【新・オスマン帝国外伝〜影の女帝キョセム〜】72話・73話・74話あらすじネタバレ感想。民衆の前で醜態を晒した皇帝ムスタファは廃位を迫られ、母后ハリメの悪あがきも虚しくムスタファは玉座から降りることを余儀なくされました。故アフメト皇帝の正妃キョセムは念願の皇帝オスマンの誕生を喜ぶもトプカプ宮殿に戻ることはできず、オスマンとの親子関係に更なる亀裂が生じます。
「新・オスマン帝国外伝〜影の女帝キョセム〜」72話あらすじネタバレ
俸給の儀の前日。
帝都は金曜礼拝で醜態を晒した皇帝ムスタファの話題で持ちきりで、このチャンスを逃すまいと玉座を狙う者たちが動き始めます。元よりムスタファの病状を暴露して玉座から降ろそうと目論んでいた先帝の妃キョセムは、皇女ディルルバを人質に取って母后ハリメに皇子オスマンの即位に同意するよう迫りました。
ところが、ハリメが念願だったムスタファの玉座を簡単に明け渡すはずもなく、ハリメは最終手段に出ます。それは皇位継承の資格を持つ者を息子ムスタファだけにするため、キョセムの皇子たちを全員処刑するというものでした。
そのためにはキョセムをトプカプ宮殿に近寄らせないようにしなければならず、ハリメは太皇太后サフィエを訪ねて協力を仰ぎます。キョセムの排除というハリメの目的には難色を示したサフィエも自分はキョセムの外出を拒むだけでいいと知ると、快くハリメの頼みを引き受けました。
実はサフィエにも策略があり、この状況を息子イスケンデルを玉座に就けるために利用できると考えていたのでした。そんなことを知る由もないハリメは、キョセムの足止めさえできれば確実に皇子たちを処刑できると肩を撫でおろします。
一方、皇子イスケンデルは玉座に就く権利を取り返すべく、クリミア・ハン国の弟王子メフメトと手を組むことにします。弟王子メフメトと手を組むことで軍の後ろ盾を得られ、自分が玉座に就く際に有利になるとイスケンデルは考えていました。
*
その夜。
キョセムは旧宮殿から外出しようとしたところ、外から扉を固定されて部屋に閉じ込められたことに気づきます。このままでは皇子たちが殺されると察知したキョセムは冷静さを失い、大声を上げて扉を叩き続けました。
その頃、トプカプ宮殿では皇子たちが一部屋に集められ、処刑人は皇子たちの居る部屋へと向かっていました。
「新・オスマン帝国外伝〜影の女帝キョセム〜」72話の感想
いよいよ民衆にも皇帝ムスタファが正気ではないことが知れ渡り、先帝の妃キョセムが望んだ通りの展開を迎えました。これによりムスタファを玉座から降ろし、皇子オスマンが引き継ぐというキョセムのシナリオが現実味を帯びてきました。
とはいえ、母后ハリメに皇子たちを人質に取られてしまったのはキョセムの大きな過ちで、皇女ディルルバを人質に取っただけで安心してはならなかったでしょう。そもそもハリメがディルルバよりも皇帝であるムスタファを優先するのは明白ですし、キョセムにはもう少し慎重な行動を心がけてほしいところです。
「新・オスマン帝国外伝〜影の女帝キョセム〜」73話あらすじネタバレ
トプカプ宮殿。
先帝の妃キョセムの皇子たちの元に処刑人が現れ、成す術のない皇子たちは今にも処刑されようとしていました。
そんな中、皇女ヒュマーシャーのおかげで旧宮殿を抜け出した先帝の妃キョセムは歩兵常備軍を引き連れ、トプカプ宮殿へとやって来ました。直ちにキョセムは母后ハリメを訪ね、皇子たちの行方を問いただします。
ハリメから皇子たちはガラス宮殿に居ると聞き出したキョセムは急いでガラス宮殿を目指しますが、ハリメのすでに皇子たちは亡くなったとの言葉には動揺を隠せませんでした。しかし、ガラス宮殿に辿り着いたキョセムが目にしたのは部屋の隅で身を寄せ合う皇子たちの姿でした。
実は処刑が行われようとした瞬間に宰相ダヴドが止めに入っており、ダヴドはキョセムとの取引に応じて皇女ディルルバを救うために皇子たちの処刑を止めさせていたのです。こうしてキョセムは皇子たちを取り返すと、皇帝ムスタファの幽閉とハリメには地下牢行きを命じ、今後は皇子オスマンが玉座を引き継ぐことを明かします。
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俸給の儀の日。
ムスタファの後を継ぐ形で新たな皇帝となったオスマンは、キョセムをトプカプ宮殿には戻さないとの意向を示します。これは年長で相応の皇子の皇位継承を定めた勅命は亡き皇帝アフメトではなく、キョセム自身が書いたことを知ったが故の決断でした。
そもそもオスマンは自分を信じて皇帝にしてくれていたなら、兄弟殺しの廃止から世界さえも全てキョセムの意のままにしようと考えていました。だからこそ、オスマンにとってキョセムが行った勅命の捏造やムスタファを皇帝に擁立したことは裏切りにしか感じられなかったのです。
その一方で、皇子イスケンデルは母サフィエとヒュマーシャーと共に、玉座を取り返すための手段について話し合います。イスケンデルを血の玉座に就かせたくないと話すヒュマーシャーに対し、イスケンデルはサフィエと同じく玉座に就くには手段を選ばないとの考えを明らかにしました。
「新・オスマン帝国外伝〜影の女帝キョセム〜」73話の感想
ついにオスマンが皇帝となりましたが、オスマンのキョセムに対する懐疑心は思ったより根深いものでした。キョセムが捏造した年長で相応の皇子の皇位継承を定めた勅命もムスタファを皇帝に擁立したのも全ては子供たちのためとはいえ、最初からオスマンを皇帝に就けていればこんな騒ぎにはならなかったはず。
こうしたキョセムの過保護すぎる部分が昔から災いを呼んでいる側面もあり、キョセムには一歩引くことを覚えてほしいものです。このままキョセムとオスマンの関係が修復されないと皇帝の曽祖母サフィエに利用されてしまいますし、早いところ親子関係の修復が望まれます。
「新・オスマン帝国外伝〜影の女帝キョセム〜」74話あらすじネタバレ
皇帝オスマンの治世になり3年。
旧宮殿で暮らす故アフメト皇帝の正妃キョセムは、慈善活動に精を出していました。その夜も町に繰り出して民の相談を受けていたキョセムは、民衆の中に皇子イスケンデルの姿を見つけます。
キョセムは処刑されたはずのイスケンデルの姿に驚きを隠せず直ちに後を追いますが、暗がりの民衆の中ではすぐに姿を見失ってしまいました。いくら一瞬の出来事だったとはいえ真相が気になって仕方ないキョセムは、イスケンデルの処刑を行った近侍頭ズルフィカールを訪ねて真相を確かめます。
実際にはイスケンデルを処刑をせずに逃していたズルフィカールは、キョセムのイスケンデルを見たとの発言に目を丸くしつつもイスケンデルが生きていることは伏せました。しかし納得のいかない様子のキョセムに対しては、キョセムが見た者の正体と逃げた理由について調べることを約束します。
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トプカプ宮殿。
皇帝オスマンは大戦争の最中であるキリスト教世界を自ら軍を率いて統治すると宣言し、皇帝の身を案ずる高官らの反対も聞き入れようとはしませんでした。
そんな中、皇帝妃メレキシマは皇子を出産し、オスマンは父となりました。オスマンは命名式に弟と妹たちを呼び、皇子に信頼する師父の名”オメル”を授けます。
皆がオスマンの皇子誕生を喜ぶ中、皇子メフメトだけは浮かない顔を浮かべていました。
翌日。
オスマンは旧宮殿を訪れ、母キョセムに皇子誕生の報告と遠征に関する助言を求めます。キョセムは皇子の誕生を心から喜びつつも、遠征に皇子メフメトを帯同させることには反対の姿勢を見せました。
キョセムはこうしたオスマンの勢い余る決断を懸念しており、独断で高官らを集めて特別会議を開きます。ところが、その裏ではキョセムを貶めようと目論む先帝の母ハリメと皇帝の曽祖母サフィエがオスマンに接触しており、皇女ディルルバの夫である宰相ダヴドを通じて入手したキョセムの特別会議のことをオスマンに漏らしていました。
まんまとサフィエの策略にはまったオスマンはキョセムの特別会議に乗り込むと、事情を説明しようとした大宰相に憤慨してその場で処刑をします。完全にサフィエの話を信じるオスマンはキョセムを裏切り者だと考え、キョセムに子供たちとの面会の禁止を言い渡しました。
「新・オスマン帝国外伝〜影の女帝キョセム〜」74話の感想
故アフメト皇帝の正妃キョセムは、これまで皇帝オスマンと皇子メフメトの関係ばかり気にしていましたが、本当に気にかけるべきはオスマンとの親子関係でした。
確かにオスマンには師父オメルを通じて皇帝の曽祖母サフィエの洗脳があったにしろ、元よりキョセムとオスマンの親子関係は良好でしたし、キョセムの心掛け次第でこの結末は避けられたように感じます。いずれにせよ、オスマンのキョセムに対する不信感がここまで膨れ上がってしまうと、ここからキョセムが挽回するのは至難の業となりそうです。
それにしてもオスマンが何の躊躇いもなく大宰相を処刑したのは意外で、憤慨していたことを踏まえてもその野蛮さは少し気になります。