32話 万天の虚
夢の中の司命殿
小蘭花を失った東方青蒼は小蘭花と司命殿で平穏に暮らす夢の中に閉じこもってしまいました。東方青蒼はその状態を保つために元神を費やし、医者は命の危険があると言います。
觴闕、巽風、南北の幽王は自らの元神の力を東方青蒼に注ぎ、東方青蒼の元神が燃え尽きるのを防ごうとしました。
容昊も赤地女子と以前のように剣の稽古などをして暮らしていましたが、ある日赤地女子に「お前の剣は邪になった」と言われてしまい……。
蒼鹽海に長珩が現れます。巽風たちは身構えますが、長珩は東方青蒼の夢の中に入って起こしてくると言いました。
夢の中に入った長珩は東方青蒼に小蘭花を蘇らせるためにこの司命殿から出て協力してほしいと頼みますが、追い返されてしまいます。
戻ってきた長珩は巽風、觴闕、南北の幽王とともに元神の力を東方青蒼に注ぎました。すると夢の中の司命殿が崩れ始め、東方青蒼は目覚めるのでした。
双子の姉妹
觴闕は小蘭花が死んだのは結黎が小蘭花を連れ出すのを自分が止められなかったせいだと思い込んでいましたが、巽風は自分が小蘭花を戦場に連れて行き承影剣で自害させたと言います。
不思議がる觴闕のところに医者が来て、觴闕を診た時に蝶毒に侵された痕があったがすでに解毒されていたと伝えました。觴闕は結黎が自分を救ったのか?と半信半疑になります。
一方、容昊を問い詰めて真実を知った赤地女子は容昊を連れて雲中君の前に出頭し、自分も容昊とともに罰を受けると言いました。
雲中君は月族の兵の封印が解かれた今、引き続き水雲天を守ってほしいと言って赤地女子を罪には問わず、容昊は沙汰が下るまで閉じ込めると言います。
その頃、結黎は毒が回って倒れていましたが、蝶衣は「死なせない まだ役に立つ」と言って解毒薬を飲ませました。そして蝶衣はもう1人の娘を返すと約束していた澧沅仙尊に会いに行きます。
蝶衣は澧沅仙尊にもう1人の娘は毒に侵されていると言い、娘を助ける条件として容昊を再び解放するように言いました。蝶衣が連れてきた結黎の顔を見た澧沅仙は驚きます。結黎は星落とそっくりだったのです!
澧沅仙尊は結黎を屋敷に連れて帰ります。双子の妹がいるとは知らなかった丹音は驚きますが、結黎は雲夢澤で曲水を思わず見つめてしまった理由がわかり納得するのでした。
長珩は東方青蒼を3界の外にある万天の虚へ連れて行きます。司命は遊歴に出たとされているが、実は罪囚であった長淵を逃がして夫婦になったために2人ともここに閉じ込められているとのこと。
東方青蒼と長珩に会った司命は小蘭花は蘇る可能性があると言いました。昊天塔で初めて会った時から小蘭花の元神のかけらが東方青蒼の元神の中にあるというのです。
そして司命は小蘭花を蘇らせるには、東方青蒼の元神から小蘭花の元神を取り出して息山の聖域で形をなすのを待つようにと言いました。また司命は東方青蒼に小蘭花の命簿を渡すのでした。
感想
本当のことを言えずに小蘭花に冷たい態度をとるしかない東方青蒼と結黎が切ないです。
小蘭花が犠牲になったことによって月族の兵が解放されたり、赤地女子が蘇ったりと多くの人の望みが叶いましたが、東方青蒼にとってはこのままでいいわけないですよね。
遊歴に出ていると思われた司命が罪囚だった人物と一緒に閉じ込められていたとは驚きでしたが、小蘭花が蘇る可能性があることがわかってよかったです!