17話 先代の月尊の真意
太古の書
小蘭花は觴闕に七情を断つ秘術が書かれた太古の書を読みたいと言いました。觴闕は太古の書は先代の寝殿にあったが燃えて灰になってしまったと言います。
それでも小蘭花、觴闕、結黎は今は禁足地となっている先代の月尊の寝殿に忍び込むことにし……。
その頃、東方青蒼は幼い頃、乳母に教わって琴を作り先代の月尊に贈った時のことを思い出していました。
先代の月尊は怒って琴を壊し、作り方を教えた乳母たちを殺すように命じた。幼い東方青蒼は家臣の剣を奪って先代の月尊の首に突きつけたが、斬ることはできなかった。
その後、先代の月尊はそんなに軟弱では業火を身に着けられないと言って幼い東方青蒼を痛めつけた。
小蘭花たちは先代の月尊の玉座の下に隠された太古の書の灰を発見します。小蘭花は書が木からできていることから花の精の力で元に戻すことができました。
太古の書から小蘭花たちが読み取ったのは、先代の月尊が東方青蒼の七情を断った後、家臣たちの前で父を殺すように言ったということでした。
さらに小蘭花は寝殿から幼い東方青蒼が先代の月尊に贈った琴を見つけます。壊されたはずの琴は丁寧に修理してあり、小蘭花は先代の月尊は琴を大事にしていたのだと思いました。
小蘭花は先代の月尊が東方青蒼が業火を操る天賦の才を持つとわかった時”なぜお前が”と言った真意は、七情を断つ苦しみを愛する息子に味わわせたくなかったからではないかと考えます。
忘川の川底の元神
巽風の処刑の日、小蘭花は先代の月尊の真意を本人の口から聞くために元神が眠る忘川の川底に向って飛び込みました。その時、東方青蒼の腕にも傷が増え、小蘭花の行動を知った東方青蒼は自分も忘川に飛び込みます。
川底で追いついた東方青蒼が連れ戻そうとすると小蘭花は修理された琴を見せて説得し、先代の月尊の元神を呼び出すのでした。
感想
東方青蒼が觴闕に探させていた蔵心の簪を結黎が持っていたとは!
長珩は昊天塔に閉じ込められたはずなのに抜け出して助けに来てくれたのかと思ったら、海市主が化けてたんですね(涙)
小蘭花は今まで何かと理由をつけては命簿の修繕をしてこなかったのに、長珩の姿で頼まれたらあっさり修繕してしまうなんて……それは確かに東方青蒼も怒りたくなるでしょう。
老婆の言葉を聞いて、元々東方青蒼は封印されている月族の兵たちの封印を解くために赤地女子を捜していたことを思い出しました。小蘭花と出会ったことで、見ている方も東方青蒼の当初の目的を忘れそうでした(笑)
東方青蒼の過去の話を聞いて感情なんかない方がいいと思うに至った経緯がわかった気がします。果たして小蘭花は東方青蒼の七情を完全に回復することができるのでしょうか。