【THE TUDORS~背徳の王冠】全シーズンあらすじ、登場人物詳細とキャスト。

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【THE TUDORS~背徳の王冠】全シーズンあらすじ、登場人物詳細、キャスト情報を総まとめ。16世紀のイングランドを舞台に国王ヘンリー8世の半生を描いた歴史超大作。国王が結婚した6人の妻とは?彼女たちはなぜ数奇な運命を辿ることになったのか。

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【THE TUDORS~背徳の王冠】あらすじ

シーズン1あらすじ

イングランドの王ヘンリー8世(ジョナサン・リース=マイヤーズ)は、兄アーサー亡き後、兄の妻だったキャサリン・オブ・アラゴン(マリア・ドイル・ケネディ)と結婚した。

年上とのキャサリン妃との間に娘メアリー(サラ・ボルジャー)を儲けたが、世継ぎとなる男の子に恵まれず苛立っていた。

その怒りは日に日に募り、王は多くの愛人と関係を持つようになる。

その頃、イングランドの聖職者ウルジー枢機卿(サム・ニール)は、フランスとの条約を結ぶためフランスを訪れていた。

フランス王フランソワ1世(エマニュエル・ルコンテ)は、ウルジー枢機卿を”友人として”快く迎え、交渉は成立する。

そんな中、ヘンリー8世はブーリン家の次女でキャサリン妃の侍女アン・ブーリン(ナタリー・ドーマー)に惹かれ始めた。

キャサリン妃は、アンとの関係はいつもの愛人程度と考えていたが、ヘンリー8世はアンに真剣になる。

するとヘンリー8世は、キャサリン妃が兄の元妻であることを理由に、ウルジー枢機卿からローマ教皇(ピーター・オトゥール)にキャサリン妃との婚姻無効を主張させた。

兄嫁と結婚すると世継ぎに恵まれないという言い伝えを理由にした。カトリックで離婚は認めていなかったため婚姻無効でなければならなかった。さらに兄とキャサリンの間にちぎりあったか無かったかが争点となる。

ヘンリー8世は、アンと結婚したいがためにキャサリン妃との婚姻を無効にする必要があったのだ。

しかし、ローマ教皇はキャサリン妃との婚姻は正当なものと認め、婚姻無効を却下。

それでもヘンリーは、アンとの結婚を真の婚姻をするためカトリック教会から離脱していく。

シーズン2あらすじ

反逆罪で投獄されたウルジー枢機卿は、投獄から数日後 ナイフで首を刺して自殺した。

その後、生前にウルジーが連れて来たトマス・クロムウェル(ジェームズ・フレイン)が後任に就いた。

ヘンリー8世のキャサリン妃との婚姻無効への主張は、日に日に強くなっていく。

議会では、ローマ教会より王権を優位という法案が出される。

(王権を優位にすることでキャサリン妃との婚姻無効を成立させようとした)

王から反逆罪に問われることに恐怖した聖職者たちは、一様に賛成の手を挙げる。

そんな中、熱心なカトリック信者で大法官のトマス・モア(ジェレミー・ノーサム)を含む一部の聖職者の中には、処刑を覚悟で反対する者もいた。

*キャサリン妃との離婚理由は正当ではないと反対していた。

その後、イングランドはカトリック教会を離脱しヘンリー8世が唯一最高首長となると、キャサリン妃との婚姻無効が認められた。

その決議がなされた直後、モアは良心に従って大法官を辞職する。

ヘンリー8世はアンと正式に結婚したが、世間ではアンを正式な王妃と認める者は多くは無かった。

キャサリン元妃が生きている限り、自分は王妃と認められないと思ったアンはキャサリン元妃とその娘メアリーの殺害を目論んだが、考え過ぎだと諭される。

そんな中、アンは懐妊し女児(エリザベス)を出産した。

するとヘンリー8世は、アンとの間に産まれた子供のみに王位継承権を与えるという法案を提出させた。

キャサリン妃の死後、ヘンリー8世の正式な王妃となってもアン・ブーリンを認めない者が多かった。

それは他国にもいえる事だったが、何よりアンに王に近づくよう命じた父トマス・ブーリン(ニック・ダニング)の野望を打ち砕こうとする流れがあった。

また、ヘンリー8世の愛情もアンからジェーン・シーモア(アナベル・ウォリス)へと移って行った。

ヘンリー8世は、アンとの婚姻を無効とするため、チャールズ・ブランドン(ヘンリー・カヴィル)やクロムウェルに結婚無効に向けての策を練るよう指示する。

結果、アンは兄ジョージ(パトリック・デラニー)を初めとする複数の男たちとの姦通罪や反逆罪、魔術で王を惑わした大罪で処刑された。

シーズン3あらすじ

アンとの婚姻無効を成立させたヘンリー8世は、ジェーン・シーモアと結婚した。

ジェーンは、優しくて穏やかな女性でヘンリー8世は彼女をこよなく愛した。

そして数年後、ジェーンは難産の末ヘンリー8世が欲しくてたまらなかった息子を出産する。

ヘンリー8世は、息子エドワード(オーウェン・ムルター)と名付けて2人を寵愛した。

しかし、ジェーンが産褥熱により死亡し、その悲しみから部屋に籠り王としての役目も果たさないどころか、誰とも会おうとせず絵ばかりを描いていた。

これではいけないと動きだしたクロムウェルは、クレーヴズ公の妹アン・オブ・クレーヴス(ジョス・ストーン)との再婚を勧めた。

そこでヘンリー8世は、宮廷画家のホルバイン(ピーター・ゲイナー)に似顔絵を描くよう命じる。

ヘンリー8世は似顔絵を見てアンを迎えるのを楽しみにしていたが、肖像画と実物があまりに違うことに怒り、結婚しない方法は無いかクロムウェルに探させた。

それでも、クロムウェルは方法は無いとしてアンとの結婚を勧める。

ヘンリー8世は国のことを考えてアンと結婚したが、どうしても契を結ぶ気になれず苛立つ。

それを見たブランドンとエドワード・シーモア(マックス・ブラウン)は、共同生活を送っていたキャサリン・ハワード(タムジン・マーチャント)を宮廷に招きヘンリー8世の目に留まるよう仕向けた。

ヘンリー8世は、若く美しいキャサリンに一目惚れし密会を重ね、アンと離婚してキャサリンと再婚する方向で進めた。

アンは、ヘンリー8世と契を結ばぬままロンドン市内の邸宅と年金を与えられ、今後は王の妹と名乗るよう命じられて宮廷から追い出された。

そして、ヘンリーは17歳のキャサリン・ハワードと正式に結婚した。

シーズン4あらすじ

クロムウェルは、ヘンリー8世にアンとの結婚を勧めた責任を負わされ処刑された。

悔しくも愛息に息子が誕生したと聞かされた数日後だった。

王はキャサリン・ハワードへの寵愛が深くなる一方で、宮廷ではおしゃれやダンスに明け暮れる日々を送る”若すぎるキャサリン”を”遊び好きの浮ついた小娘”と噂するようになる。

特にヘンリー8世の娘メアリーは、キャサリンに対し「王妃の器ではない」と厳しい目で見ていた。

また、ジェーン妃が女官長に抜擢し、その後もキャサリン妃の女官長を務めているジョージ・ブーリンの元妻ジェーン・パーカーもキャサリン妃を”愚かな小娘”と卑下していた。

そんな中、ジェーンはキャサリン妃に「見つからなければいい」と、ヘンリー8世の侍従トマス・カルペパー(トランス・クームズ)との不義をそそのかす。

その言葉を真に受けたキャサリン妃は、王が寝た後や巡礼中を見計ってカルペパーと不義密通を繰り返した。

そんな中、キャサリン妃が過去に純潔を捧げ結婚の約束をしたフランシス・デレハム(アレン・リーチ)が、昔の好と脅迫して仕事を要求してきた。*作中ではデーレムと表記されている

キャサリン妃は、ヘンリー8世に過去ばバレるのを恐れデレハムを雇ったが、これが大問題に発展した。

ある日、ヘンリー8世の元に1通の告白状が届けられた。

内容は、キャサリン妃がヘンリー王と結婚する前の自堕落な生活と男関係に関して書かれていた。

ヘンリー8世は、嘘だと信じつつも念のために告発状の内容について調べるよう臣下たちに命じる。

そして数日後、告発状に描かれていたことは全て真実であることが分かると同時に、結婚後もキャサリン妃がカルペパーと不義を犯していたことが判明。

王はデレハム及びカルペパーを処刑するよう命じた。

カルペパーは斬首だったが、デレハムに対しては「王妃の純潔を奪った」として絞首、内臓えぐり、四つ裂きの刑が決定。

女官長に関しては錯乱状態にあるため処刑は無理との判断だったが、王は錯乱状態でも処刑できるよう法を変えろと法律家リチャード・リッチに命じ、女官長もキャサリン妃と同じ日に斬首刑になった。

後日、ヘンリー8世の元にキャサリン・パーという女性が訪ねて来た。

キャサリン・パーは、病気で宮廷を訪れることが出来ない夫の代わりに、夫の反逆の疑いを晴らしにやって来たのだ。

ヘンリー8世はキャサリン・パーの美しさと穏やかさに心を奪われ、贈り物を届けさせた。

王からの贈り物は、キャサリン・パーを気に入ったということを意味する。

この時点で、キャサリン・パーはトマス・シーモアと恋仲にあったが、王からの求婚に悩みつつも受け入れ6番目の王妃となった。

キャサリン・パーが王との結婚を躊躇したのは、トマス・シーモアとの関係のみならず、かつての王妃が婚姻無効や処刑されたため。

この頃、フランスがトルコと和平を結んだため、敵対していた帝国はイングランドとの協定を求めて来た。

ヘンリー8世は、フランスのマリヤック大使と帝国のチャプイス大使(アンソニー・ブロフィー)双方の話を聞き帝国と手を組んでフランス侵攻を決定した。

そして、キャサリン妃に摂政を任せてイングランド軍を率いブーローニュに侵攻し、イタリア人技術者のトレヴィソ・ジローラモ(ダニエル・カルタジローン)の協力で成功を収めた。
*摂政とは王に変わって政務をとること。王の名で国事を行うことが出来る

その一方で、ガーディナー司教(サイモン・ウォード)は、キャサリン妃が異教徒ではないかと疑いを掛け、異教徒に関係する者を排除しつつも王妃に辿り着こうと目論んでいた。

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【THE TUDORS~背徳の王冠】登場人物

ヘンリー8世役|ジョナサン・リース=マイヤーズ

キャラクター

若くしてイングランド王に即位した。

兄アーサー王子の死後、兄の妻だったキャサリン・オブ・アラゴンと結婚し、娘を授かったが世継ぎに恵まれないことに苛立っていた。

愛人も多いが心移りも早い。

カトリックの書に、兄嫁と結婚すると世継ぎに恵まれないと書かれていたこと、兄とキャサリンに契があったと思い込んだこと、アンを正式な妻に迎えたいというのを理由に、ローマ教皇にキャサリンとの婚姻無効を申し出る。

少しでも、自分の意見に同調しない者がいれば理由をつけて罪に問いたり宮殿を追放したりするが、とりわけブランドンやウィリアム、アンソニーの3人や、ウルジーに至っては信頼度が高いことを理由に処分の甘さがある。

キャサリンとの婚姻無効が認められなことに怒りが増し、カトリック教会から離脱して宗教改革としてイングランド国教会を成立させた。

これにより、キャサリンを宮廷追放にし王妃の称号も奪った。

娘メアリーも庶子として扱い、後にアンが出産した娘エリザベスの侍女にする。

アンが姦通罪で処刑された後、ジェーン・シーモアと再婚し男児を授かるが、ジェーンが産褥熱で死亡してからは心痛で引きこもり、王としての役目を果たせないでいた。

唯一、王と会うことが出来たのはひとりの道化師。

この道化師の言葉で気が付いたヘンリーは、彼の膝で子供の様に泣いた後に復活する。

史実

テューダー朝第2代のイングランド王。

キャサリンとの離婚問題からローマと対立し、イングランド国教会を成立。

宗教改革により修道院を解散・閉鎖させ、国教会の首長となる。

キャサリン妃、アン・ブーリン、ジェーン・シーモア、アン・オブ・クレーヴズ、キャサリン・ハワード、キャサリン・パーと6度結婚した。

以下、ヘンリー8世が婚姻した王妃と、そのの間に産まれた子供。

キャサリン妃

ヘンリー8世の1番目の妻。

メアリー1世(イングランドとアイルランドの女王。プロテスタントへの過度な迫害からブラッディ・メアリー”血まみれのメアリー”と呼ばれた)

アン・ブーリン

ヘンリー8世に契を交わす代わりに王妃の座を要求。

王との間にエリザベス1世(テューダー朝最後の君主。イングランドとアイルランドの女王)を出産し、2度目に念願の男児を身ごもったが流産してしまった。

ジェーン・シーモア

ヘンリ―8世がこよなく愛した女性で優しくて控えめだった。

エドワード1世(テューダー朝イングランドの王。ヘンリー8世の死後9歳で即位したが15歳で死去)

作中では、ジェーンが庶子の身分に落とされていたメアリーとエリザベスを宮廷に戻したとされているが、実際に2人を宮廷に戻して王位継承権を復活させたのはキャサリン・パー。

ただ、メアリーが宮廷に戻れるようヘンリー8世に懇願したことは史実にもある。

アン・オブ・クレーヴス

肖像画と違い過ぎているのを理由に半年ほどで離婚された。

子供は無し。

作中ではクロムウェルが、ヘンリー8世の再婚意欲をそそるため、少し良く描くよう画家に指示しているシーンがある。

作中では、アンの容姿対して再婚をアンとの再婚を勧めたクロムウェルに不満を漏らしている場面がある。

また、契を結ぶことなくアンをリッチモンド宮に追いやり、その後アンがヘンリー8世との結婚前に婚約していたのを理由に結婚不成立を主張。

以降、アンは王の妹と名乗るよう強要された。

しかし、ヘンリー8世はキャサリン・ハワードの一件で傷心の際、アンの優しさに癒され一度だけベッドを共にしたと作中では描かれている。

キャサリン・ハワード

名門ハワード家の出だが、ハワード家には財産が無かったため捨てられ、同じような境遇の子供たちと共同生活をしていた。

アン・ブーリンの従妹で、ジェーン・シーモアの はとこにあたる。

作中では17歳でヘンリー8世と結婚し王妃となった。

ヘンリー8世の侍従トマス・カルペパーとの姦通罪、過去の自堕落な生活と男関係を告発され処刑された。

姦通罪を否定するため王に直訴しようとしたが叶わなかった。

子供は無し。

キャサリンが王に直訴しようとしたハンプトン・コート宮殿の廊下は、今でも無実を訴えるキャサリンの幽霊が出没する怪奇スポットとして知られている。

キャサリン・パー

2度の結婚を経て(夫は2人とも病死)、トマス・シーモアと交際を始めたがヘンリー8世に見初められて求婚される。

しかし、ヘンリー8世がかつて2人の妻を処刑台に送り、他2人の妻を結婚無効にしたため結婚をためらう。

そして31歳でヘンリー8世と結婚。

エリザベスとエドワード王子の養育を任され、幼い子供たちにも好かれた優しい継母。

ヘンリー8世との間に子どもは無し。

王が崩御した後、トマス・シーモアと再婚した。

キャスト

ジョナサン・リース=マイヤーズは、アイルランド出身の俳優。

幼少時代は、父親が2人の弟を連れて家出。

母親は酒に溺れ育児放棄したため、兄と共に施設で育った。

10代で荒れた生活を送る中スカウトされ、【マン・オブ・ノー・インポータンス】(1994)で俳優デビュー。

その後は【M:i:III】(2006)では、トム・クルーズ演じるイーサン・ハントとチームを組んだエージェント、デクラン・ゴームリー役を演じ、ジョン・トラボルタ主演の映画【パリより愛をこめて】(2010)では主演級の役どころを演じている。

また、ローランド・エメリッヒ監督による【ストーンウォール】(2015)では、ゲイの主人公ダニー(ジェレミー・アーヴァイン)の相手役を務めた。



トマス・ウルジー役|サム・ニール

キャラクター

イングランドの聖職者で、ヘンリー8世に仕える。

フランスのカレー近郊にあるバランゲムの平原に建てられた城で行われた、イングランド王とフランス王の金襴の陣に尽力した。

ヘンリー8世に信頼されていたが敵も多かった。

ヘンリー8世がアン・ブーリンとの婚姻を強行した後、権力を握ったトマス・ブーリンとトマス・ハワードから”私腹を肥やしている”と王に露見され、財産を全て没収された。

初め、王は”金”のことでウルジーを疑っていなかったが、アン・ブーリンのことをよく思っていなかったことから、悪意があってキャサリン妃との離婚を妨害していると吹き込まれ宮廷を追放された。

ウルジーは、プライドを捨ててアンに懇願の手紙を書いたが力になってもらえず、最後の手段としてキャサリン妃に手紙で救いを求めた。

この手紙が証拠となり、ウルジーは王への反逆罪として投獄され自ら命を絶った。

*離婚問題で争っているキャサリンに救いを求めたことは、王への反逆になる。

史実

テューダー朝初代のイングランド王ヘンリー7世時代に宮廷付司祭となり、その後ヘンリー8世の信頼を得て枢密顧問となる。

1515年に大法官となり、イングランド国内で独裁的な政策を断行した。

ハンプトン・コートに英国一の宮殿を建てたが、ヘンリー8世の嫉妬により宮殿を王に進呈することになる。

財力と権力があったため、ウルジーにひれ伏す者も多かったが、その一方で貧しい平民たちには無料で相談に乗っていたとの記録もある。

キャサリン妃との婚姻無効が進まないことに業を煮やしたアン・ブーリンから告発され、大法官を罷免された後、全ての官位も剥奪され全財産も没収された。

この時、ウルジー個人の所有ではないヨーク大司教ロンドン公邸(後のホワイトホール宮殿)も没収され、批判の声が上がったと言う。

作中でウルジーは、投獄されて自ら命を絶ったとなっているが、史実では恩赦を与えられて死罪を免れ、さらにヨーク大司教の地位だけ認められていた。

1530年に引退した後、スクルービー城に引きこもっていたが再び反逆罪に問われることになる。

投獄のために移送されている途中、病死した。

キャスト

ウルジー役を演じたサム・ニールは、ニュージーランドを代表する俳優。

妻は【デッド・カーム/戦慄の航海】(日本未公開)の撮影時に知り合った日本人メークアップアーティスト。

1981年公開の【オーメン/最後の闘争】では主人公ダミアン役を、2005年に公開された【エクスカリバー 聖剣伝説】では主人公マーリン役を演じるなど、確かな演技力と悪役問わずの幅広い演技で定評がある。

他にも、ショーン・コネリー主演の【レッド・オクトーバーを追え】(1990年)、リーアム・ニーソン主演の【トレイン・ミッション】(2018)など有名どころの常連でもある。

アン・ブーリン役|ナタリー・ドーマー

キャラクター

アン・ブーリンは、アンは、母エリザベス・ブーリンとトマス・ブーリンの次女でヘンリー8世の2番目の妻。

姉メアリーはヘンリー8世の愛人だったが、母エリザベスもまたかつては愛人だったと噂されている。

メアリーがヘンリーに飽きられた後、キャサリン妃の侍女として仕えていたが、それは王に近づくための手段だった。

王を誘惑するよう父から命じられ、バージンと嘘をついて王の気を引いた。

*作中では、詩人のトーマス・ワイアットとは男女の関係にあった。

強かで計算高く、王から寵愛を受けると共に王妃の座を渇望し、キャサリン妃との結婚無効を強く望む。

自分の身に不都合があると思った者は排除させ、”ささやきと肉体の魔法”で王を操る。

王がキャサリン妃を追放した後は、ヘンリー8世と正式に婚姻したが国内外ともに認めない者も多かった。

ヘンリー8世との間に娘エリザベスが誕生。

この頃から、キャサリンとその娘メアリーに殺されるという被害妄想により、兄に2人の殺害を頼むがただの妄想だと言われる。

婚姻から数年後、ヘンリーの愛が徐々に覚めていることに気づいたアンは、自分の地位を守るため何としても世継ぎを産まなくてはならないと焦る。

その後、再び懐妊したがヘンリーの愛人騒動で待望だった男の子を流産してしまう。

ヘンリーの心が、侍女のジェーン・シーモアに移っていると察したアンは平常心を保てなくなる。

どうにかしてヘンリーの心を取り戻そうとするも、アンを失脚させようとする者から「ヘンリー8世の留守中に姦通した」との告発を受け投獄された。

さらに、ウルジーの死後ヘンリー8世の側近となったトマス・クロムウェルにより、姦通の相手は100人以上にも上ると証言され処刑された。

なお、一時は王妃にまで登りつめたアンだったが、娘エリザベスは庶子しょし(愛人が産み父親が認知した子)という立場に落とされた。

史実

アン・ブーリンのキャラクターは史実とほぼ同様の人柄である。

ただ、作中では美しい女性像となっているが同時代のフランスの資料によると、アンは取り立てて魅力がある女性ではなく、王の愛人という以外の取柄は無かったと記されている。

また、ヘンリー8世はアンの虜になっていたが、史実では王はアンのことを当初愛人程度にしか考えていなかった。

しかし、アンが肉体関係と引き換えに王妃の座を要求したため、ヘンリー8世はキャサリン妃との結婚無効を求めることになった。

国王至上法により、キャサリン妃との結婚無効が成立した後、アンは正式な王妃となる。

また、娘エリザベスにも王位継承権が与えられた。

キャサリン妃が亡くなったと聞かされたとき、ヘンリー8世とアンはイングランドでは喜びを表す黄色の衣装を着て祝宴を挙げたが、個々ではキャサリン妃の死を悲しんでいたとの文献も残されている。

また、アンが男児を流産した日は、奇しくもキャサリン妃の葬儀の日だった。

結婚から2年後、アンは国王暗殺の容疑のほか、姦通罪に問われた。

史実によると、アンが姦通したのは5人でその中のひとりがアンの実兄ジョージだとされている。

作中でも2人が普通の兄妹より近しい人物として描かれている。

アンは、処刑には斧を使わずに剣で行うこと、執行人はイングランドの処刑人ではなく自分が指定した人物に行わせることなど希望した。

作中でも同じように描かれているが、史実にはその後の奇妙な話がある。

処刑執行後、首だけになったアンが”何かを話そうとしていた”という逸話が残されている。

また、作中ではアンは姉にメアリー、兄にジョージがいるとされているが、兄弟姉妹の生年は不詳なため実際のところ明確ではない。

一説によると、ジョージはアンの兄ではなく末子であるとされている。

キャスト

アン・ブーリン役を演じたナタリー・ドーマーは、2005年公開の映画【カサノバ】でデビュー。

ポーカー好きが高じ、2008年にはイギリスで開かれた大会で2位の成績を収めた。

【キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー】(2011)では、SSRの女性2等兵ロレイン役で出演し、その後は【ハンガー・ゲーム FINAL: レジスタンス】(2014)、【ハンガー・ゲーム FINAL: レボリューション】(2015)のクレシダ役で出演している。

最も記憶に深いのは【ゲーム・オブ・スローンズ】(2012-2016)でのマージェリー・タイレル役だろう。

トマス・モア役|ジェレミー・ノーサム

キャラクター

トマス・モアは、カトリックへの信仰が厚く、全ては神と良心に従うと言う揺るぎない精神の持ち主。

ヘンリー8世への忠誠心も深く、ナイトの爵位を与えられた後、大法官に任命された。

キャサリン妃との婚姻無効は、正当化する根拠はないとしてイングランドの聖職者ジョン・フィッシャーと共に声を上げた。

さらに、ローマ教会より王権を優位とする国教会に対して反対し、ヘンリー8世がイングランド国教会の首長となった直後、大法官を辞任した。

また、カトリック側の立場から反対したため投獄後 査問委員会に掛けられる。

その際、法律家リチャード・リッチに自分の思いを話してしまい、それが証拠となって反逆罪に問われた。

ヘンリー8世はモアを失いたくないという思いがあったため、最後まで法案に署名するよう求めたが、モアは決して自分の意見を曲げることは無かった。

モアの斬首が行われと同時に、ヘンリー8世は悲しみと悔しさの雄たけびをあげる。

史実

1515年からヘンリー8世に仕え、信頼を得て1521年にナイトの爵位、1529年には大法官の地位を与えられた。

1532年には、ヘンリー8世がイングランド国教会の首長と承認されるや否や、大法官を辞職した。

1534年に反逆罪でロンドン塔に幽閉された後、斬首刑となる。

なお「トマス・モアとイギリスの人文主義女子教育」によると、この処刑は法の名のもとに行われたイギリス史上最も暗黒な犯罪と呼ばれている。

また、1935年モアとフィッシャーはカトリック教会の殉教者として、死後400年で列聖された。

キャスト

ジェレミー・ノーサムは、1988年にテレビ映画【ジャーニーズ・エンド】で俳優デビューしたイギリス出身の俳優。

ギレルモ・デル・トロ監督によるホラー映画【ミミック】(1997)や、第二次世界大戦中にドイツ軍が用いた暗号をテーマにした【エニグマ】(2001)に出演した。

また、2016-2017年にはイギリスの女王エリザベス2世の治世を描いた【ザ・クラウン】に出演し、1955年-1957年のイギリス首相アンソニー・イーデン役を務めている。

キャサリン・オブ・アラゴン役|マリア・ドイル・ケネディ

キャラクター

ヘンリー8世の亡兄アーサーの妻としてスペインから嫁いだが、病弱だったアーサーの死亡によりヘンリー8世と結婚して一女(メアリー)を儲けた。

ヘンリー8世がアン・ブーリンと出会った後、結婚無効を訴えられたがキャサリンは最後まで頑なに拒み続けた。

ヘンリーに対する愛ゆえのものだった。

結婚無効は、キャサリン妃がアーサー王子と契を交わしたかが争点となったが、キャサリン妃は契は無かったと神に宣誓する。

ヘンリー8世が国教会の首長となった後に”離婚”が決定し、キャサリン妃は数人の侍女と共にキンボルトン城へ移された。

アンとヘンリー8世が正式に結婚してから数年後、ヘンリー8世からの仕送りは無くなり王妃のシンボルであるネックレスも取り上げられてしまった。

娘メアリーとも会せてもらえないまま病死。

死の直前、キャサリン妃はヘンリー8世に「イングランド王妃キャサリンより」と署名した手紙を残している。

史実

14歳の時にスペインからイングランドのアーサー王子に嫁いだ。

1501年に華燭の典(婚礼)が行われ、アーサーとキャサリンは寝室に向かったが、この時2人に契を交わしたかどうかは重要視されていなかった。

その後、2人はアーサー王子の療養を兼ねてラドロー城に赴いたが、アーサー王子は当時の流行病に掛かり死亡してしまう。

アーサー王子死亡後は、国安泰とスペインとの関係は弟のヘンリー王子に託されることとなり、キャサリンとヘンリー王子との結婚の話が持ち上がる。

ここで重要となるのが、キャサリンがアーサーと契を結んだかどうかだった。

旧約聖書「レビ記」では、兄弟の妻と肉体関係を持つことを禁じていたからだ。

*レビ記とはモーセ五書のうちの一書

2人に新床の祝福を与えた神父は契があったと証言したが、女官長は契はなかったと証言した。

そして1509年、ヘンリー7世の崩御と共にヘンリーは王位を継承してヘンリー8世となる。

18歳となったヘンリー8世はキャサリンと結婚した。

ところが、キャサリンは数回もの流産や死産に見舞われた後、1511年に男児ヘンリー王子を出産するも生後52日で亡くなってしまう。

この頃から、ヘンリー8世は愛人を持つようになった。

それから5年後の1516年、キャサリン妃は娘メアリーを出産したが、追いやられていたキンボルトン城で1536年崩御した。

作中でのことは、ほとんど史実と同じと思われる。

キャスト

マリア・ドイル・ケネディはアイルランド出身のシンガーソングライターであり女優。

1991年にコメディ映画【ザ・コミットメンツ】への出演をきっかけに、様々な映画やテレビシリーズに出演。

2011年には【ダウントン・アビー】のベラベイツ役を演じ、【アウトランダー】のジョカスタ役でも知られている。

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【THE TUDORS~背徳の王冠】登場人物2

トマス・ブーリン役|ニック・ダニング

キャラクター

アン・ブーリンの父でありイングランドの貴族。

元々、身分が低く娘を王妃にして出世を目論んだ。

初めはアンの姉メアリーを送り込み愛人にさせたが飽きられたため、次にアンを王妃にするべく名綱を握る。

アンが王妃になった後も、害が及ばぬようどうすべきかを命じていた。

その後、ヘンリー8世によって爵位を与えられ王璽尚書(現在で言う内閣閣僚)に任命されたが、アンが姦通罪によりロンドン塔に囚われると共に、自身も投獄された。

アンとジョージは処刑されたが、トマス・ブーリンは証拠がないとして処刑を免れ王璽尚書の地位を奪われて釈放された。

史実

1501年に語学力をかわれ外交官となり、1503年にはヘンリー8世の戴冠式でバス勲章を受けた。

*戴冠式とは王が聖職者から王冠を受ける即位の義。バス勲章とは騎士団勲章のひとつ。

1番目の王妃キャサリンとの婚姻無効を実現するようヘンリー8世に命ぜられて、神聖ローマ皇帝カール5世と、ローマ教皇クレメンス7世の元に遣わされる。

1530年に王璽尚書に任命され、1533年にアンが王妃となった後は宮廷内でも権力を握り始めた。

しかし、アンとジョージが処刑された後、1539年に死亡した。

キャスト

ニック・ダニングはイギリスを代表する俳優。

【マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙】(2014)は代表作のひとつで、2004年公開の【アレキサンダー】では、本作でヘンリー8世役を演じたジョナサン・リース・マイヤーズと共演している。

チャールズ・ブランドン役|ヘンリー・カヴィル

キャラクター

チャールズはヘンリー8世の親友であり寵臣。

初代サフォーク公爵。

異例の速さで出世し、サフォーク公の影響は当時大法官だったウルジー枢機卿を凌ぐほどだった。

王の姉マーガレット(ガブリエル・アンウォー)との結婚を事後報告してヘンリー王の怒りを買い、一時宮廷を追放された。

その後、メアリーが大病を患い死去した後は和解し、再び宮廷に戻ることが出来た。

数年後、当時17歳だった女性キャサリンと結婚しヘンリーと名付けた男児を授かるも、ブランドンの行動により夫婦仲に亀裂が入り別居状態になる。

イングランドがフランスに侵攻し権力を維持したままフランス侵攻の指揮を執り、捕虜として捕えたブリジット(セルマ・ブルック)と恋に落ち、イングランドに連れて帰って正式な側室にする。

自分の意志を曲げてでもヘンリー8世に忠実である臣下で、最期まで忠誠を貫いた。

史実

ヘンリー8世の親友であり、信頼のおける寵臣。

盾持ちからわずか5年でイングランドで最高位の公爵まで登りつめた人物。

作中で、結婚したのはヘンリー8世の姉マーガレット・チューダーとなっているが、史実では妹のメアリーと結婚している。

キャスト

ヘンリー・カヴィルは、イギリスを代表する俳優のひとりで【インモータルズ -神々の戦い-】(2011)ではテセウス役、【コードネーム U.N.C.L.E.】(2015)では主人公ナポレオン・ソロを演じている。

また、【マン・オブ・スティール】(2013)、【 バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生】(2016)、【ジャスティス・リーグ】(2017)のクラーク・ケント/スーパーマン役は記憶に新しい。

また、2018年にはトム・クルーズの代表作【ミッション・イン・ポッシブル】シリーズ第6作目となる【ミッション:インポッシブル/フォールアウト】でオーガスト・ウォーカー役として出演している。

ウィリアム・コンプトン役|クリス・ホールデン=リード

キャラクター

ウィリアム、チャールズ・ブランドンとアンソニー・ナイバートの3人ともヘンリー8世の親友であり臣下。

ブランドンが先に爵位を貰った時は、アンソニーと共に嫉妬したが後にウィリアムも爵位を与えられた。

妻がいるが、ウルジーが呼び寄せた若き作曲家トマス・タリスと恋仲になる。

宗教上、同性愛は禁じられているため密かに愛を育んでいた最中、トマス・タリスがフランスに行っている間に粟粒熱で死亡する。

粟粒熱は1485年~1551年の間イングランドやヨーロッパ各地を襲った病。突如として発症し、数時間の後に死に至ることもある恐ろしい病気で現在も未解明の病とされている。数年に渡り4度大発生した。作中で蔓延した時期が最後の流行で、かつてヘンリー7世統治下の1485年が最初の流行である。中には人口の半数以上の人々が死亡した町もある。

史実

【THE TUDORS】上の架空の人物。

キャスト

クリス・ホールデン=リードは、1995年のテレビドラマ【Young Invanhoe】で俳優デビューし、その後は数多くの作品に出演。

2010年~2015年放送の【ロストガール】では、全シーズンでメインキャストを務め、2017年には【ARROW】、2020年には【アンブレラ・アカデミー】シーズン2に出演している。

アンソニー・ナイバート役|カラム・ブルー

キャラクター

チャールズ、ウィリアム同様、ヘンリー王の親友であり臣下。

これといった見せ場は無い。

史実

ウィリアム同様、【THE TUDORS】上の架空の人物。

キャスト

カラム・ブルーは1999年にイギリスのテレビドラマ【The Bill】で俳優デビューし、2000年には【The Doctoers】に出演。

2005年には大人気ドラマ【Grey’s Anatomy】に出演を果たす。

以降、【ロイヤル・ペインズ】や【ブラインド・スポット】など有名ドラマに多数出演している。

ノーフォーク公トマス・ハワード役|ヘンリー・ツェニー

キャラクター

トマス・ハワードは、第3代ノーフォーク公爵で、アン・ブーリンとキャサリン・ハワードの叔父にあたる。

ウルジー枢機卿とは敵対しており、アン・ブーリンの父トマス・ブーリンに指示を与え、アンとキャサリン・ハワードを王妃にすべく注力した。

また。大法官だったウルジー枢機卿を失脚させるために工作したり、 ヘンリー8世とアン・オブ・クレーヴズの結婚の責任をクロムウェルに背負わせて処刑台に送った。

しかし、キャサリン・ハワードが姦通罪で処刑されると同時に、王からの信頼も失っていく。

史実

ほぼ作中と同様。

王がジェーン・シーモアと結婚すると、ジェーンの父で初代ハートフォード伯爵エドワード・シーモア(初代サマセット公爵)に、これまでの権力を奪われていく。

1546年には、国王に対する背信行為として大逆罪の疑いを掛けられ、ヘンリー・ハワード/サリー伯と共にロンドン塔に投獄された。

サリー伯が先に処刑されたが、トマス・ハワードの処刑直前にヘンリー8世が崩御したため処刑を免れた。

その後、メアリーが女王に即位すると同時に釈放され、爵位の復権が認められた。

キャスト

ヘンリー・ツェニーはカナダを代表する俳優。

出演作は、ハリソン・フォード主演の映画【今そこにある危機】(1994)やトム・クルーズ主演の【ミッション:インポッシブル 】(1996)、テレビドラマ【リベンジ】(2011-)、【スーパーガール】(2015)など名の知れた作品が多い。

また、2021年公開予定のスパイアクション映画【ミッション:インポッシブル7】では、1作目同様ユージーン・キトリッジ役として出演する。

トマス・クロムウェル役|ジェームズ・フレイン

トマス・クロムウェルは、イングランドに帰国すると同時にウルジー枢機卿に仕えていた。

ウルジーの横暴な振る舞いが問われた際は、彼を庇い王からの信頼を得てナイト(騎士)に任命された。

ヘンリー8世をアン・ブーリンと結婚させるため1番目のキャサリン妃との婚姻無効に注力し、ウルジー枢機卿の失脚後は、王の腹心となり権力を増していく。

イングランドの宗教改革を積極的に行い、ローマ・カトリック教から離脱し、ヘンリー8世に国教会の長になるよう薦める。

その後は、修道院の解体を進め、反対派から恨まれる事態となった。

クロムウェルのやり方に反対した国民たちは暴動を起こし、クロムウェルの引き渡しを要求したが、王に守られた。

ヘンリー8世が再婚したジェーンが産褥熱で死去した後は、アン・オブ・クレーブスとの婚姻を勧めたが、宮廷画家ホルバインが描いた肖像画が実物とあまりに違うことを上げられ、責任を追及され処刑された。

なお、シーズン4ではヘンリー8世がクロムウェルを処刑したことを後悔していたセリフもある。

史実

ほぼ史実通り。

突然トマス・ハワードに反逆罪で告発され、そのままロンドン塔に収監された。

ヘンリー8世がキャサリン・ハワードとの結婚を祝う裏で、クロムウェルの処刑が行われた。

また、作中ではクロムウェルの処刑前日、サリー伯が処刑人に大量の酒を飲ませ翌日の処刑を失敗するよう仕向けたが、史実ではヘンリー8世が未経験の処刑人に行わせてクロムウェルに苦痛を味わわせたとある。

作中でもクロムウェルの処刑は失敗し、彼は苦しんで死んでいった。

キャスト

ジェームズ・フレインは、イングランド出身の俳優。

映画【ローン・レンジャー】(2013)に出演し、【ナッシング・パーソナル】(1997)ではヴェネチア国際映画祭男優賞にノミネートされた実力派俳優。

またテレビドラマ【GRIMM/グリム】(2012)や【GOTHAM/ゴッサム】(2015)、【スタートレック:ディスカバリー】(2017)など人気作品への出演が多い。

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【THE TUDORS~背徳の王冠】登場人物3

メアリー・チューダー役|サラ・ボルジャー

キャラクター

ヘンリー8世と王の1番目の王妃キャサリン妃との間に生まれた王女。

母キャサリン同様に、カトリックへの信仰が厚く、幼い頃は帝国で育った。

キャサリンと会えば反逆を目論むかもしれないという理由で、母と会うことは許されないどころか、王女の身分を剥奪され庶子とされた。

アンがエリザベスを産んだ際、メアリーはエリザベスより身分が下がったが、決して妹としては認めるが王女として認めないと言い張る。

このため、ヘンリー8世はメアリーをエリザベスの侍女に貶めた。

しかし、アンが姦通罪でロンドン塔に投獄されると、エリザベスもまたメアリーと同じく庶子の身分に落とされる。

ジェーン妃がヘンリー8世へ懇願し宮廷に戻ることが出来、その後は、王の6番目の王妃キャサリン・パーのおかげで庶子の身分から王女に戻ることが許された。

アン・ブーリンやキャサリン・ハワードを嫌っており、特にキャサリン・ハワードに対して「王妃にふさわしくない遊び好きな愚かな娘」と軽蔑していたため、一切敬うことをしなかった。

歳を取ったヘンリー8世が自分の死を悟った時、メアリーとエリザベスはエドワード王子に次ぐ王位継承権を与えられている。

史実

エドワード王子が王位に就いた後(エドワード6世)、メアリーにカトリック信仰を放棄するよう促していたが、メアリーはカトリックへの信仰が深かったキャサリンの影響もあり、信仰の放棄を拒絶し続けた。

エドワード6世が15歳で崩御すると、枢密院はヘンリー8世の妹の孫であるジェーン・グレイを女王にと仰いだ。

身の危険を感じたメアリーはロンドンに脱出し、ジェーン・グレイの王位継承が宣言されたが、同時にメアリーもイングランド東部にあるノリッジで即位を宣言する。

*ヘンリー8世は王位継承をエドワード、メアリー、エリザベスの順にしていた。エドワードはジェーン・グレイがプロテスタントという理由で後継者に指名した。

すると、メアリーを支持する民衆が蜂起しロンドンに進軍した。

これにより枢密院は手のひらを返しメアリーの王位継承権を認め、ジェーン・グレイ及びジェーンの王位継承権を画策したノーサンバランド公らは身柄を拘束された。

イングランドの女王となったメアリー1世は、イングランドをローマ教皇側となるカトリック信仰に復帰させ、プロテスタントの女子供を含む300人を処刑し、ブラッディ・メアリー(血塗られたメアリー)と呼ばれるようになる。

キャスト

サラ・ボルジャーは、アイルランド・ダブリン出身の女優。

1999年にスクリーンデビューし、スタジオジブリの名作【コクリコ坂から】(2013)の英語版で松崎海の声を務めた。

また2012年~アメリカのテレビドラマ【ワンス・アポン・ア・タイム】ではオーロラ姫役を演じている。

2010年【Irish Film & Television Awards】でIrish Film & Television Awards助演女優賞を受賞。

2003年公開の映画【イン・アメリカ/三つの小さな願いごと】ではクリスティ・サリヴァン役を演じ、インディペンデント・スピリット賞助演女優賞、サテライト賞最優秀助演女優賞、ワシントンD.C.映画批評家協会賞助演女優賞を初めとする、複数の賞を受賞した実力派女優。

トマス・クランマー役|ハンス・マシソン

キャラクター

イングランドのカンタベリー大司教。

ケンブリッジ大学の教授だった時、ヘンリー8世1番目の王妃キャサリン妃との婚姻無効が正当なものであると助言して宮廷入りした。

ちょうどその頃、イングランドの大司教が死去しクロムウェルから推薦され、その後任として無名であるにもかかわらず大司教に任命される。

史実

ほぼ史実と同じ。

メアリーの即位後は、イングランドをカトリックの国すると表明され、プロテスタントの聖職者が処刑された。

トマス・クランマーもそのひとりで、彼は最期までカトリックへの復帰を拒否し続けオックスフォードで火あぶりの刑に処された。

キャスト

ハンス・マシソンは、1996年に俳優デビューしたスコットランド出身の俳優。

2002年にはリーアム・ニーソン主演の映画【レ・ミゼラブル】、ロバート・ダウニー.Jr主演の【シャーロック・ホームズ】(2010)や【タイタンの戦い】(2010)、【300 〈スリーハンドレッド〉 〜帝国の進撃〜】(2014)に出演。

なお、2002年放送のイギリスのテレビドラマ【ドクトル・ジバゴ】では主演を務めた。

エドワード・シーモア役|マックス・ブラウン

キャラクター

エドワード・シーモアは、ヘンリー8世の3番目の妻ジェーン・シーモアの兄で、初代サマセット公爵。

妹のジェーンが王妃となったため栄進して子爵となり、その後ハートフォード伯爵となる。

エドワード王子の叔父にあたることから、ジェーン妃亡き後はヘンリー8世からエドワード王子の教育や世話を命ぜられる。

カンタベリー大司教とは、内密にイングランドの宗教改革を進めていた。

ブランドンとは遠くあらず、近くもない「隙あらば」の政敵でもある。

史実

ヘンリー8世の崩御後、エドワード王子の身柄を抑えて摂取となり事実上権力を握った。

1547年にはサマセット公として称えられる。

しかし、1549年に弟のトマス・シーモアが「シーモア事件」により反逆罪での処刑が決まると、ウォリック伯に付け込まれ、国民の支持も得られず逮捕されてロンドン塔に投獄された。

1550年に釈放されるも1551年に再び逮捕され、ねつ造された裁判で有罪となり、1552年に反逆罪(背信行為)で処刑された。

キャスト

マックス・ブラウンはイギリス・ヨークシャー出身の俳優。

イギリスBBCのテレビドラマ【グランジヒル】(1978)で俳優デビューし、その後は【Doctoers】(2000)や【ミストレス】(2008)にも出演した。

2016年にはドラマ【エージェント・カーター】のマイケル・カーター役、2019年には劇場版【ダウントン・アビー】でリチャード・エリス役を演じている。

他にもメインキャストでの出演作も多数。

ジェーン・シーモア役|アニタ・ブリエム(シーズン2)アナベル・ウォーリス(シーズン3~)

キャラクター

父ジョンは、ヘンリー8世の腹心の部下のひとりで、エドワードとトマスの妹でヘンリー8世の3番目の妻。

アン・ブーリンの侍女として仕えていたが、ヘンリー8世に見初められアンの死後は妻となる。

当時は、疫病が大流行していた時期だったため、ジェーンの戴冠式は行われない。

結婚翌年にはヘンリー8世待望の男児を出産(のちのエドワード6世)したが、数日後に産褥熱で死亡。

王は、ジェーンの死を心から悲しみ、部屋に閉じこもって職務も放棄していた時期がある。

また、アン・ブーリンに追放されていたメアリーを宮廷に戻すよう王に懇願したのもジェーン妃だった。

史実

史実と同じ。

ジェーン妃の死後、エドワード6世の誕生日(10月12日)になるとハンプトン・コート宮殿に彼女の幽霊が出ると言われている。

ハンプトン・コート宮殿は、英国一素晴らしい宮殿と言われる建物で、ウルジー枢機卿が手入れ・再建した。ヘンリー8世の嫉妬によりウルジー枢機卿が王に進呈したことでも知られている。

キャスト

シーズン2でのジェーン役はアニタ・ブリエムが演じ、シーズン3からはアナベル・ウォーリスがジェーン役を演じている。

アナベル・ウォーリスは、オックスフォード出身の女優で2007年にデビュー。

映画【X-MEN: ファースト・ジェネレーション】(2011)、【キング・アーサー】(2017)、【ザ・マミー/呪われた砂漠の王女】(2017)、テレビドラマ【ピーキー・ブラインダーズ】(2013-2017)、【スタートレック】シリーズに出演している。

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【THE TUDORS~背徳の王冠】登場人物4

アン・オブ・クレーブス役|ジョス・ストーン

キャラクター

イングランドの宗教改革のため、クロムウェルの意向でヘンリー8世の4番目の妻となる。

*アンはルター派のプロテスタントだった。

ヘンリー8世は乗り気ではなかったが、宮廷画家のホルバインに描かせた肖像画でアンを迎え入れた。

しかし、実際は肖像画ほど美人でないことが分かると、アンとの結婚を勧めた臣下たちに「あれはフランドルのメス馬だ」と罵り、ヘンリー8世はアン妃を拒絶した。

その後、フランソワ1世との婚約を正式に破棄していないのを理由に、ヘンリー8世との結婚を取り消され、陛下の妹を名乗ることを強要される。

4000ポンドの年金とヒーヴァー城など2か所の館、結婚の自由も与えられて宮廷を追われた。

*ヒーヴァー城はアン・ブーリンの邸宅のひとつ

それでもアンはヘンリー8世を恨むことなく、「時々、お会いできればこの上ない幸せです」と伝え去った。

しかし、ヘンリー8世がキャサリン・ハワードと結婚した後から、アンがエリザベスやメアリーを娘のように可愛がっている、世話をしている等の話を聞きアンの元を訪れるようになる。

何度か話を交わし食事を共にするようになると、アンに安らぎを感じるようになり婚姻関係がある時に出来なかった契を交わした。

史実

半年で離縁されたアン元妃は、王の妹という称号を与えられロンドン市内にあるベイナース城で余生を過ごした。

優しくて親切、思いやりがある女性だったため人から好かれていた。

自国ドイツとの風習の違いに戸惑いながらも、イングランドに馴染むよう適応していった。

ヘンリー8世が妻にした6人のうち一番最後まで存命で、メアリー1世が即位する前に亡くなっている。

キャスト

ジョス・ストーンはイギリスのシンガーソングライターであり女優。

本名はジョセリン・イヴ・ストーカーで2003年に歌手デビューし、2006年に映画【エラゴン】で女優に挑戦した。

【アメリカン・ドリームズ】(2005)にも出演した後、本作【THE TUDORS〜背徳の王冠〜】(2007)でアン・オブ・クレーブス役に抜擢された。

キャサリン・ハワード役|タムジン・マーチャント

キャラクター

名門ハワード家の出ではあるが、父エドムンドに捨てられた後、ノーフォーク公爵未亡人に引き取られ同じような境遇の子供たちと共同生活をしていた。

宮廷ではヘンリー8世がアンとの結婚に不満を漏らしていた時期もあり、チャールズ・ブランドンとエドワード・シーモアらが「ちょうどいい少女」キャサリン・ハワードを見つけ宮廷に呼び寄せた。

若くて可愛らしい、どこか魅力的なキャサリンはすぐに王の目に留まり、ヘンリー8世はアンとの結婚解消を待たずにキャサリンとの密会を始める。

「私の可愛いバラ」と褒めたたえられ、17歳のキャサリンはヘンリー王に可愛がられた。

アン妃との婚姻解消が決定されると、キャサリンはすぐに王妃に迎え入れられたが、遊び好きでダンスが好き、自由奔放な王妃に周囲は冷たい目を向ける者もいた。

ヘンリー8世が病に伏したり遠征に出るようになると、キャサリンは女官長の誘いに乗り、王の侍従トマス・カルペパーと不義密通を繰り返す。

さらに、かつて結婚の約束をしていたいうフランシス・デレハムに純潔を捧げていたとの告発状が王に届き、姦通罪により処刑された。

史実

史実と同じ。

キャサリンはデレハムと婚約した上で純潔を捧げたと言えば結婚無効で無罪となったはずだったが、婚約を交わしていない、無理やり純潔を奪われたと主張した。

自分は無罪だとヘンリー8世に直訴しようとしたが、臣下に阻まれて王の元に辿り着くことは出来なかった。

また、デレハムにカルペパーとの関係を証言され、さらにカルペパー宛ての愛を伝える手紙が見つかった。

キャサリンは姦通を否定したが、真実は曖昧なまま処刑された。

そして処刑直前、キャサリンは「トマス・カルペパーの妻として死にたい」と言い残している。

キャスト

タムジン・マーチャントはイギリス出身の女優。

【プリンセス・カイウラニ】【ジェーン・エア】(2012)や【ドラゴンハート最後の闘い】(2015)【ドラゴンハート新章戦士の誕生】(2016)への出演歴がある。

キャサリン・パー役|ジョエリー・リチャードソン

キャラクター

キャサリン・パーは2度の結婚を経てヘンリー8世の最後の妻となる。

キャサリンはトマス・シーモアと交際していたことや、ヘンリー8世が2人の妻を断頭台に送り、2人の妻を婚姻無効にしたことから王との結婚に躊躇したが、結局結婚に踏み切った。

王妃となった後は、庶子となっていたエリザベスの部屋を宮廷に作るよう、メアリーとエリザベスに王位継承権を戻すよう懇願した。

メアリーは、キャサリンがプロテスタントだったため馴染もうとはしなかった。

王が脚の腫瘍で苦しんでいた時は、寝室に付き添って熱心に看病した。

また、フランス遠征の際、王の留守中は摂取を任されエドワードやエリザベスの教育も熱心に行った。

プロテスタントだとして、ガーディナー司教から逮捕状を出された際は、証拠となる本を全て処分した上でヘンリー8世に懇願して疑惑を晴らし逮捕を免れている。

史実

作中とほぼ同じ。

王が55歳で崩御する直前、ヘンリー8世はキャサリンは王太后ではなく引き続き王妃としての格式を持つこと、生涯に渡り7000ポンドの年金を国庫から出すよう定めていた。

そして、エドワード6世の戴冠式を見届けた後、キャサリン妃は宮廷を去りトマス・シーモアと結婚して初めての妊娠をした。

しかしその後、トマス・シーモアがエリザベスの寝室に出入りしているという噂を聞く。

キャサリンは女児を出産しメアリーと名付けたが、産褥熱により死亡した。

彼女のトマスとの結婚生活は辛いものだったと記されている。

キャスト

ジョエリー・リチャードソンは、長身と気品ある雰囲気が魅力のロンドン出身の女優。

【ホテル・ニューハンプシャー】(1984)で女優デビューし、【チャタレイ夫人の恋人】(1993)では主人公チャタレイ夫人役に抜擢されている。

また、メル・ギブソン主演の【パトリオット】(2000)では、主人公の義妹シャーロット役、2001年には【マリー・アントワネットの首飾り】ではマリー・アントワネット役を演じるなど気品ある役柄を多く演じている。

トマス・カルペパー役|トランス・クームズ

キャラクター

ヘンリー8世の侍従だったが、キャサリン・ハワードに一目惚れをしていた。

キャサリン・ハワードが王妃となった後、女官長と深い関係になり、その際キャサリン妃との密会を手引きしてもらい王妃との不義密通を続けた。

表面上は優しそうに見えるが、庭師の妻を犯して訴えて来た夫を平気で殺すような残酷な一面がある。*史実では庭師の夫は殺されておらず訴えてきたが王はカルペパーを赦免している。

デレハムにキャサリン妃との関係を告白されて斬首刑になるが、元々は死を覚悟して不義密通をしていた。

史実

ウルジー枢機卿が失脚した後に権力を強めた、ハワード家の遠縁に当たる人物。

ヘンリー8世のお気に入りの侍従で、領地や屋敷も与えられていた。

王と結婚前にキャサリンと関係があったデレハムが首吊り・内臓抉り・四つ裂きの刑に処されたのに対し、王との結婚後に姦通したカルペパーが斬首刑のみとなった。

デレハムとカルペパーが処刑された後日、手引きした女官長ジェーン・ブーリンとキャサリン・ハワードも斬首刑となった。

キャスト

トランス・クームズはカナダ系アメリカ人俳優。

2005年に短編映画で俳優デビューし、2007年には【スーパーナチュラル】のエピソード”Hollywood Babylon”に出演。

2018年には【レガシーズ】のスピンオフ作品【ザ・オリジナル】にも出演している。

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【THE TUDORS~背徳の王冠】史実との違い

テューダー朝第2代イングランドの王ヘンリー8世は、史上最凶の王と呼ばれた人物。

ウルジーは自殺ではなく病死、ポルトガルの老王と結婚したのはヘンリーの姉ではなく妹のメアリー。メアリーはフランスのルイ12世(老王)と結婚し、ヘンリーの姉マーガレットはスコットランド王ジェームズ4世に嫁いだ。

作中ではヘンリーの姉がポルトガルの老王に嫁ぎ、その後チャールズ・ブランドンと再婚したとなっているが、ヘンリーとキャサリン王妃との間に産まれた王女もメアリーと同名ということもあり、混乱を回避するために姉マーガレットのみを登場させたと思われる。

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【THE TUDORS~背徳の王冠】感想

ここまで史実に沿ったドラマは珍しいと言えるほど、セリフや細部にまでこだわって製作されたことがよくわかる作品だった。

また、主人公ヘンリ―8世を演じたジョナサン・リース=マイヤーズの演技力は、目上の俳優陣にも動じないほどの迫力があり、最凶の王と言われているヘンリー8世を彷彿とさせた。

当時、イングランドで何が起こったのか、ヘンリー8世はなぜ6人もの妻を娶ったのか。

宮廷で蠢く権力、そして背信の数々。

好色、利己的、無慈悲と言われたヘンリー8世だったが、彼と1番目の王妃キャサリン妃との間に産まれたメアリー1世もまたブラッディ・メアリーと呼ばれたほど無慈悲であったのも理解できる。

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