【新・オスマン帝国外伝〜影の女帝キョセム〜】78話・79話・80話あらすじネタバレ感想。皇帝の曽祖母サフィエによる皇子イスケンデルを玉座に就ける計画は、イスケンデルの乗った船が爆破されたことで失敗に終わります。唯一の希望を失ったサフィエは故アフメト皇帝の正妃キョセムを呼び出すと、妃の指輪を託して毒を煽ります。そんな中、皇帝妃アーキレがオスマンの子を出産しました。
「新・オスマン帝国外伝〜影の女帝キョセム〜」78話あらすじネタバレ
帝都。
皇帝の曽祖母サフィエはイスラム法学者を集め、皇子イスケンデルの存在を明かします。さらに、年長で相応の皇子が玉座に就くとの新たな秩序に則り、イスケンデルが玉座に就くことを望みました。
その帰り道、サフィエは宰相ダヴドと皇女ディルルバに拉致されます。イスケンデルの居場所を明かすか、自分が死ぬかの2択だと迫られたサフィエは自分の死を受け入れることにしました。
一方、皇子イスケンデルは故アフメト皇帝の正妃キョセムに接触を図り、自分が皇帝になった際にはキョセムの子を殺害すると脅迫していました。
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サフィエが死を覚悟していたところに、近侍頭ズルフィカールが助けにやって来ます。ズルフィカールは宦官ビュルビュルから助けを求められ、すぐさまサフィエの後を追っていたのでした。
すっかりズルフィカールを信用したサフィエは、このままイスケンデルを逃すという重要な役目をズルフィカールに託してしまいます。ズルフィカールは餞別の品として、父帝ムラトの剣と長衣が入った箱をイスケンデルに渡しました。
イスケンデルの乗った船は出航して間もなく、ムラトの剣の入った箱が爆発したことにより大炎上します。
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ポーランド遠征、野営地。
皇帝オスマンは戦果が上がらず苛立っており、その矛先は歩兵常備軍に向けられます。戦果が上がらないのは兵士たちの怠慢が原因だとしたうえ、逃亡を図った兵士たちを全員処刑したのです。
これには兵士たちも痺れを切らし、指揮官の態度や仲間を失うばかりの状況に対する不満を打ち明け、指揮官である大宰相の解任を求めました。オスマンは大宰相に関する決定権は皇帝だけにあるゆえ不敬だと怒りを露わにしますが、兵士たちは要求が通らなければ相応の結果が伴うと息巻きます。
「新・オスマン帝国外伝〜影の女帝キョセム〜」78話の感想
やはり近侍頭ズルフィカールが故アフメト皇帝の正妃キョセムを裏切ることはせず、キョセムたちを守るために愛弟子だった皇子イスケンデルを殺害したのは良かったです。とはいえ、まだイスケンデルの乗った船が大炎上していたところしか見ていないので、イスケンデルの亡骸を見ないことには安心できません。
また、皇帝オスマンはまだ幼く経験値がないことが弱みとなっており、全ての判断を周りに委ねているのは非常にまずいでしょう。このままでは玉座を狙う者たちの好き放題ですし、気づいた頃には手遅れになってしまいます。
「新・オスマン帝国外伝〜影の女帝キョセム〜」79話あらすじネタバレ
トプカプ宮殿。
皇帝の曽祖母サフィエは、皇帝オスマンが留守の間にトプカプ宮殿を訪れます。サフィエはすでに呼び出していた故アフメト皇帝の正妃キョセムを待つ間、トプカプ宮殿での過去に思いを馳せながら指輪に隠された毒を見つめていました。
キョセムが到着し、サフィエは己の人生について語り出します。これまでの全ての行いは王朝のためだったものの、皇子イスケンデルを失ったことで希望さえも奪われたとの胸中を明かしました。
また、サフィエは代々引き継がれてきた妃の指輪をキョセムに授けます。次の瞬間、サフィエは息苦しそうに肩で息をするようになり、駆けつけた宦官ビュルビュルの腕の中でそっと息を引き取りました。
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ポーランド遠征、野営地。
皇帝オスマンは歩兵常備軍の統率を取るどころか兵士たちの怒りを買い、要求が通らなければ反乱を起こすと迫られていました。
そんな中、オスマンの元へポーランド王から和平交渉をしたいとの知らせが届きます。勝利にこだわるオスマンからしたらこの上ない話で、すぐさまオスマンはポーランドとの和平を結びました。
翌日。
オスマンは兵士たちの前に姿を現し、オスマン帝国に屈したポーランドと和平を結んだとして勝利を宣言します。そして、冬が近づいていることから和平と勝利を掲げて帝都に凱旋することに加え、歩兵常備軍に要求されていた大宰相の解任も発表されました。
トプカプ宮殿。
オスマンは凱旋するや否や、キョセムと先帝の母ハリメを追放とメッカ巡礼を行うことを決めます。なお、このメッカ巡礼はカモフラージュで、オスマンの真の目的は自身に忠実な兵士を集めることでした。
これはキョセムを追放しても歩兵常備軍がキョセム派なのは変わらないゆえの対処ですが、公にすれば高官らの反対が予想されるためメッカ巡礼という名目にしたのです。
その一方、中庭ではオスマンの息子で第一皇子のオメルに流れ弾が当たるという悲劇が起きていました。
「新・オスマン帝国外伝〜影の女帝キョセム〜」79話の感想
ついに、故アフメト皇帝の正妃キョセムの長年の宿敵である皇帝の曽祖母サフィエが亡くなりました。自ら人生の幕を閉じるのはサフィエらしくも少し切なさもあり、いかに妃という立場が大変なものかをサフィエの人生を通して感じることができました。
いくら玉座を守るためとはいえ、誰かが玉座に就く度に兄弟たちが処刑されることは、母である妃たちにとって耐え難いものだったに違いありません。それにしても皇帝オスマンの息子で第一皇子のオメルが殺害されたのは驚きで、殺害を仕向けた皇女ディルルバに悪びれる様子がなかったのが印象的でした。
「新・オスマン帝国外伝〜影の女帝キョセム〜」80話のあらすじネタバレ
トプカプ宮殿。
皇帝オスマンと皇帝妃メレキシマは皇子オメルの死を嘆き、オメルを死には故アフメト皇帝の正妃キョセムが関与しているのではないかと疑いの眼差しを向けます。早速オスマンはキョセムを帝都から追放すべく、旧宮殿を訪れました。
しかしそこには歩兵常備軍が待ち構えており、兵士たちはキョセムの追放には同意できないとして刀を抜きます。歩兵常備軍と宮殿の兵士たちの間に一触即発の空気が流れ始めたところ、キョセムが現れます。
キョセムは反逆者に好き勝手させないためにも帝都に残してほしいと懇願しますが、オスマンにキョセムの思いは届きませんでした。
宮殿に戻ったオスマンは、皇帝妃メレキシマが男女の双子を出産したことを知らされます。皇子にはムスタファ、皇女にはゼイネプと名付けられました。
しかし、新たな軍の創設を急ぐオスマンはアナトリア行きの準備に取り掛かります。メッカ巡礼には2人の皇帝妃と、生まれたばかりの皇子ムスタファを始めとする皇子たち全員を帯同させることにしました。
オスマンは真の目的が知られないようひと足先にユスキュダルへと渡り、後を追う形で皇帝妃メレキシマとアーキレ、師父オメルが皇子たちを引き連れて向かう予定です。
帝都。
故アフメト皇帝の正妃キョセムは、オスマンを師父オメルたちが誤った道に導いているとして、師父たち反乱者の殺害を決意しました。
一方、宰相ダヴドは歩兵常備軍65番部隊隊長マンスールに対し、オスマンが新たな軍の創設をすると打ち明け反抗心を煽ります。オスマンの裏切り行為に怒り心頭のマンスールは兵士たちを集めると、新たな軍が創られ歩兵常備軍は潰されることを明かして兵士たちの反抗心に火をつけます。
完全に暴徒化した兵士たちは町での破壊行為や略奪にまで手を出し、街は混乱に陥っていました。後宮女官長ジェンネトは夫の師父オメルを通じて反乱が起きたことを知り、宦官ビュルビュルと共に皇子たちを旧宮殿へと避難させることにしました。
騒動に紛れて何とかキョセムの救貧院まで辿り着いた皇子たちはビュルビュルに託され、ジェンネトはキョセムに知らせに行きます。
「新・オスマン帝国外伝〜影の女帝キョセム〜」80話の感想
とことん皇帝オスマンと故アフメト皇帝の正妃キョセムはすれ違ってばかりで、2人の間にできた溝の深さを計り知ることができました。本来ならばキョセムがオスマンのことを信じてさえいればこうはならなかっただけに、この結果は残念で仕方ありません。
とはいえ、そろそろオスマンには自分が間違った方向に進まされていることを自覚してほしいものですし、きちんと自分で正しい判断ができるようになってほしいところです。何にしろすでに歩兵常備軍は焚き付けられてしまっているため、早急にキョセムかオスマンが正しい決断を下す必要があります。
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