居ないはずの朱瞻基が戻って来て慌てて書物で顔を隠します。
しかし、朱瞻基から書物を取られ2人は初めてまともに顔を合わせることに。
朱瞻基から、字が読めるなら書棚の整理をするよう命じられた姚子衿は、「私は尚食の奴婢だから礼に反する」と伝えましたが、朱瞻基は何も言わず持っていた書物を棚に戻しました。
その時、朱瞻基の顔があまりにも近すぎたため驚いた姚子衿は朱瞻基の袖を潜り抜け、机に食事を並べ始めます。
朱瞻基は椅子に座り、雲吞を一口食べましたがすぐに姚子衿が作った料理でないことに気づき、箸を置いてしまいました。
そして、今日から自分の料理は全て姚子衿が作るよう命じたのです。
司膳司に戻ると、殷紫萍から「孟尚食に己の強みを考えるよう言われたものの自分の強みがわからない」と相談を受けました。
すると姚子衿は、「民の食事に詳しいのは貴重な宝。”雑多”の雑が強み。また、蘇月華は名門厨師の出で天下の食事や各地の料理に精通しているから”博識”の博が強み」だと伝えたのです。
それと同時に、自分の強みである「異」のことも理解できたようでした。
翌日、蘇月華は王遙清、姚子衿は胡善囲、殷紫萍は孟尚食直々に指導を受けていました。さらに孟尚食は、近々都入りするシャム、スマトラ、チャンパ、ジャワなどの使者の普段の料理を、尚食局が担当することになったと伝えます。
その日は、食材が届いたものの最近では酒も木炭もすべて先月より3割ほど少なくなっていました。
孟尚食は、光禄寺と尚膳監が結託して財物を着服していることに気づいていましたが、それぞれが朱棣のお気に入りの宦臣であるため訴えることが出来ないと言うのです。
一方で、胡善祥が皇太子妃を尋ねると女官から”茶”と果物を差し出されます。
しかし、それは茶などではなく子宝のための薬で、皇太子妃は胡善祥に子を産むよう期待していたのです。
それに気づいた胡善祥は、朱瞻基の元へ使いを出したものの「忙しい」と断られてしまい、胡善祥はこれまでの自分の態度を反省したのでした。
また、朱瞻基は姚子衿に「ある人に失望させられたが、その人が悔いていたら許すか？」と尋ねると姚子衿は、「過ちを犯さない人はいないから許してあげてはどうか」と答えます。
さらに、心に迷いや疑念があるならそれを解かねばならないと助言しました。
次の日、朱瞻基は姚子衿の言葉を思い出し胡善祥の元へと向かいます。
しかし、胡善祥は皇太子妃の元へ行っており、代わりに胡家の7番目の娘 胡善媛（胡善祥の妹）がいたのです。
朱瞻基が訪ねてきていると聞いた胡善祥はすぐに戻りましたが、そこにはもう朱瞻基の姿はありませんでした。
また、胡善媛が連絡もなく訪ねてきたことを不審に思い、問い詰めているところに胡善囲がやってきます。
「皇太子妃が母上にあなたを尋ねよと。あなたが病だと知り、母上は心配しているけど脚が悪い。だから代わりに胡善媛が来た」と説明しました。
しかしこれは建前で、胡善祥に子が居ないため胡善媛を朱瞻基の側妃にするつもりのようでした。
これを知った胡善祥は、朱瞻基がすぐに帰ってしまった理由も理解したのです。
「殿下はきっと誤解されたんだわ。私が己の欲のために妹を夫に捧げる女だと」
胡善祥は大激怒し、これからみんなに遠慮する必要はないと、幼いころから仕えてきた女官を追放すると同時に、今後 胡家の者は私の許しなく宮中に立ち入らぬことと命じたのです。
胡善祥は朱瞻基の誤解を解こうと行雲草舎に行きましたが、話は聞きたくないと追い返されてしまいました。
11話ネタバレ
胡善祥との関係でイラついた朱瞻基は、書物に当たり散らし姚子衿に整理するよう命じました。
「探してる書物がない。どこにやった？」
すると姚子衿は、質問しているのは”私”なのか”奴婢”なのかと尋ねます。
朱瞻基が「何の違いがある」と答えると姚子衿は、「私の行いは奴婢としてではなく、お慕いする殿下への愛ゆえのもの。でも殿下は私が整理した書物を投げ捨てた。殿下が投げ捨てたのは書物ではなく私の心です」と言ったのです。
さらに、殿下が奴婢のように私に接するなら、私も奴婢として主に接すると言い切り、本の整理は行わず行雲草舎を後にしました。
翌日、司膳司におもてなしの料理を確認するという劉殿の道案内役として游一帆も同行してきました。去年は光禄寺が担当したものの評判が悪く問題になったため、今回は朱高熾が監督を務めることになったようです。
とはいえ、朱高熾は仮病を使い代わりに朱瞻基が監督を務めることに。
劉殿と游一帆、途中で朱瞻基もやって来て司膳や女官たちが腕を振るった料理を試食しました。
どれも手の込んだ料理でしたが、なぜか姚子衿は檳榔芋蒸し、葡萄酒、胡瓜の飾り龍、空豆の茴香煮、短冊芋揚げというシンプルな料理ばかりでした。
試食を終え外に出た朱瞻基は姚子衿になぜ平凡な料理を作ったのかと尋ねます。
姚子衿は、「使者をもてなすのは当然ですが最も大切なのは国民です。平凡な食材も民が汗水たらして作ったもの。ゆえにその貴重な食材を使った」と説明したのです。
朱瞻基は、姚子衿の料理も目録に加えるよう命じました。
雪が解け始めてきた日、姚子衿は行雲草舎に料理を届けると、直接朱瞻基に届けるよう袁琦に促されます。
姚子衿が奴婢の態度で接すると、朱瞻基はいらいらして陳蕪に「皮肉な態度だ、教育をし直せ」と命じました。
しかし、陳蕪は「何を教育し直せと？あれは皮肉ではなく奴婢の態度で罪はありません。」と答えます。
朱瞻基は姚子衿を奴婢とは思っていないと陳蕪に八つ当たりした時、こぼれた茶が書を濡らしました。
陳蕪が書を見ると、そこに文字が浮かび上がります。
”殿下は薬を飲んでいるから熱い料理は適さない”、”朝餉には……”と、姚子衿は朱瞻基に出す膳について細かく記していたのです。
それを見た朱瞻基は、陳蕪に自分の代わりに姚子衿を説得して連れて来るよう命じ、陳蕪はそれを方典膳に頼みましたが方典膳はなかなか姚子衿に声をかけることが出来ません。
そうこうしている間に孟尚食がやって来てしまいました。
陳蕪は、姚子衿の料理の作り方を教えて欲しいと頼まれたと言って誤魔化しますが、孟尚食は陳蕪が姚子衿を連れ出そうとしていた事に気づいていたのです。
陳蕪が引き下がった後、孟尚食は方典膳に「宮中には掟が、女官には尊厳がある。尚食局の者を勝手に連れ出されたら困る。今度同じことがあったら許さない」と叱りつけました。
その頃、膳を取っていた朱瞻基は「味が違う」と箸を置いてしまいます。料理は昨日と同じで袁琦には味の違いが分かりませんでした。
そこへ戻ってきた陳蕪は「違うのは味ではなく殿下のお心だ」と察しました。
そんな中、朱高喣と皇太子が乾清宮の前で跪いているから、朱瞻基に「説得してほしい」と皇太子妃が頼んでいるという報告を受けます。
朱瞻基は、言っても止めないだろうからとまずは朱高喣を失神させて倒れたように見せかけ、それを見た朱高熾は自ら気を失うふりをしました。
翌朝、姚子衿は司膳たちがまだ寝ている早朝から仕込みを始めていました。
そこに游一帆がやって来て、今日は私の誕辰（誕生日）だから長寿麺を作ってほしいと言ったのです。
9～11話の感想
火事の黒幕は漢王だとばかり思っていましたが、まさか游一帆だったとは。游一帆が漢王の息子だという事実にも驚かされました。
游一帆は母の鄭氏を死に追いやった漢王を憎んでいるようですが、漢王との殴り合いで漢王が尻もちをついた際にとっさに手を差し伸べていたことから、わずかに愛情も残っているのでしょう。
漢王は「鄭氏へのことは後悔したし、お前を大切な息子だと思っている」と言っていましたが、どこまでが本心なのかは怪しいところ。
游一帆も漢王の言葉を完全には鵜吞みにしていないでしょうが、信じたい気持ちもあるはずで、気持ちが揺れ動いているのが見て取れました。
朱瞻基の側近は陳蕪と袁琦がいますが、それぞれの違いが見えてきました。陳蕪は朱瞻基のちょっとした言葉から真意をすべてを汲み取る有能な部下。
それに対して袁琦は、朱瞻基の真意を瞬時に読み取れないことが多々あります。普段この2人は仲が良いように見えますが、袁琦は内心では陳蕪に対する劣等感や鬱憤を募らせているのではないかと心配です。
10話にしてようやく、主演カップルの姚子衿と朱瞻基が顔を合わせました！しかも、姚子衿が「愛ゆえです」とさり気なく想いを伝えました。
動揺して目をパチパチさせる朱瞻基が可愛かったです。演じる許凱（シュー・カイ）がベビーフェイスなので、余計に可愛らしく見えました。
ただ、朱瞻基は普段は落ち着いていて聡明なのに、姚子衿の前では少し子供っぽくなるような……。
朱瞻基に八つ当たりをされた姚子衿の対応が印象的で、変に媚びたり宥めたりするのではなく、「そちらに合わせて自分も奴婢として接する」と線を引く姚子衿のほうが上手だと感じました。
実際、姚子衿が態度を変えてから朱瞻基は気になって仕方がない様子なので、朱瞻基の気持ちに火がつくのも時間の問題かもしれません。
ところで、游一帆は姚子衿に恋心でも抱いているのでしょうか。
わざわざ会いに来て書物を贈ろうとしたり、誕生日だからと“長寿麺”をおねだりするとは（笑）
この先は三角関係に発展していくのかどうか、そして、恋をしたら游一帆のポーカーフェイスが崩れるのかどうかも気になるところです。