サニー(Apple TV+)あらすじキャスト解説。日米キャストで贈る近未来ミステリードラマ

ミステリー
© 2024 Apple Inc. All rights reserved.
PR

サニーの見どころと解説

サニーの原作と配信情報

「サニー」は、Apple TV+のためにアメリカ制作会社A24が製作したダークコメディドラマです。原作は、秋田県在住のアイルランド人作家コリン・オサリバン著書の「ダーク・マニュアル」ということもあり、日本人から見ても違和感のない日本の描き方をされています。

監督を「このサイテーな世界の終わり」のルーシー・チェルニアク、脚本と製作総指揮を「アフェア-情事の行方」のケイティ・ロビンスが手掛けます。エミー賞候補女優ラシダ・ジョーンズが、主演と製作総指揮を兼任しています。

「サニー」の配信は、2024年7月10日よりApple TV+ にて独占配信されており、9月4日まで毎週水曜日に1話ずつ新エピソードが追加されます。

スージーとサニーのやり取りが痛快!

「サニー」の最大の見どころは、なんと言ってもスージーと家庭用ロボット”サニー”のやり取りでしょう。サニーを届けに来たタナカユウキも言っていたように、サニーにはプログラムを組んだマサのユーモアが搭載されており、それが何とも痛快なのです。

サニーは、夫マサと息子が消息不明になるという悲劇に見舞われたスージーに対し、一定の優しさを見せつつも容赦なくツッコミを入れたり、急なハイテンションでスージーを質問攻めにしたりします。無論そんなサニーにロボット嫌いのスージーが付き合うはずもなく、スージーはその度に「サニー、おやすみ」と言ってサニーを強制的にスリープモードにするのがシュールでたまりません。

中でも印象的なのは、スージーがサニーに、マサがしていた投げキッスのジェスチャーをどこで覚えたのかと尋ねたシーン。そのジェスチャーはマサがプログラムしたのかと尋ねられたサニーは、得意げな様子で「その記憶はない。赤ん坊は呼吸を学ぶ?」と返しました。

これだけだとサニーはとても感じが悪いように見えますが、この時のサニーは無邪気な子供のようなテンションで、腹は立つけど憎めない存在であることを象徴しています。

このように正論を笑顔でぶつけてくるサニーと、ちょっとひねくれたスージーという正反対の2人のやり取りは非常に秀逸なので、是非1度ご自身の目で確かめていただきたいところです。

ロボット×京都が新鮮で近未来を想像させる

「サニー」の舞台は、日本の京都。日本の歴史を感じられる古風な街並みと、自分の意思で動くロボットという相反する組み合わせはとても新鮮に感じました。

作中に登場するサニーを始めとする家庭用ロボットの姿には既視感があり特段驚きはしなかったものの、ロボット×京都の組み合わせは馴染みがなく、一気に近未来を想像させられました。

京都という古風な街並みにロボットがいるだけでここまで近未来感が出るとは驚きで、まさに新感覚のドラマと言えるでしょう。

こうしたロボットとの共生に関しては、マサの母ノリコ役のジュディ・オングがnippon.comのインタビューにて、「サニー」が未来への心の準備にもなるとの考えを明らかにしています。

自身もシニア世代に入ったジュディ・オングは、我々はもうAIと暮らしていく未来の入り口に突入していると説明します。さらに、「そのうちAIの力を借りずにはいられない時代も来ますので、ちょっとした心の準備になりますね。」とコメントしました。

PR

出演者のインタビュー

ラシダ・ジョーンズ

「サニー」で主演と製作総指揮を兼任するラシダ・ジョーンズは、オーストラリアのポッドキャスト番組「The Screen Show(原題)」に出演し、日本での撮影について振り返ります。

ジョーンズは自身が演じるスージーとの類似点に、アメリカ生活でのアイデンティティ政治に疲れていることを挙げました。

スージーは日本に長年住んでいても日本語を話さず、日本の社会的規範に従う気などありません。そこには、意図的にアメリカとは異なる国に移住することを選んだからという理由もあります。

こうしたスージーの背景についてジョーンズは、「日本の政治がたとえ人種、性別、階級の問題であろうが自分の問題ではないという事実によってスージーは自由を感じています。今、アメリカが文化的に非常に緊迫した時期にあるから、そんな設定がとても興味深いのです。」と説明しました。

スージーのような人種やジェンダーによって日常生活に悩むことのない黒人女性を描くことで、マージナル化されたコミュニティに属することの疲弊感を考察しています。実際に京都では、スージーの人種や性別アイデンティティは彼女自身はもちろんのこと、他の誰にとっても重要な問題ではないからです。

ジョーンズ自身も日本での滞在中はそういった問題を感じることはなく、リラックスして撮影に臨めたそう。

また、「本作で描かれているのは孤独と闘い、それを自分の生活に”他人ごと化”しようとする人についてです。しかし、彼女は夫と息子を見舞った事故を通じて他人と繋がる必要性に直面し続けます。最終的には答え、真実、繋がりを切望しているのです。」と付け加えました。

國村隼

タナカユウキ演じる國村隼はnippon.comのインタビューにて、「サニー」の見どころや撮影秘話を明かしました。タナカユウキはスージーの夫マサの同僚で、マサと息子が事故に見舞われたスージーにお見舞いとして、家庭用ロボット”サニー”をプレゼントした人物。

國村によると、タナカユウキはのちのちストーリーに深く関わっていくとのことで、本作の重要なキーパーソンとなるようです。

「サニー」では人間とロボットが共生しており、これからの社会でロボットが孤独な人間と共存する形や、人間の作ったテクノロジーが使い方次第では恐ろしいものになるなど、いろんな見方ができると國村は説明しました。

さらに、作中で流暢な英語を披露したことについて尋ねられた國村は、”非常にチャレンジングだった”と明かします。

ジュディ・オング

マサの母ノリコを演じたジュディ・オングも、國村隼と共にnippon.comのインタビューを受け、「サニー」の印象やノリコという役柄について語りました。

「サニー」の印象を尋ねられたオングは、京都に近未来のロボットが登場するギャップが面白いと語りました。

また、原作小説「ダーク・マニュアル」の作者コリン・オサリバンは日本や日本人を熟知しており、面白おかしく作りつつも日本や日本人について、”なるほど、そんな視点があったか”という発見があるとのこと。

作中の雰囲気は近未来と昭和のミックスですが、根底に流れているのはどうやって人間が生きていくかであり、隠と陽があってそのバランスがすごく面白いとオングは説明します。

作中で強烈なインパクトを放つノリコというキャラクターについては、隠陽が激しく、品格とおかしさの落差が面白い人だと語りました。そして、最近は企業の会長とか代議士の役が多かったものの、本来はコメディエンヌなのだと笑いながら話しました。

Photo:「サニー」Copyright © 2024 Apple Inc. All rights reserved.
紹介している作品は、2024年7月時点の情報です。
現在は配信終了している場合もありますので、詳細は各公式ホームページにてご確認ください。