4話:蘭の花の刺繡の手巾
同心呪
その夜、小蘭花は罪囚をかくまった罪で長珩に罰せられる悪夢にうなされます。同じ時、司命の部屋で寝ていた東方青蒼も”恐怖”の感情を感じるのでした。
翌朝、東方青蒼が小蘭花を起こしに行くと、まだ起きたくない小蘭花は「外で花の本数でも数えてればいいでしょ」と言います。その時、東方青蒼の額の息蘭聖印が光りました。
すると東方青蒼はなぜか小蘭花に言われたままに庭の花壇の花の数を数えてしまうのでした。東方青蒼は觴闕を呼びつけ、息蘭族の秘術を書き記した「息蘭全書」を持ってくるように命じます。
東方青蒼と觴闕が「息蘭全書」を調べると、”同心呪をかけられると、かけられた者はかけた者と同じ気持ちを感じ同じように傷つく”と書かれていました。しかも”かけた者が命を発するとかけられた者はそれに抗えない”とのこと。
昼頃起きて来た小蘭花に東方青蒼は数えた花の数を伝えます。小蘭花は「適当なことを言っただけなのに」と大ウケ。東方青蒼は「いい加減なことは二度と言うな」と怒るのでした。
朝食をとらないと命簿の修繕ができないと言う小蘭花を東方青蒼は昼まで寝ていたのに朝食かと言って批判しますが、小蘭花のお腹の音がすると東方青蒼のお腹も鳴ってしまい……。
神芝丸
食事をとりながら小蘭花は東方青蒼に名前を尋ねます。ところが東方青蒼が答えかけたところでくしゃみをしてしまう小蘭花。自分のくしゃみのせいで名前を”東方強”と聞き間違えた小蘭花は姓が極悪な東方青蒼と同じなんて……と言って東方青蒼の悪口を並べ立てます。
その後、小蘭花は大戦の勝利と東方青蒼の封印を祝う餅を作ると言い出しました。小蘭花は餅に”東方青蒼”だと言って不細工な顔を描き、東方青蒼は怒り出します。
結局その日、小蘭花は命簿の修繕をせず、埒が明かないと思った東方青蒼は息蘭族の術を解くために觴闕に”蔵心の簪”を捜してくるように命じました。
翌日、小蘭花は命簿の修繕に再挑戦しますが、すぐに寝落ちしてしまいます。小蘭花を診た觴闕は昊天塔で封印に触れたために霊力が損なわれていて完全に回復するまでは命簿の修繕はできないと言いました。しかも回復には年単位の時間がかかるかもしれないとのこと。
その頃、長珩は自分の霊力を使って小蘭花のために神芝丸を作っていました。実は長珩が大切に持っていた蘭の花の刺繍の手巾は500年前に小蘭花が長珩の手の傷に巻いてくれたものだったのです。
司命殿では觴闕が息蘭族の術を解く手段を捜しに行くため、東方青蒼が小蘭花を看病することになります。書物で朝露が草木の元神によいと読んだ東方青蒼は翌朝、朝露を集めに行きました。
東方青蒼の留守中、長珩は完成した神芝丸を持って司命殿を訪ねます。ところが従者が雲中君が呼んでいると伝えにきて、長珩は結局小蘭花に会わずに帰るのでした。