【楚喬伝(そきょうでん)~いばらに咲く花~】41話・42話・43話のあらすじとネタバレ感想。謀反を決行した燕洵は「一族の恨みを必ず晴らす」と復讐心をあらわにし、また楚喬(星児)も、自分は今から魏の敵になると宣言します。元嵩はそんな2人と袂を分かつと決意しましたが……。
41話のあらすじネタバレ
燕洵を見つけた淳公主は、「結婚を取り消すから、もうこんな事はやめて」と懇願します。
そこへ 元嵩が駆けつけると、公主は「これは謀反じゃなく、皇帝に抗議したかっただけよ」と燕洵をかばいました。
しかし、魏に対する燕洵の憎しみは深く「一族の恨みを必ず晴らす」と復讐心をあらわにします。
楚喬(星児)も、自分は今から魏の敵になると宣言。
元嵩はそんな2人と袂を分かつと決意しました。
燕洵は楚喬に、先に行って橋を守るようにと指示し、自身は魏の将来を担う尚武堂の学徒を皆殺しに行きます。
ところが、それを見抜いていた宇文玥が尚武堂の前で待ち伏せていました。
燕洵は尚武堂を見逃すことにし、次に会う時は敵だと告げて撤退します。
その後、東門から脱出した燕洵は、東門を封鎖するよう配下に命じました。
そのせいで、城内で敵と戦っていた秀麗軍は閉じ込められてしまい、自分たちは見捨てられたのだと絶望します。
その後、燕洵は橋で楚喬たちと合流。
燕洵の様子から、秀麗軍を見捨てるつもりなのだと悟った楚喬は秀麗軍を助けに戻ります。
楚喬が東門に到着したとき、秀麗軍はすでに多くの死傷者が出ていました。
そんな中、楚喬は敵将の宇文懐を討ち取り、秀麗軍は無事に脱出します。
41話の感想
皇帝は婚礼に乗じて燕洵を殺すつもりでした。
しかしそれを知らない元嵩からすると、燕洵が皇帝の恩義に背いたように見えるのでしょうね。
しかも、元嵩は皇子という立場なので謀反人の燕洵とは敵対せざるを得ません。
こうしてまた、1つの友情が壊れてしまいました。
一方で楚喬は、秀麗軍を見捨てた燕洵にショックを受けているようでした。
ともあれ、これで完全に謀反人となってしまった彼女は、あらゆる人を敵に回したことになります。
こうなってしまうと、宇文玥も表立って楚喬を助けるのは難しくなるでしょうね。
燕洵の謀反という大きな出来事に気をとられて忘れるところでしたが、今回は宇文懐が死亡。
淳公主に冷たくあしらわれるたびに ちょっぴり傷つく彼の姿を見るのが好きだった少数派の自分からすると、彼の死は少し残念です。
42話のあらすじネタバレ
*一部、ストーリーが前後しています。
兵士に変装して燕北軍に潜入した元嵩は、毒を仕込んだ剣で燕洵を刺しました。
燕洵は反射的に反撃し、元嵩の腕を切り落とします。
ちょうどこの場所にたどり着いた淳公主は、その場面を目撃してしまいました。
燕北の兵士は元嵩と公主を殺そうとします。
しかし、燕洵は兵士たちに、2人を長安に送り届けるよう命じました。
秀麗軍とともに燕北に向かう楚喬は、元嵩と公主の護送を命じられた兵士たちと遭遇します。
兵士の様子を不審に思った楚喬が近くの洞窟を見に行くと、兵士たちから慰み者にされた淳公主が横たわっていました。
すぐ近くには 腕を失った元嵩も倒れており、楚喬は兵士を全員処刑するよう命じます。
そして楚喬は、秀麗軍には燕洵と合流するよう指示し、自身は公主たちを長安に送り届けることに。
元嵩は「何のつもりだ。施しか?償いか?」と楚喬を拒絶しましたが、楚喬は数日かけて長安の郊外まで送り届けました。
別れ際、元嵩は楚喬に「これで本当に最後だ。次に会った時は他人同士だ」と告げます。
楚喬は元嵩の厚意をこれからも忘れるつもりはありません。けれど、元嵩とは敵対する運命だったのだと涙を流しました。
元嵩は最後に「ずっと君を自分のものにしたかった」と吐露し、楚喬がためらいなく元嵩を捨て 燕洵を選んだことが悲しかったと伝えます。
楚喬が去った後、元嵩と淳公主のところに襄王がやってきました。
淳公主はすべての不幸を楚喬のせいだとなすりつけ、彼女が去った方向を教えます。
しかし、元嵩は無意識のうちに反対方向を指していました。
宇文玥は祖父の宇文灼に、襄王とともに燕洵を追撃するつもりだと報告しました。
すると、宇文灼は宇文玥の父親からの私信を取り出し、「父の意をくみ取り、今は静観するように」と諭します。
しかし、20年ものあいだ父の愛を知らずに生きてきた宇文玥は、父の意を汲み取る気などありませんでした。
毒に侵されていた燕洵が意識を取り戻しました。
彼はいまだに、秀麗軍に対して“裏切り者は許さない”という思いを捨てきれません。
それゆえ配下に、秀麗軍が戻ってきたら国境の前衛に配属するようにと命じます。
これは、燕北の死刑囚に対する処罰と同じでした。
42話の感想
燕洵は魏を憎んでいるとはいえ、やはり元嵩や淳公主に対する旧情は残っているのか、殺すことはしませんでした。
完全な冷酷人間になったわけではないと分かり、ほっとしました。
でもまさか、淳公主があんな目に遭ってしまうなんて……。
少し思慮が足りないところがあるとはいえ、心根の優しい彼女がこんなにつらい境遇に立たされるのを見るのは辛いものがあります。
また、元嵩の想いや立場にも同情せずにはいられません。
そもそも、皇帝が燕一族の処刑さえしなければ、燕洵が復讐心に囚われることもなかったし、元嵩や宇文玥との友情が壊れることもありませんでした。
そう考えると、すべての元凶は皇帝にある気がしてなりません。
43話のあらすじネタバレ
*一部、ストーリーが前後しています。
息子の元嵩の腕が切り落とされたことを知った皇帝は、燕洵と楚喬を全国に指名手配しました。
そんな中、宇文懐に連れ去られた息子の安否を気にかけていた蘭淑儀のもとに、息子の亡骸が届けられます。
蘭淑儀は「楚喬が現れてから不幸が始まった」と発狂し、楚喬への復讐を誓いました。
一方で、楚喬が指名手配されたことを知った燕洵は、楚喬を傷つける者は一族皆殺しにすると広めます。
長年ずっと淳公主を想っていた魏舒燁は、彼女を心配して皇宮に会いに行きました。
すると彼女は「私のことが好き?なら嫁いであげる。その代わりに頼みがあるの」と話を持ちかけます。
淳公主の眼差しはとても冷たく、以前のようなあどけなさはありませんでした。
一方の宇文玥は、捕らえた梁の女スパイから情報を聞き出した結果、3年前に突如出現した「賢陽組合」という組織のことを知ります。
短期間で強大になった「賢陽組合」は、水運と塩以外の「穀物、油、絹」などを独占しており、梁と取り引きをしているようでした。
表向きは劉善人という商人が会長とされているものの、実際には裏稼業の人間に操られているとのこと。
その黒幕は皆から「風旦那」と呼ばれているようです。
林の中で、馬に乗った梁少卿という書生が巻物を音読していました。
すると、楚喬と官兵が殺し合いをしている場面に出くわします。
楚喬は梁少卿の後ろに飛び乗り官兵から逃げました。
安全な場所まで来ると、楚喬は別れを告げますが、荷物を落とした梁少卿は官兵のいる方向に戻ってしまいます。
その後、奴隷商人に捕らわれた梁少卿は市場で売買されそうになっていました。
それを偶然見かけた楚喬は、梁少卿を買い取り彼を助けます。
ついに燕北に帰ってきた燕洵は、各部隊の首領を招いて宴を開きましたが誰ひとりとして現れませんでした。
燕洵は公然と謀反を企てたので、部族の首領たちは魏の皇帝の怒りを買うことを恐れて接触を避けたのです。
別の場所で首領たちが宴を催していると知った燕洵がその場所に向かうと、彼らは定北侯や燕洵を侮辱していました。
乗り込んだ燕洵は首領のひとりであるアグトを剣でぶっ刺し「私が王だ」と宣言。
そして見せしめに、アグトの首を斬りつけました。
43話の感想
淳公主が楚喬を憎むのは まだ多少は理解できますが、蘭淑儀の逆恨みはあまりにお門違いではないかと思ってしまいます。
蘭淑儀が楚喬の知り合いだと知った時は味方になってくれるものだと予想していましたが、まさかこんな展開になるとは驚かされました。
各方面から憎まれている上に、全国に指名手配された楚喬の行く末が心配になるばかりです。
そんな中でも、今回初登場した梁少卿という書生は味方になってくれそうな予感。
なかなか個性的なキャラクターで、久々の癒し要員という感じがしました。
今回は印象的な場面がたくさんありましたが、まずは淳公主について。
彼女が魏舒燁に頼んだのはおそらく、楚喬の暗殺でしょうね……。
淳公主の境遇には哀れみを感じずにはいられませんし、あどけなさの消えた氷のような冷たい眼差しや、人の好意を利用するようになってしまった内面の変化にも胸が痛みました。
そしてついに、燕洵が燕北に到着しましたが まだまだ問題が山積みな予感。
宴会の場に乗り込んだ燕洵の殺気みなぎる姿や、迷いなくアグトを殺して力でねじ伏せる冷酷さが印象に残りました。