【双花伝~運命を分かつ姉妹~】最終回(60話)のあらすじ。原青江の弔問に訪れた宋明磊は、命で償うから殺してくれと非白に頼みます。ところが、非白は原家と明家の争いを断ち切るために宋明磊を許し……。この記事ではネタバレ感想を結末までお届けします。
【双花伝】最終回(60話)のあらすじ
司馬遽は非白に、殉葬を命じられた花錦繍の命を助けてほしいと懇願して倒れた。
原青江の葬儀の日。花錦繍と宋明磊が弔問に訪れる。
宋明磊は原青江の位牌に初めて「叔父上」と呼びかけ、命で償うから殺してくれと非白に頼む。しかし、非白は両家の確執をここで断ち切るために宋明磊を許した。
花錦繍はというと「自分が繰り返してきた過ちは 万死に値するから死を受け入れる」と言って立ち去る。一方で、即位した非白は、司馬遽に対する今までの借りをすべて返すため司馬遽に譲位する。
そして花木槿とともに原府へ足を運び、過去を思い出して懐かしむ。非白は原家にまつわる伝説や紫鉱について語り、世界が平和になったのだから紫鉱はもう必要ないはずだと言う。
【双花伝】最終話(60話)のネタバレ
宋明磊の末路
非清は宋明磊に「今でも兄弟のように思っている」と伝え、非煙が懐妊していることも教える。宋明磊は残りの人生をかけて非煙を見つけて償うことを誓った。
いろいろな場所を探し回った結果、非煙はかつて宋明磊を献身的に看病した思い出の寺にいた。宋明磊は非煙のお腹にそっと触れ、これからもずっとそばに居たい気持ちを伝える。
しかし、彼女は無言のまま目線も合わせない。宋明磊が立ち去ろうとすると、非煙は口を開いた。
「寒食節だからお肉が安く買えたのよ」
この言葉は、かつてこの場所で2人が結ばれた日に、彼女が言った言葉そのままだった。
花錦繍の末路
花錦繍は安楽観(罪を犯した原家の者が苦役する場所)で罪を償うことになった。
花錦繍を送り届けた司馬遽は、必要な物があれば中の者に伝えてくれと言う。
そして、非流(花錦繍の息子)が恋しいときも伝えてくれれば連れてくると約束する。
結末
段月容は南国の皇帝として順調に利益を上げていたが、時折り花木槿を恋しく思い、「君」や「栄」と名のつく場所を探し回っていた。
この日も「君」と名のつく村を訪れ、吸い寄せられるように1件の麺屋に立ち寄った。
すると、そこは于飛燕の店で 張之厳夫妻がやって来る。
段月容は張之厳の話から、実は自分は誘導されてこの店に到着したのだと気づくと、花木槿と非白も時間差で現れる。
今日ここで皆が集まったのは段月容と商売の話(天下にかかわる一大事)をするためなのだという。
一同は顔を見合わせた。
数年後 原非白(司馬遽?)は崩御し 原非流が即位した
君莫問(花木槿)も 同年 再び江湖に姿を現し
雪の若様(非白)と共に 商いで戦を止め
民を幸せにするという理念を遂行した
こうして君氏莫問は 伝説となったのであった
引用:【双花伝】60話より
<完>
【双花伝】最終回(60話)の感想
主要人物それぞれの結末が描かれるといった最終話らしい締めくくりでした。
まず花錦繍ですが、最後まで反省した様子や謝罪の言葉がなかったのは倫理的には残念でしたが、キャラクター像としては最後まで一貫していて良かったと思います。(最終話だけ急にいい人になったら逆に違和感しかない笑)
どんどん堕ちていく1人の女性の生き様から目が離せなかったですし、そんな彼女を見守り続けた司馬遽も◎。本当は彼の愛をもってして花錦繍を正しい道に引き戻すことができれば1番良かったけれど、それは叶わず悲しい結末となってしまいました。
司馬遽が最後まで自分のせいだと自責し続けていたのが不憫でした。確かに司馬遽と出会ったことが悲劇の要因の1つではありますが、花錦繍があそこまで悪に染まったのは もともとの人間性も関係しているはずです。だから、司馬遽が気に病む必要はなかったように思います。
ラストシーンのナレーションで「非白が崩御した」と言っていたのは、おそらく司馬遽のことですよね。でも本当に死亡したのでしょうか。もしかしたら、非流(花錦繍の息子)に帝位を譲るために己の死を偽装したのではないか?と深読みしてしまいました。
次に宋明磊について。仇である原青江が死んだことで、ようやく負の感情から解放されたように見えました。彼の境遇はとても可哀想だと思うけれど、だからと言って見過ごせないこと(非流を毒で害したことなど)もいくつかあります。
振り返ってみれば、宋明磊はなんだかんだ周囲に大切にされ愛されてもいたので、“明家の生き残り”という境遇以外は恵まれていたのではないかと。最後も全員に許してもらえて、本当に恵まれていると思います。
最終話の非煙とのシーンがとても良かったです。「寒食節だからお肉が安く変えたのよ」という言葉を聞いた瞬間に、目に涙を浮かべて顔をぐしゃぐしゃにする宋明磊にこちらももらい泣き。この2人に関しては、いかにも幸せな描写で締めくくるのではなく、このセリフで締めてきたのが心憎い演出でした。
次に主人公カップルについて。最初から結ばれることが分かっていたからか、2人にそれほど思い入れはないのですが、ハッピーエンドで良かったです。
段月容はやはり最後まで花木槿を想い続けていましたね。「花木槿を見つけるために、栄と君のつく場所にはすべて顔を出している」という話にはつい笑ってしまいました。そんなに花木槿を探していたなら、最後に会えて良かった笑
そして非清について。外国との交易を取りつけてルンルン気分で歩く姿がとてもキュートでした。奥さまと仲良さそうなのも◎。こういった遊びの描写が、もっとあっても良かった気がします。
最終回の感想だけでこんなに長くなってしまいましたが、最後に全体の感想を。
【双花伝】全体の感想
本作はとにかく情報がぎちぎちに詰め込まれたドラマでした。今まで見てきた作品の中で、「あらすじ」を書くのが一番疲れたドラマは間違いなくこの【双花伝】です!
(情報量が多すぎて、ところどころ見逃してしまったかも……あらすじに把握漏れがあったら申し訳ありません)
ながら見には向いていない、集中力を要されるドラマですね。
また、必要のない描写は全部ぶった切るスタイルで、回によっては体感30秒ごとにシーンが切り替わっていたことも。
たとえば、男性主人公が詩会に出かけたと思ったら、5秒後にはもう詩会を終えて帰ってきたのには早すぎて笑いました。
他にも、大注目の兵士選別の決勝戦が2分で終わったことも。(たぶんドラゴンボールなら決勝戦だけで20話ぐらい費やしてる)
これほどサクサク進みながらも、キャラクターの心情もきちんと描かれているのが本作の凄いところです。
途中の感想でも触れたのですが、このドラマは登場人物の行動原理に矛盾がほぼありません。ゆえに、キャラクターの心情や行動に常に納得できたことも、楽しく視聴できた理由の1つです。
常にストーリーが展開していたのも好印象でした。(途中、花木槿と段月容が村で暮らしていた時だけ停滞しましたが)
ただ、ストーリーの展開を優先しすぎるせいで、味わいや趣を感じられなかったのも事実。もう少し遊び心のある描写があれば、より良い作品になっていた気がします。
キャラクターとして興味を引かれたのは、宋明磊と花錦繍。この2人が早い段階からギスギスしていたのは、同じ闇属性であるがゆえに無意識のうちに同族嫌悪に陥っていたのかもしれません。
宋明磊は途中まで何を考えているか分からないミステリアスな面もあり目が離せませんでした。彼が最終的に復讐をやめるのかどうかも気になりましたし、最後まで見守りたくなるような、放っておけない気持ちにさせられました。
もう少し違う生き方もあったのではないかと思うこともありましたが、最後は復讐心や憎しみから解き放たれて良かったです。
また、非清も好きなキャラクターでした。女の子がこわくて純粋で優くて。何より宋明磊を知己だと慕ってくれて。きっと、非清と非煙がいなかったら、宋明磊はもっと極悪非道な人間になっていた気がします。
一番惜しいと思うキャラクターは段月容。
彼にはたくさんの長所があるし、報われない一途なキャラ設定自体も悪くないのですが、もう少し違う魅せ方もあったのではないかと思わずにはいられません。
非白に対する態度にしろ、花木槿への想いにしろ、毎回同じパターンだったのが残念な点。同じことを繰り返す一辺倒なキャラクターではなく、もう少し段月容というキャラに奥行きを持たせてあげて欲しかったです。
好きなキャラだからこそ、余計にそう思いました。総括としては、どハマりはせずとも最後まで気になって見てしまう、そんな魅力のあるドラマでした。面白かったです。