【新・オスマン帝国外伝〜影の女帝キョセム〜】54話・55話・56話あらすじネタバレ感想。皇帝妃キョセムの捜索に一躍買った太皇太后サフィエは旧宮殿への移動が許されますが、皇女ヒュマーシャーは夫ハサンに握られた弱みによりエジプト州へと帰ることを余儀なくされます。月日は進み、青年となった皇子ムスタファは処刑人に怯える日々を送り、皇帝アフメトとキョセムは4男4女をもうけていました。
「新・オスマン帝国外伝〜影の女帝キョセム〜」54話あらすじネタバレ
トプカプ宮殿。
皇帝アフメトは皇帝妃キョセム捜索に協力した太皇太后サフィエの功績を認め、幽閉先を乙女の塔から旧宮殿へと移すよう命じます。
一方、キョセムは拉致がサフィエの策略だったことに気づいており、ディヤルバクル州軍政官ナスフを利用してサフィエにトドメを刺そうと目論んでいました。
キョセムは拉致された際に、暴漢らの話にサフィエの忠臣であるディヤルバクル州軍政官ナスフの名前を挙がったのを聞いていた
早速ナスフを呼び出したキョセムは拉致の真相をアフメトに話すと脅し、今後はサフィエではなく自分に忠誠を誓うよう迫ります。反論の余地がなくなったナスフは、キョセムが望んだサフィエの配下の者のリストと隠し資産の在り方を暴露することに同意しました。
キョセムは手に入れたリストを大宰相クユジュ・ムラトに渡し、ムラトはリストを手にアフメトの元を訪れます。
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旧宮殿。
ようやく旧宮殿へと戻れたサフィエは安堵した様子で、手助けをしてくれた皇女ヒュマーシャーと宦官ビュルビュルと共に喜びを分かち合います。さらに、行方不明の皇子が歩兵常備軍兵士イスケンデルだったことを知らされたサフィエは、喜びのあまり涙します。
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トプカプ宮殿。
皇女ヒュマーシャーは夫のエジプト州軍政官ハサンと離縁するため、ハサンが持つ帳簿を取り返そうと躍起になっていました。その帳簿には、これまでヒュマーシャーが行ってきた税金の着服やサフィエへの不正送金が記されていました。
もしこれが皇帝アフメトの手に渡れば厳しい処罰は免れないことから、何としても取り返す必要があったのです。ところが、帳簿はひと足先にキョセムの手に渡っており、なす術がなくなったヒュマーシャーはハサンと共にエジプト州へと戻ることにしました。
「新・オスマン帝国外伝〜影の女帝キョセム〜」54話の感想
太皇太后サフィエは乙女の塔から旧宮殿へと移動しましたが、忠臣ナスフの暴露はかなりの痛手となるでしょう。いよいよ忠臣も隠し資産もなくなったとなればサフィエがかつてのように好き勝手することは不可能ですし、実質死刑宣告のようなものです。
とはいえ執念深いサフィエは侮れず、まだ他に隠し資産がある可能性も否めないため安心はできません。そして、何よりも皇女ヒュマーシャーがエジプト州に戻らざるを得なくなったのは朗報で、今回は見事キョセムが大勝利を収めました。
このまま平穏な日々が続いてほしいものですが、ヒュマーシャーの代わりにサフィエが戻る形になったのは少し心配です。
「新・オスマン帝国外伝〜影の女帝キョセム〜」55話あらすじネタバレ
トプカプ宮殿。
皇帝妃キョセムは太皇太后サフィエに続き、皇女ヒュマーシャーさえもトプカプ宮殿から追い出すことに成功しました。母后の座に就く者が居なくなったトプカプ宮殿ではキョセムが唯一の寵妃として権勢を強め、皇帝アフメト直々に宮殿を任せられたキョセムは母后の部屋へと移る権利を得ました。
そんなキョセムに先帝の妃ハリメは胡麻をすり、皇子ムスタファと定期的に面会できる機会を掴みます。
その一方で、ムスタファは処刑人が来ることを恐れ続けており、怯えながら暮らす日々を送っていました。やがて月日は流れ、ムスタファは青年になるも未だ処刑人への恐怖は拭えず、部屋に人が訪れる度に耳を塞いで体を強張らせていました。
そんなムスタファの傍には常にピンハンと呼ばれる男がおり、反乱を起こすようムスタファを焚き付けます。しかし衛兵が部屋に入ってくると、そこにムスタファ以外の姿などありませんでした。
*
アフメトとキョセムは4男4女をもうけて大家族となり、幸せな生活を送っていました。
長男メフメト、次男ムラト、三男カスム、四男イブラヒム
長女アイシェ、次女ファトマ、三女ゲヴヘルハン、四女アティケ
そんな中、太皇太后サフィエと皇女ヒュマーシャーによる新たな計画が動き出します。サフィエはこの日のために、新たな側女ヤーセミンを2年もの月日をかけて育てきたのです。
ヤーセミンは幼少期に重い心の病にかかり、自身の過去や素性すらも覚えておらず、長いことベネチアの修道院に居ました。その後サフィエに引き取られたヤーセミンは、2年間ハドゥム・メフメトの屋敷に仕えてあらゆる躾がなされました。
そしてついにヤーセミンを皇帝アフメトの元に送る日を迎え、ヒュマーシャーはヤーセミンを託されます。
「新・オスマン帝国外伝〜影の女帝キョセム〜」55話の感想
かつてアナスタシアがキョセムになったように、またいきなり時代が進んだのには驚きました。いつの間にか皇帝アフメトと皇帝妃キョセムは子だくさんになっているし、皇子ムスタファはすっかり青年になっていて新鮮でした。
それにしてもムスタファはかなり精神状態が不安定なようで、今後の成長が心配です。いくらアフメトから守るためとはいえ、あんな狭い部屋にずっと閉じ込められていたらおかしくなるのも当然で、ムスタファには同情します。
また、皇子オスマンと皇子メフメトの関係もあまり良くはなさそうなのも気になります。
「新・オスマン帝国外伝〜影の女帝キョセム〜」56話あらすじネタバレ
トプカプ宮殿。
トプカプ宮殿では断食明けの祭りに際して、皇帝アフメトによる宴が催されます。宴にはアフメト一家はもちろんのこと、アフメトの弟である皇子ムスタファも呼ばれました。
しかし長らく自室に幽閉されるムスタファは疑心暗鬼に陥り、突然のアフメトの呼び出しにひどく怯えます。
ムスタファは兄アフメトが処刑人を送るのではないかという恐怖と常に闘っている
母ハリメと姉ディルルバの助けもあり何とか宴に出席したムスタファですが、外の世界に戸惑い終始落ち着かない様子を見せました。また、アフメトと2人きりで話す際のムスタファは他人行儀で、そこにかつてのような無邪気さはありませんでした。
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旧宮殿。
皇子オスマンは、太皇太后サフィエに旧宮殿へと招かれます。サフィエはオスマンと皇帝妃キョセムの関係を探りたかったようで、キョセムのことをすっかり実母のように慕うオスマンに釘を指します。
いくらキョセムが優しくしてくれるとはいえもし皇帝の身に何かあればオスマンではなく、実子のメフメトの肩を持つ可能性があるからです。オスマンは実子ではないとの言葉に一瞬表情を引きつらせるもすぐに笑顔を作り、サフィエの話に耳を傾けました。
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イスタンブール郊外、ダウトパシャの森。
皇帝アフメトは、年長の皇子オスマンとメフメトを初めての狩りに連れ出します。ようやく見つけた獲物の草食動物をアフメトたちが射抜こうとした矢先、衛兵がものすごい勢いで現れました。
衛兵によれば、逃亡していたクリミア・ハン国の弟王子メフメトを捕獲したとのことでした。
直ちにアフメトは皇子たちを連れて弟王子メフメトの元へとやって来ると、仲間の男をその場で処刑して弟王子メフメトには幽閉を言い渡します。
一方、トプカプ宮殿では狩りに出たアフメトへの献上品として、サフィエが用意した側女ヤーセミンの準備が行われていました。
「新・オスマン帝国外伝〜影の女帝キョセム〜」56話の感想
皇子ムスタファの幽閉による弊害は思ったよりも深刻なもので、処刑への恐怖を四六時中感じているようです。ムスタファにはピンハンと呼ぶ妄想上の人物まで見えており、ムスタファが非常に危険な精神状態であることを示しています。
しかもピンハンは常にムスタファに反乱を起こすよう煽っていることからイマジナリーフレンドのような楽しい存在ではなく、ムスタファの心の闇を投影した存在なのでしょう。
それにしても何故ムスタファがここまで追い詰められるような状態を作り続けたのか、ムスタファにも慈悲をかけるよう頼まれていたキョセムは何をしていたのか謎が残ります。