【新・オスマン帝国外伝〜影の女帝キョセム〜】48話・49話・50話あらすじネタバレ感想。大宰相デルヴィーシュの先帝殺しの秘密を知った皇帝アフメトは、デルヴィーシュの忠誠心と皇帝に対する裏切り行為の狭間で苦悩します。アフメトは父のように慕ってきたデルヴィーシュの衝撃的な秘密に追い込まれながらも心を決め、高官の死を意味する緋色の長衣を発注しました。
「新・オスマン帝国外伝〜影の女帝キョセム〜」48話あらすじネタバレ
トプカプ宮殿。
母后ハンダンが皇帝妃キョセムに、大宰相デルヴィーシュの秘密を自ら皇帝アフメトに打ち明けると約束した日を迎えます。すると、デルヴィーシュの秘密を知る者たちが次々と襲われ始めました。
ところが、アフメトはデルヴィーシュによって宮殿の外へと連れ出されており、宮殿内は無法地帯と化します。小姓頭ズルフィカールは飲み物に毒を入れられ、後宮宦官長ハジュは宦官を装った暗殺者に連行されました。
クリミア・ハン国の弟王子メフメトもアフメトの勅命を届けにクリミアに向かおうとしたところ、襲撃を受けて弓で胸を射抜かれます。さらにはキョセムまでもが体調不良を訴え、宮殿内は騒然とします。
*
帝都。
アフメトは、視察で訪れた小売商の商人から税金とデルヴィーシュに関する愚痴を聞かされます。商人たちは最近デルヴィーシュが導入した税のせいでかなり苦しい状況が続いているうえ、デルヴィーシュが商人たちを集めて脅迫まがいなことをして賄賂を徴収していると言うのです。
アフメトは金銭管理を全てデルヴィーシュに任せてるとはいえ、全くの初耳に眉を顰めます。
トプカプ宮殿。
毒を盛られたズルフィカールは、倒れる直前に部屋に来ていた皇女ヒュマーシャーのおかげで何とか一命を取り留めます。暗殺者に殺されかけたハジュも、騒動を聞いて駆けつけた先帝の妃ハリメに救出されて無事でした。
体調不良を訴えるキョセムは毒を盛られた可能性が心配されたものの、実際にはアフメトの子を懐妊していました。
その夜。
ハンダンはアフメトとキョセムを呼び出し、デルヴィーシュが先帝を毒殺したことを打ち明けます。あまりの出来事にショックを隠せないアフメトはその場を後にし、デルヴィーシュの部屋へとやって来ました。
アフメトは眠りにつくデルヴィーシュを眺めながら、枕元に置かれた剣を抜きます。
「新・オスマン帝国外伝〜影の女帝キョセム〜」48話の感想
最大の危機に瀕した母后ハンダンと大宰相デルヴィーシュによる邪魔者は徹底的に排除するという行動には、心底驚くと同時に呆れました。太皇太后サフィエといい、この時代の権力者は最も簡単に人を殺めすぎです。
こんなにも人の命が軽視されるのは時代のせいなのかもしれませんが、もっと他にやり方はあるでしょうし、ただ殺すだけでは根本の解決には至りません。簡単に人を殺すからこそ常に自分も命の心配をせざるを得なくなっているわけで、どこかでこの負の連鎖を断つ必要があります。
「新・オスマン帝国外伝〜影の女帝キョセム〜」49話あらすじネタバレ
トプカプ宮殿。
皇帝アフメトは眠りにつく大宰相デルヴィーシュを目掛けて思い切り剣を突き刺そうとしますが、その瞬間デルヴィーシュとの思い出がよぎったアフメトは躊躇い、剣を収めて部屋を後にしました。まるで父のように慕ってきたデルヴィーシュをアフメトに殺すことなどできるはずもなく、アフメトは善と悪の狭間で葛藤します。
そんなアフメトを心配する皇帝妃キョセムは、アフメトを元気づけようと懐妊の報告をします。アフメトは少しだけ元気を取り戻したようで、直ちに小姓を呼びつけ懐妊の祝いの手順を踏むよう命じました。
その後、アフメトはデルヴィーシュを泊まりがけの狩りへと誘い出します。母后ハンダンがついにデルヴィーシュの処刑が行われると心配する中、アフメトはデルヴィーシュの忠誠心を確かめていました。
アフメトはデルヴィーシュに対し、もし先帝が皇子だった自分の元にも処刑人を送っていた場合の行動について尋ねます。デルヴィーシュは何の迷いもなく皇子のために命を懸けると断言しますが、アフメトは声を荒らげ反論しました。
デルヴィーシュがいくらアフメトを敬愛しているとはいえ、皇帝の命令よりも皇子だったアフメトの命を優先することは皇帝への裏切り行為となるからです。
こうした皇子への敬愛は皇帝にとっては危険で、もし今後デルヴィーシュが皇子のことを皇帝アフメトよりも敬愛することがあればアフメトの命が危険に晒されるため、デルヴィーシュの意思を確かめることはアフメトにとって重要でした。
翌朝。
アフメトは覚悟を決めた様子で、緋色の長衣を会議までに用意するよう命じました。
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ボスポラス海峡、乙女の塔へと向かう船の中。
皇女ヒュマーシャーは、太皇太后サフィエが幽閉される乙女の塔へと向かう船に乗っていました。今回は毒を盛られて療養中の小姓頭ズルフィカールに代わり、歩兵常備軍兵士イスケンデルが同行します。
そこでヒュマーシャーは宦官ビュルビュルに託されたサフィエ宛ての手紙を読み、サフィエの行方不明となった皇子はイスケンデルだということを知って驚きを隠せませんでした。
「新・オスマン帝国外伝〜影の女帝キョセム〜」49話の感想
大宰相デルヴィーシュの皇帝アフメトに対する敬愛は間違いなく本物ですが、アフメトの立場が変わったことによる弊害が思わぬ形で出てしまいました。仮定の話とは言えども、もし皇帝が皇子だったアフメトにも処刑人を送っていた際に、デルヴィーシュが皇子の命を優先するような行動を取るのは皇帝への裏切りとなるのは納得できます。
それらを踏まえて、今度は皇帝である自分がデルヴィーシュに命を狙われるかもしれないとアフメトが考えるのも至って自然な流れでしょう。しかしあの時デルヴィーシュが先帝を殺害したからこそ、今アフメトの命があると思うと、かなり複雑な気持ちになります。
「新・オスマン帝国外伝〜影の女帝キョセム〜」50話あらすじネタバレ
トプカプ宮殿。
皇帝アフメトは緋色の長衣を纏い、御前会議に出席します。緋色の長衣を纏ったアフメトの姿に、高官らは固唾を飲んでアフメトの言葉を待ちます。
アフメトは大宰相デルヴィーシュの名前を呼び、賄賂を始めとする数々の裏切り行為を理由に処刑を言い渡しました。直ちにデルヴィーシュの元へ処刑人がやって来ますが、デルヴィーシュは激しく抵抗します。
そんなデルヴィーシュの姿を見ていたアフメトは、かつて大宰相ララ・メフメト毒殺の容疑者となったデルヴィーシュが発した言葉を思い出していました。
「処刑を下す際は処刑人ではなく、気高い陛下の御手で処刑を」
覚悟を決めたアフメトは自ら剣を抜き、デルヴィーシュの胸を貫きます。
その後、アフメトは西方司令官クユジュ・ムラトを後任の大宰相に任命しました。
母后ハンダンはデルヴィーシュの死にショックを隠せず、デルヴィーシュの遺体を見送ると部屋に閉じこもってしまいます。完全に意気消沈したハンダンを嘲笑う先帝の妃ハリメは、この絶好のチャンスを見逃せないと意気込みます。
ハリメは事前にハンダンとデルヴィーシュの恋心については明かさないことを皇帝妃キョセムに約束していたものの、ハンダンを排除するなら今しかないと考えていました。早速ハリメは皇帝妃キョセムにハンダンの排除を宣言しますが、皇子ムスタファとの面会を理由に黙っていてほしいとのキョセムの提案を受け入れました。
ところが、ハリメとキョセムの会話を盗み聞きしていた皇女ディルルバはアフメトの元へと向かいます。
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太皇太后サフィエの面会から戻った皇女ヒュマーシャーは、サフィエ宛ての手紙の内容について宦官ビュルビュルを問い詰めます。ヒュマーシャーは歩兵常備軍兵士イスケンデルがサフィエの皇子に間違いないと知り、もしこれが明るみになればイスケンデルの命はないため、この件は2人の秘密にすることを誓わせました。
「新・オスマン帝国外伝〜影の女帝キョセム〜」50話の感想
やはり大宰相デルヴィーシュは処刑を免れず、皇帝アフメトの手により処刑されました。デルヴィーシュの先帝殺しは決して許されないことなので、アフメトが処刑という判断に至ったのも当然でしょう。
とはいえ、アフメトはそのデルヴィーシュによる先帝殺しのおかげで命を救われましたし、デルヴィーシュのことを父のように慕ってきました。だからこそデルヴィーシュの処刑は辛く、アフメト自らデルヴィーシュを処刑したのがさらに胸を締め付けました。
母后ハンダンもすっかり憔悴しており、あの調子だと後を追い自ら命を絶ってしまいそうです。