10話 小蘭花の策
幽玉戒
東方青蒼が到着すると兵たちは戦いを止めてひれ伏し、巽風も不服そうにひざまずくのでした。水雲天では長珩が蒼鹽海へ行く許しを求めていましたが、雲中君は小蘭花のためだろうと言って許可しません。
蒼鹽海では東方青蒼が小蘭花を寝殿に滞在させ厚遇していました。東方青蒼は「息蘭全書」の続きを読み、同心呪でつながるもののどちらかを承影剣で殺せば額の息蘭聖印を解くことができると知ります。
しかし承影剣は太古の戦で破片となり四方へ散ったとのこと。觴闕は銀湖の底にある承影剣の破片を探しに行くと言います。
東方青蒼は小蘭花に部屋から出ずに命簿を修繕するように命じるのでした。
その後、巽風が東方青蒼に神器である幽玉戒を返しにきます。巽風はかつて父を殺して月尊の座に就いた東方青蒼に敵意をむき出しにし、幽玉戒を手渡さずに床に落として部屋を出て行きました。
東方青蒼が自分の指に幽玉戒をはめると、觴闕が神器を身に着ければ小蘭花の感情に惑わされなくなると教えます。
司命殿⁉
小蘭花は水雲天に帰りたいと言って、東方青蒼の命で運ばれる食事も薬も拒否していました。觴闕から小蘭花は初めて家を離れて不安なのではないかと言われた東方青蒼はあることを思いつき……。
ある日、小蘭花は東方青蒼について来るように言われます。東方青蒼が扉を開け、小蘭花が恐る恐る見るとなんとそこは司命殿だったのです!
小蘭花は大喜びしますが、実はそれは東方青蒼が腕のいい大工に命じて蒼鹽海に建てさせた司命殿とうり二つの別の建物でした。
それを知った小蘭花は本当の家に帰りたいと言い出し、東方青蒼は怒って小蘭花を偽の司命殿に残して帰ってしまいます。
偽の司命殿で小蘭花はまた食事を断ち治療も拒否し虫の息になってしまいますが、死ぬ前に東方青蒼と話がしたいと言いました。
小蘭花は偽の司命殿に来た東方青蒼を庭に連れ出します。その日外では雷が鳴っていましたが、小蘭花は稲光がした途端に東方青蒼に口づけしました。
心が入れ替わるには稲光がした時に唇が触れる必要があり、小蘭花はそれを狙っていたのです!