検察官を殺害したのは同僚?原作や映画との違い
シカゴで働く検察官キャロリンが謎の死を遂げ、現状証拠だけで殺害容疑をかけられてしまった同僚の主席検事補ラスティ。ラスティはキャロリンとの不倫関係や妊娠、30回ものメールを送ったことなどが決め手となり逮捕に至ったものの、ラスティのキャロリン殺害を示す証拠は出てきません。
Apple TV+の「推定無罪」は、スコット・トゥロー著書の同名小説を原作とする全8話の法廷サスペンスドラマです。1990年にはハリソン・フォード主演で映画化もされ、1992年にテレビミニシリーズ「立証責任」、2011年にテレビ映画の続編「Innocent」が続きました。
原作小説の「推定無罪」は上下巻となっており、60歳を迎えたラスティがまたも殺人罪に問われる続編「無罪 INNOCENT」も出版されています。「無罪 INNOCENT」では、最高裁判事となったラスティが妻バーバラ殺害の容疑で逮捕され、「推定無罪」と同じくトミーに起訴されます。
映画版の「推定無罪」は、ラスティ役をハリソン・フォードが、バーバラ役をボニー・べデリアが演じました。興行収入は世界で2億2100万ドルに上り、1990年代では8番目に興行収入の高い映画となりました。
「推定無罪」で最も気になるポイントは、誰がキャロリンを殺害したのかということ。これは、原作小説と映画版では明らかになっており、いずれも同一人物の犯行でした。
キャロリンを殺害したのは、ラスティの妻バーバラ。キャロリンに対する強烈な嫉妬心から犯行に至るが、真相はラスティしか知らない。
結局、ラスティは証拠不十分となり、キャロリン殺害の容疑は晴れました。しかしその後、真犯人から直接キャロリン殺害を自白されたラスティは、家族を思って真相を闇に葬ることを決意します。
これが原作小説と映画版の結末ですが、Apple TV+版がどのような結末を迎えるかについては、まだ配信されていないためわかりません。とはいえ、映画版が127分とコンパクトに収めたのに対し、Apple TV+版は全8話の8時間近くになるため、より細かい描写が期待できます。
実際、すでにApple TV+版と原作小説、映画版には違いが出ています。それは、ラスティの妻バーバラの出演時間の長さです。
原作小説のバーバラはそこまで存在感がなく、映画版では無実を証明しようと奮闘するラスティの苦悩に焦点が当てられていました。ところが、Apple TV+版では夫ラスティの不倫がバーバラと家族に及ぼす影響や、魅力的なバーテンダー(サルナス・J・ジャクソン)への恋心など、バーバラの苦悩を垣間見ることができます。