【アメリカン・クライム・ストーリー/ヴェルサーチ暗殺】最終話ネタバレと考察。

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【アメリカン・クライム・ストーリー/ヴェルサーチ暗殺】最終話(第9話)ネタバレと考察。リー・ミグリン殺害から2か月余り、FBIはクナナンの犯行とわかっていながら本腰をあげることはなかった。ヴェルサーチは何故最後の犠牲者となったのか。クナナンの末路はどうなるのだろうか。エミー賞2部門受賞の秀作、衝撃の最終話。

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【ヴェルサーチ暗殺】最終話あらすじ

1997年7月15日夜、ヴェルサーチ暗殺後。

アンドリュー・クナナンはマイアミビーチの水上住宅に身を隠していた。

当初は余裕でこの騒動を楽しんでいたクナナンだが、過熱する報道と大がかりな捜査により、次第に追い詰められていく。

彼はマイアミから脱出しようと、ある人物に助けを求める……。

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【ヴェルサーチ暗殺】最終話ネタバレと考察

警察の捜査

警察は、ヴェルサーチ殺害前まで行動を共にし、クナナンが宿泊した部屋に滞在していたロニーを連行し、事情聴取する。

ロニーは、犠牲者がゲイだから真剣に捜査しなかったと指摘した。

今は400人以上が捜査しているという警察に対し、ロニーは「セレブが殺されたからだ」と答える。

あれだけの名声と金があったらゲイでも関係ない。」

2話で、FBIは連続殺害犯クナナンが次はマイアミに来ると想定していたにもかかわらず「金持ちの隠れゲイ目当てだから」と指名手配への動きが遅かった事が描かれている

金持ちのノーマンが自虐した通り「世間にとってゲイは病気で、殺されても仕方ない連中」(7話)だからなのだろう。

ヴェルサーチだからこそ、ゲイは関係なくなるのだ。

父親

一方、「何故クナナンと逃避行したのか」という報道に晒されたデヴィッド・マドソンの父親は、息子は無実で被害者だと主張する。

息子の無実を信じるデヴィッドの父親に、クナナンは苛立つ。

また子供の頃に亡くした父との幸せの思い出を自身の番組で語るマリリンにも、複雑な思いを抱く。

検問が厳しくなりマイアミから抜け出せず、食料もなくゴミを漁るほど追い詰められたクナナンは父モデストに助けを求める。

父は「お前を助けに行く」と約束するが、モデストは迎えに来るどころか嬉しそうにテレビに出演し、息子の事件の映画化まで考えていた。

そんな父を見たクナナンは憤り、テレビに向けて発砲する。

実際、モデスト・クナナンは息子の死後、ドキュメンタリーや映画の売り込みをしていたらしい。

ヴェルサーチの葬儀

ヴェルサーチの葬儀は、ダイアナ妃やエルトン・ジョンなどが出席しテレビでも放映されるなど、盛大なものとなった。

司祭はヴェルサーチの功績や人格を褒めたたえ、ドナテラたち家族をねぎらうが、恋人のアントニオの事は徹底的に無視する。

ゲイでもミサができるのはヴェルサーチだからだったのだ。

葬儀後、ヴェルサーチがイタリアのコモ湖の家族の墓に埋葬されると、ドナテラはアントニオに「どの家にも滞在出来ない」と告げる。

ドナテラがアントニオを徹底的に嫌ったのは、やはりゲイだからかもしれない。

アントニオは自殺を図り睡眠薬を飲むが未遂に終わる。

クナナンの最期

1997年7月23日朝、当局はクナナンを発見し包囲した。

追い詰められた彼は、口に銃口を向け自殺する

ドラマではここで、オペラの夜のヴェルサーチとクナナンの会話が描かれた。

「特別な人になるのが夢だったら?」と問うクナナンに、ヴェルサーチは「自分が成功することを周りに示したいなら行動で示せ。」「小説を書け。」と告げる。

クナナンは小説家を目指していると言ってヴェルサーチに近づいていた。

しかし、クナナンはヴェルサーチに「デザイナーになりたい。助手か弟子にして欲しい」と頼み込み、ヴェルサーチにキスをしようとするが拒絶される。

ヴェルサーチは、舞台を見て触発されて欲しい、感性を育んで小説に活かして欲しいと思い、クナナンをオペラに呼んだのだった。

しかし、モデストの教えにすっかり染まっていたクナナンはヴェルサーチの言ってることが理解出来なかった

いい親に巡り合い努力して成功し、特別な人となった」ヴェルサーチと、「特別な人になれと育てられ、努力することを学ばなかった」クナナンの平行線の会話となり2人は全くかみ合わなかった。

ヴェルサーチはクナナンを残して去っていく。

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【ヴェルサーチ暗殺】最終話の感想

【アメリカン・クライム・ストーリー/O・J・シンプソン事件】は有名な黒人スターが差別を利用して無罪を勝ち取った物語であった。

O・Jは、黒人だがセレブゆえに無罪になったのだが、今回の【ヴェルサーチ暗殺】はゲイだがセレブゆえに捜査され事件が解決に至ったのだった。

だからこそヴェルサーチは最後の犠牲者になった。

これがノーマンや他のゲイだったら警察やFBIは本気にならず、クナナンはもっと殺害を繰り返していたかもしれない。

差別問題だけでなく、親子の接し方や教育の違いなどいろいろ考えさせられ、心に残るドラマだった。

過去に遡り伏線を回収していく手法も見事。

エミー賞は伊達じゃない。

サイコのクナナンを見事に演じたダレン・クリスにはもちろんの事、作品賞を受賞したスタッフ陣に拍手を送りたい。

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