【新・オスマン帝国外伝〜影の女帝キョセム〜】は、【オスマン帝国外伝〜愛と欲望のハレム〜】(2020)の続編として製作されたトルコ発の歴史ドラマです。オスマン帝国史上最強の権力を手にした女帝キョセムを中心とする17世紀のオスマン帝国を描きます。
【新・オスマン帝国外伝〜影の女帝キョセム〜】のあらすじ
物語の舞台は、スレイマン皇帝の崩御から24年後となる17世紀初頭のトルコ宮廷。
13歳という若さで皇帝に即位したアフメト(エキン・コチ)は、奴隷としてオスマン帝国に連れてこられたギリシャの島の娘アナスタシア(アナスタシア・ツィリビウ)を寵愛します。
突然故郷と家族から引き離されたアナスタシアは何としても宮廷から逃げ出そうと躍起になりますが、やがて”先導者”を意味するキョセム(ベレン・サート)として若き皇帝を支えていくことに。
そんなアフメトとキョセムを待ち受けていたのは数々の試練の連続で、アフメトの父メフメトの死の秘密から祖母の太皇太后サフィエ(ヒュリヤ・アヴシャル)との対立、王座を脅かす陰謀など波乱の人生が幕を開けます。
全話のあらすじ一覧
「新・オスマン帝国外伝〜影の女帝キョセム〜」1話あらすじネタバレ
※一部シーンが前後しています。
1595年、イスタンブールのトプカプ宮殿。
スレイマン皇帝の崩御から24年後に皇太子メフメトとハンダン妃のもとに生まれたアフメトは、5歳の時に父の即位にともない帝都イスタンブールへと連れてこられました。新天地での生活に心躍らせるアフメトの喜びも束の間、オスマン帝国の残酷な掟を目の当たりにします。
それは、皇子が王座に就いて皇帝となると、動乱を避けるため兄弟を殺害するというものでした。ぞろぞろと列をなして運ばれる棺を見て言葉を失うアフメトに対し、兄マフムトは自分が王座に就いても決して弟を殺害するような真似はしないと誓います。
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1603年。
自室で本を読んでいたアフメトは妙な胸騒ぎを感じ、部屋の扉を開けて外の様子を伺うと、そこには数名の処刑人の姿がありました。慌てて処刑人の後を追うアフメトでしたが、目の前で兄マフムトが処刑されてしまいます。
父の命令でマフムトは殺害されたと知ったアフメトは世界を恨み、最大の悲しみは兄弟を失うことなのだと理解しました。
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3ヶ月後。
アフメトはマフムトの死から立ち直れずにいたところ、祖母の母后サフィエから部屋に招かれます。兄を失って覇気のないアフメトを不憫に思ったサフィエは、アフメトを元気づけようと様々な物を用意していました。
そこで見つけた可憐な少女の絵に心惹かれたアフメトはその絵を自室に持ち帰り、久しぶりに心の平安を取り戻します。アフメトは、その絵のモデルとなった少女アナスタシアに美しさだけでなく、生涯で必要とされる心の平安、生命の喜び、純真さという3つのものを感じていました。
その夜、アフメトは寝ていたところを起こされ、父が崩御したことを知らされます。アフメトは僅か13歳という若さで王座に就くことを余儀なくされるのでした。
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ギリシャ、ケファロニア島。
商人の娘であるアナスタシアの元にオスマン帝国の使いが現れます。ただならぬ雰囲気を感じ取り身を隠していたアナスタシアはあっけなく見つかり、オスマン帝国へと連れ去られてしまいました。
「新・オスマン帝国外伝〜影の女帝キョセム〜」1話の感想
トルコ宮廷を舞台にしたものは初めて観ましたが、オスマン帝国についての知見がなくてもそれぞれの肩書きの紹介があったり、母后のことをお祖母様と呼ぶおかげで登場人物もわかりやすくてとても見やすかったです。それにしても主人公アフメトの人生は波瀾万丈で、皇子として生まれたが故に苦労を強いられるのはとても居た堪れませんでした。
王座に就いて皇帝になると兄弟を殺害しなければならないという掟は、よくある権力を巡って兄弟が争うことを避けるためには致し方ないことなのかもしれませんが、あまりにも残酷な掟です。皇帝に即位したアフメトは悪しき習慣として弟を殺害せずに掟に抗うことを選びましたが、そんな簡単にいくのか不安は拭えません。
「新・オスマン帝国外伝〜影の女帝キョセム〜」2話あらすじネタバレ
トプカプ宮殿。
アフメトが皇帝に即位して間もなく、割礼式が行われます。そこへ新たな母后ハンダン妃が現れると、先帝の母后サフィエは闘争心を露わにして火花を散らします。
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アフメトの弟ムスタファの母であるハリメは、オスマン帝国の掟の兄弟殺しはしないと宣言したアフメトの心変わりを恐れていました。そこでハリメはムスタファを守るべく、天下に返り咲くことを目論む反乱者を利用してムスタファを皇帝にしてしまおうと考えたのです。
元より反乱者とオスマン皇帝らは共に国を作った仲であり、兄弟のような協力関係だったものの、オスマン皇帝の子孫たちが彼らを迫害して敵と見做したという暗い過去がありました。そのため反乱者には天下を取り戻したい気持ちが強く、まだ幼いムスタファを皇帝に即位させれば国が取り戻せることからハリメの提案を受け入れました。
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ケファロニア島からトプカプ宮殿へと連れてこられたアナスタシアは、訳も聞かされぬまま母后サフィエに紹介されます。アナスタシアはサフィエの元に着くや否や故郷に帰りたいと懇願するも取り合ってもらえるはずもなく、新たな名前として月の美女と名付けられました。
そして、自分は皇帝の献上品として宮殿に連れてこられたことを知ります。
「新・オスマン帝国外伝〜影の女帝キョセム〜」2話の感想
昔からある兄弟殺しの掟には肯定派が多いのかと思いましたが、意外と否定派の方が多いように感じて驚きました。きっと下手なことを言えば命が危ない時代だっただけに誰も言えなかっただけで、兄弟殺しが悪しき習慣だという意識は皆持っていたのでしょう。
しかしながら、せっかくアフメトは兄弟殺しを止めて弟ムスタファを生かすことにしたのに、ムスタファの母ハリメが不安のあまりアフメト暗殺に乗り出すとは思わなかったので悲しい気持ちになりました。また、ついにアナスタシアとアフメトが出会い、今後この2人がどうなっていくのか楽しみです。
「新・オスマン帝国外伝〜影の女帝キョセム〜」3話あらすじネタバレ
トプカプ宮殿。
ある夜、アフメトは日課であるライオンの餌やりに行くと、ライオンを繋ぐ鎖が切られていたため襲われて怪我を負ってしまいます。
このライオンは、クリミア・ハン国の王子メフメト・ギライとシャーヒン・ギライによって皇帝の即位の祝いの品として贈られた
これはアフメトの弟ムスタファを皇帝にすべく、ハリメが反乱者と手を組んだことにより仕組まれたアフメト暗殺の罠でしたが、アフメトはまだその事実を知りません。その場に居た警備隊長デルヴィーシュがライオンを始末したことから、アフメトは事なきを得ます。
こうして自分の命を狙う者がいることに気づいたアフメトは、プレッシャーに押し潰されそうになりながらも犯人探しを始めます。
その一方、ムスタファの母ハリメは身の安全を確保すべく宮殿から逃げ出すことにしました。皇女ディルルバと皇子ムスタファにもその旨を告げ、今夜宮殿を出るための準備をさせます。
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アフメトはまだ正式に贈られる前にアナスタシアと偶然出会ったことに強い運命を感じ、祖母の太皇太后サフィエにお礼を言いに行きます。
※太皇太后とは、当代の帝王の祖母に対して用いる尊称
絵で見ていたアナスタシアに心の平安を感じていたアフメトは実際に会っても心に平安をもたらしたアナスタシアに感動したようで、とても嬉しそうな様子を見せました。ほどなくしてアフメトはアナスタシアに夜伽を命じ、部屋に招き入れます。
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イスタンブール郊外、ルメリヒサル。
クリミア・ハン国の王子メフメトとシャーヒンが剣術を鍛えていたところ、オスマン帝国の後宮宦官長レイハンが現れます。レイハンはシャーヒンにアフメト暗殺未遂が起きたことに加え、ライオンが暗殺に利用されたことから献上したシャーヒンたちにも嫌疑がかかることを報告しました。
しかしシャーヒンが驚くことはなく、自分たちを虐げたオスマン家への恨みが晴らせる絶好の機会だと不敵な笑みを浮かべます。
「新・オスマン帝国外伝〜影の女帝キョセム〜」3話の感想
ここにきて一気に物事が進み始めた印象を受けました。中でもアフメトの弟ムスタファを巡って様々な勢力が動き出したので、今後ムスタファとアフメトの命がどうなるのかについては注目したいポイントのひとつです。
また、オスマン家は反乱者やクリミア・ハン国の王子シャーヒンの恨みを買っており、一体どんな過去があるのかも気になります。直接的な恨みがあるのは自分たちを虐げたメフメト皇帝に対してだったようですが、その子孫も全て根絶やしにしたいとの野望を抱いているため相当ひどいことをされたに違いないでしょう。