【高い城の男】シーズン3を解説。大ナチス帝国は、アメリカ支配をより強固な物にすべくイヤー・ゼロ計画を実行に移す。それはアメリカの象徴を破壊するという物だった。
Writer:Dio
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スミス対ロックウェル
シースン2のラストで日独開戦を阻止したスミスは元帥に昇進。
しかしながら、スミスの元帥昇進を疎んだ現在元帥のロックウェルとフーバーは、スミスの長男が遺伝病で自害を選んだ事に目を付け、アドラー医師の死を不審に思い、彼が毒殺された証拠をつかもうとする。
しかしロックウェルは裏切られた。
スミスはフーバーの証拠を掴んで彼を脅して寝返らせていたのだ。
キューバに逃亡したロックウェルだったがスミスが雇った殺し屋に彼は殺された。
その後。
反逆者として捕らえられた、かつての最高権力者ホイスマンは息子であるジョーの手で銃殺された。
それはジョーにとって、父を射殺することで許されるという残酷な物だった。
ジョー・チナデッラとイタリア系のように名前を偽ったジョー・ブレイクはヒムラーから田上通商大臣を殺害するように命ぜられていたが、ジュリアナはジョーに命を狙われたのでやむなく彼を殺害した。
爆死したと思われていたフランクだったが、彼は顔に火傷を負いながらも生存し、表現の自由を訴えるポスターを街の随所に貼る事で太平洋合衆国に対する抗議活動を継続していた。
そんな彼を部下を爆殺された木戸警部が許すはずもなく、捕らえられたフランクは木戸自身の手で軍刀で処刑された。
田上はタイムトラベラーとして平行世界と行き来しているが、平行世界ではジュリアナは田上の息子と結婚している。
自由の女神を爆破。
「イナゴ身重く横たわる」の製作者ホーソン・アベンゼンは妻と共に捕らえられ、尋問の為にラッカワナ鉱山に連行された。
ラッカワナ鉱山で大ナチス帝国は平行世界に移動する為の装置ネーベンヴェルトを開発していたのだった。
大ナチス帝国によるアメリカ支配は頂点を迎え、「イヤー・ゼロプロジェクト」を実行に移す。
それは、アメリカの自由の象徴であるリバティー・ベルを融かして鉤十字に鋳治し、さらには自由の女神像を破壊するという物だった・・・。
VFXシーンなど、見どころ満載
日系女優のタムリン・トミタが田上と親しい女性タミコ・ワタナベ役で登場。(ベスト・キッド(1984米)など)
同プライム・ビデオの【スター・トレック:ピカード】ではオウ准将役で登場していましたが、こちらはロミュランとバルカンのハーフというメイクのため顔立ちが良く判らなくなっている。
こちらでは【ベスト・キッド】の頃の面影が見て取れるのが嬉しい。
高い城の男は、仮想戦記物ではないし原作では現実の戦況の変化と仮想の戦闘結果の違いの記述がある程度。
テレビドラマでは全編を通して何故日独が勝利出来たかを説明する戦闘シーンは一切無いにも関わらず、シーズン3では出血大サービスで連合艦隊がゴールデンゲートブリッジを通過するシーンが登場する。
うるさい事を言うと、大和は艦橋などの構造物が集中している部分が他の部分より甲板が高くなっているのですが、この大和は別世界の存在なのか甲板部分は全部平坦になっています。
記事によれば、自由の女神像の爆破シーンでは像の持つトーチを綺麗に海に沈めるのに苦労したそう。
Barnstorm VFXという会社は他にも【グッド・ファイト】のオープニングなど、著名タイトルのVFXシーンを手掛けている。
フランクを木戸が処刑する場面のヘブライ語はSh’ma Yisrael Adonai Eloheinu Adonai Echadで(実際にはヘブライ語は右から左へと読む)「聞け、おお、イスラエルよ、主は私たちの神、主はただ一人」という意味。
字幕が出てなく日本語吹き替えもないので調べてみました。
木戸はフランクを処刑するにあたって、わざわざ軍服に着替えてフランクに敬意を払っているところなどは【太陽の帝国】(1988米)で少年が日本軍パイロットに敬礼をするシーンを想起しました。
木戸警部は基本的には悪役ながら、全体としては律儀で礼儀正しい善悪を併せ持つ人物として描かれている。
また、自由の女神を破壊するシーンは【アイアン・スカイ】2012年、芬、豪、独合作でもありましたがやはりアメリカの象徴なのでしょうか。
【アイアン・スカイ】は同じ仮想ナチス物でも抱腹絶倒で笑い転げていましたが。
アメリカのシンボルを破壊すればアメリカの民衆はどう思うかは誰でも想像がつくとは思いますが、これはシーズン4への伏線と取って良いでしょう。