【ザ・ネバーズ】第6話ネタバレと考察。全12話、今回は前半最終話となる6話です。いよいよマラディとアマリアの過去が明らかに……。しかしその前に、“ガランティ”とは何なのか、何の目的で人類に近づくのか。6話では冒頭からSF色となり別次元での攻防が展開されていきます。
【ザ・ネバーズ】第6話「真実」
戦争で荒廃した土地に降り立つPDC(惑星防衛連合軍)のメンバーたちが戦っている相手は生命解放軍です。攻略隊、神のしもべと名乗る敵はガランティを確保している模様。そんなPDCのピンチを救ったのは、仮死状態から蘇った熟練“ストライプ”(戦士)の女性(クラウディア・ブラック)でした。
第1章 ストライプ
辺境の基地に入っていくPDCメンバー。
捕らえた生命解放軍の捕虜・グリーンボーン少佐(マシュー・マーシュ)は、PDCがキャッチした”空間の歪み”信号を追跡しここにやってきました。
ストライプの女性はエディンバラ第41団所属でその部隊唯一の生存者です。
PDCの隊長クレセントは彼女に合流を求めますが、被弾した女性隊員のニッター(エローラ・トーチア)が彼女の体力回復が先と主張しともに医務室へ向かいます。
薬物に依存しているストライプの女性は“フィーン”がほしいといいますがニッターは断ります。
ストライプは、PDCの司令官が空間の異常を発見し、生命解放軍に先を越されまいと慌てて「あなたという“胞子”のいる部隊をここに派遣したのだろう」とニッターに話しました。
ニッターは自分のことを“胞子”ではなく“共鳴者”だと呼び、胞子を浴びるとガランティの言葉や技術を理解し知性を駆使してそれを伝えるようになるのだと説明し、自分は直接見ていないがそれでも視野が広がったといいます。
ふたりのいる医務室の棚には複数のシムボード(記憶媒体)と、標本や装飾品など20世紀初頭の小物が置かれていました。
不思議に思って見ていると別の隊員の叫ぶ声が聞こえてきます。
ふたりが駆けつけるとそこには菜園があり、彼らがみたことのない本物の食べ物が育てられていました。
その奥にある隠し扉をあけると、科学者チームの死体が吊るされていました。
下にはシャフトがありさらにその下の部屋へいってみると……。
天井の半球状のガラスの中にガランティが捕らえられており、そこには滴り落ちた科学者たちの血液が溜まっていました。
ガランティは腕のような形状の光を隊員たちにのばしてきますが、恐怖から彼らは発砲し分厚いガラスによってはね返された弾がストライプの首をかすめます。
ストライプは一瞬意識が混濁しますが、隊員たちの言い合いで正気を取り戻します。
ニッターは光はあいさつだったと言い、ガランティの救出が我々の任務だと主張。
しかし、グリーンボーン少佐はすでに軍に全面攻撃を依頼済みだと語り、バイナー(ジョン・マクミラン)もまた司令部に同じことを依頼したと言います。
結果 核爆弾が飛び交い、誰も生き残れないことが判明。
少佐はガランティを殺して「入口」を閉じ、終戦を宣言すれば大勢を救えると言い出しました。
クレセント隊長(オケジー・モーロ)は司令部と話すため部屋をでていき、ストライプと医務室に戻ってきたニッターは彼女に協力を依頼します。
「入口」は開かれていてガランティの援軍が来るかもしれない、そうしたら戦況は変わりだれも死ぬことはないと訴えますが、ストライプはそれを否定しました。
ニッターはガランティの協力があればこの星を再び住めるようにできると力説しますが、ストライプは「もっと早く来ていれば50億の人命を救えたのになぜ来なかった?」と反論します。
28年戦い続け救世主など信じないストライプと、この世界を変える一番の力は“希望”だというニッター。
すると突然銃声が響きわたりました。
ふたりがガランティの部屋に向かうと通路にはブート(ニコラス・ナン)の死体が横たわっており、グリーンボーン少佐がクレセント隊長に銃を向けています。
撃たれたバイナーはガランティが入口を通って脱出しようとしていると言いますが、少佐は「逃がさない」と攻撃する気満々です。
ストライプが少佐を撃ち、ニッターはガランティの下で「行かないで」と呼びかけますが、やがてあきらめの表情を浮かべます。
そのとき、ニッターの左胸を銃弾が貫きます。
撃ったのは死んだと思われたブートでした。
ストライプはすぐにブートを射殺し、ニッターに駆け寄りました。
ストライプの言う通り、ガランティに見捨てられてここで終わるんだと涙を流すニッターに、ストライプは「ガランティはきっと助けにくる。わたしも信じる」と笑顔を浮かべて励まします。
そしてニッターはそのまま息を引き取ってしまいました。
失意のストライプは菜園の隅に腰をおろして医務室にあった毒物を飲み干します。
するとその身体をガランティの光の腕がやさしく包み、彼女の魂は光とともに上空へと舞い上がって鳥の紋章のような姿に変わるのでした。
第2章 モリ―
19世紀終わり頃のロンドン。
パン屋で働くモリ―(ローラ・ドネリー)は常連客のバーナム(リー・アームストロング)に、ほのかな想いを寄せていました。
しかし、結婚の約束はおろか恋人にもなっていないふたり。
モリーには別の男性との縁談の話がもちあがっていました。
パン屋の女主人は、モリーをやめさせて金のかからない自分の娘に店を手伝わせようとしている思惑もあって、モリーは店をやめトーマス・トルー(ダニエル・ホフマン・ギル)という男性と結婚し、パンの配達だけ続けることに。
夫は粗雑で借金まみれで、彼の母親は病気で寝たきりでした。
モリーは二度流産し「今度は大丈夫」と気丈に働いていましたが、そのうち夫が病気で亡くなります。
いつものようにパン屋に行くと、女主人から「バーナムが出世して戻って来た。モリーの事を気に掛けていた」と言われ、モリーは嬉しくなりました。
しかし、引っ越し祝いのパーティに招待されたけど「モリーのような子どものできない女は縁起が悪いだろう」と断ったこと、そしてバーナムと結婚するべきだったと言われ深く傷つきます。
*
自宅で病気の義母を医者に診てもらいますが、モリーは代金を払えません。
義理の母親に尽くすこの生活も「神の思し召し」と力なく語るモリー。
ひとり黙々と、かつてバーナムにほめられたお菓子のフィナンシェを創ると「ご家族とお幸せに」というメッセージカードを添えて彼の家の玄関先に置きました。
そして1896年8月3日。
すべてに絶望したモリーはテムズ川に身を投じたのです。
第3章 テムズ川のイカれ女
助けられたモリーは精神病院へと連れてこられました。
すると突然、見知らぬ女に切りつけられる映像が浮かんだモリーは、目の前の光景がシムの映像だと勘違いしています。
汚い言葉を使い、女性職員メイトロンに平手打ちされたモリーは逆に彼女を殴り倒してしまいます。
拘束されたモリーがベッドで目覚めると、入院患者のサラが枕もとに立っていて話しかけてきました。
モリーは、サラに「友達になって秘密を共有しましょ」と、ジョーク交じりに話します。
「自分はストライプで任務を果たすが任務が与えられていない、死んだはずなのになぜ生きている?」
その直後、自分の手があまりに小さく弱弱しいことに愕然とし、暴れて泣きじゃくりました。
そんなモリーをサラは抱きしめてなだめます。
翌日。
モリーは院内に変異した女性たちがいることに気づきます。
そしてサラがあの日、「トンボのような姿の神が光る雪か火の粉のようなものを降らせて自分はそれを浴びた」と言うのを耳にし、そのときの様子をくわしく聞くことに。
そこへ声をかけてきたのがホレイショ医師でした。
彼と愛しあう未来を見たモリーは、診察中に数日前の光のことや変異のことをたずねようとしましたが、「変な女だ」と警戒されることを恐れ、話しをやめようとしました。
するとそこで、部屋の外で騒ぐ声が聞こえてきたのです。
部屋から出て見てみると、ひとりの女がナイフを振り回してあばれており、モリーが止めようとしたところで腕を斬りつけられてしまいました。
モリーはホレイショから手当てを受けながら、その出来事がこの病院に来た日に見た映像と同じだったことに気づき興奮気味に語っていると、患部に近づけたホレイショの手が突然光り始めたのです。
ホレイショも変異しており、モリーの傷はあっという間に治りました。
モリーはホレイショに事情を打ち明け、外の世界の情報を彼の協力で得るようになりました。
多様な変異があるのに導くもの、“共鳴者”がいないとモリーが焦っていると、ホレイショはモリーが導けばいいと言います。
モリーは「ずっと戦ってきたけど、結局……」と声を荒げながら、”この器が小さい”と嘆き、ホレイショは「いい器だ、それに空いてた」と褒めました。
ある日、ヘイグと名乗る医師がモリーとサラを個別に研究したいとたずねてきました。
まず、モリーとふたりきりになったヘイグは変異についてたずね、モリーが研究には参加したくないとけん制すると「光について話せ」と態度を変えてきます。
危険を察知したモリーは、光を見たのはサラで自分は話しを合わせただけだと言って矛先をサラに向けさせました。
それからのモリーは、退院を目指して上品な患者にマナーレッスンを受け、他の患者の模範となるよう行動し、影では体力づくりを開始します。
美しい笑顔と所作を手に入れたものの、退院面接は失敗。
面接の間にモリーのベッドの下から武器が発見されたからです。
その話をモリーはミス・ビドローから聞いています。
資産家のビドローは、モリーに次なる居場所を与えるためにやってきました。
そして、のちに救護院となるまだ雑然とした建物の室内。
ホレイショの腕枕でモリーは彼に寄り添っていました。
モリーは、これからタッチトを導く者となると同時に、もうひとり、仲間となるアイルランド人女性の発明家について、うまくやっていけるか不安を感じていました。
第4章 トルー
マラディ公開処刑の日。
ガランティとの接触をめざしていたアマリアのチームは、いないはずの英国陸軍兵士にはばまれ苦戦し、アマリアは地下深くまで落ちてしまいました。
ペナンスの作った灯りをともしてせまい坑道を進んでいくと、そこでついにガランティを発見します。
しかし、ガランティの反応はなく、アマリアはいままでの恨み言をぶつけます。
「少なくともルーシーやメアリー、サラにとっては救世主なんかじゃない。導きも計画もなく、ただ仲間を捨てることばかりさせる。」そう言ってガランティを叩きました。
「なぜ自分なのか?ニッターの方が適任だったのに」とアマリアが感情を高ぶらせると、呼応するかのよう地面が揺れ、さまざまな映像がフラッシュバックのように展開されます。
本を読む少女、川で殴られる者、上半身裸のティーンエイジャーたち、戦場、走る少女と佇む男、パン生地をこねる母と子の手、ウエディングドレス姿のモリー、精神病院でのモリー、ホレイショとのこと、切りつける女、モリーを抱きしめるサラ……。
ここで、アマリアがペナンスに未来のことを話しているシーンに切り替わりました。
ペナンスは「悪い未来を変えるよう それに一生かけて取り組もう きっとそれは神の贈り物で変異はそのためにある」と微笑ました。
じゃあ次はどうすれば?とアマリアが聞いた瞬間、いままでにない映像の数々が彼女を襲います。
貧民王デクラン・オルラン、マラディ、水の中の男、オーギー、「来たのはお前ひとりだと思ったのかい?」という言葉、銃を向けるマッセン卿、そして別人のようなマートルが語る謎の言葉……。
「アマリア。あの小さな洞窟にいたときから長い時が経った。いずれこのことは忘れてもらう」
揺れによって台から落ちたアマリアの身体は地面にたたきつけられます。
ようやく上半身を起こしたアマリアに向かって、気味の悪い仮面の男たちが襲いかかってきました。
アマリアは、敵の持っていた銃を奪って応戦し、昇降機に駆け込んでボタンを連打するもなかなか動きません。
柵の中から銃を撃っていると誰かが外から昇降機に触れ上昇しはじめました。
アマリアはタッチトの女性によって救われたことに気づきます。
追手は地上に出たアマリアを追ってきましたが、オーギーがカラスの群れで撃退しました。
*
アマリアたちは、救護院の庭でペナンスチームを迎えました。
お互いに作戦は失敗し、ボロボロの状態のアマリアとペナンス。
アマリアは皆にガランティのことや未来のこと、戦いのことを全部打ち明けるとペナンスに伝えました。
そしてアマリアは「本名はゼファーよ。ゼファー・アレクシス・ナヴィーン」と名乗り、ペナンスとがっちり腕を組むのです。
【ザ・ネバーズ】6話考察とまとめ
前半の最終回となる6話は、まるで別のドラマを見ているのかと思うほど違うテイストで始まりました。
時は近未来。
戦争、天災、環境破壊などによって多くの人命が失われた地球。
ガランティはそんな地球を救うために現れた救世主、なのか……。
ガランティと友好な関係を築き、住みよい地球を取り戻そうとする惑星防衛連合軍。
……とはいえ、ガランティとは何なのか、それを知るのは一部の科学者と“共鳴者”たちだけです。
それ以外の兵士たちは知識もなく、その姿や動きを恐れるばかり。
対する生命解放軍はガランティという“異物”を恐れ、殺し、侵入を阻止しようとしています。
ガランティは地球の環境破壊を止めるため、人類に叡智を与えサポートをするためにやってきたけど、彼らの姿を恐れ、敵だと勘違いした人たち(=生命解放軍)によって攻撃され、惑星防衛連合軍がそれを止めようとして戦いになった、のかもしれません。
50億人もの命が失われたのは両者の戦い(核戦争)によるものなのか、それ以外の災害や環境破壊などが原因なのか、そのあたりはまだハッキリしません。
菜園でトマトを見たのが初めてで、すべてシムボードに記録されている情報としてしか知らないというところなど、本当に恐ろしい未来の話なのだと考えさせられました。
せっかく地球を救うためにガランティは手を差し伸べたのに、ちょっと来るのがおそすぎた。そしてその手に気づく人間は少なく、それ以外の人間によって攻撃されてしまうので計画はうまくいかない。
そこでガランティは、まだテクノロジーがそれほど発達していない時代へとさかのぼり、そこで“よりよい世界”“よりよい未来”を作るための人材を作ろうとしたのかもしれません。
*
ガランティのことはさておき、今回はアマリアの本当の名前が明かされました。
ペナンスはニッターの生まれ変わりかとかと思ったのですが、時系列が逆だったので、もしかするとニッターがペナンスの生まれ変わりかもしれません。
6話を吹替版で見ると(聞くと)ニッターの声をペナンスと同じ早見沙織さんが担当しているのです。
これはなにか意味を感じてしまいます。
今回はさわりしか描かれていませんが、マラディ誕生のきっかけとなるサラとモリーの関係も少しずつわかってきました。
サラが医師から虐待を受けていたというのは知っていましたが、それがあのヘイグだったとは思いませんでした。
その三年後、殺人鬼となったマラディに殺されていないところをみると、ヘイグもなかなかという感じです。
また、虐待のきっかけとなったのがモリーによる誘導だったということは少し意外でした。
モリーには使命があるので、ヘイグに捕まるわけにはいかない理由があったのですが、目的のためには手段を選ばない冷酷な一面を見た気がします。
*
ここ最近すっかり影をひそめていますが、後半ではヒューゴ・スワンの活躍を期待したいです。
タッチトに理解のある人物ですし、アマリアの見たフラッシュバックの中で水中で溺れているように見える男がヒューゴのような気がしてなりません。
オーギーにも何か秘密がありそうですし、この同級生コンビにも注目です。
そしてホラーめいた演出が気になっているマッセン卿の屋敷の地下。
マッセン卿の娘リリーがどんな姿で隠されているのか(と推測)、そしてマッセン卿はそれをどう考えているのか。
マッセン卿は、この物語の中で最も差別的で厄介な人物として描かれているので、その動向が気になるところです。
19世紀末から20世紀初頭のロンドンには抗えない階級差別があり、女性の人生はパートナーの男性次第。
職業の選択もままならず、貧困家庭に生まれればその運命はなかなか変えることができません。
女性、移民、貧困……さまざまな問題があります。
そういった問題も絡めつつ、今度は地球を救うため動き始めるタッチトたちの壮大な戦いの物語。
後半にも注目です。