【ザ・ヤード 女囚たちの闘い】シーズン1のネタバレ感想。
本作は、トルコの刑務所生活を描いたNetflixオリジナルドラマです。
窮地に陥る主人公の行く末と、刑務所内の激しい派閥争いが見どころ。
この記事では、あらすじの他、考察や評価についてもお届けします。
【ザ・ヤード 女囚たちの闘い】あらすじ
【ザ・ヤード 女囚たちの闘い】はNetflixオリジナルドラマです。なお、Netflixのご利用が初めての方は1か月間無料でご利用頂けます。
主人公のデニスは、長年にわたり夫の暴力に耐えていましたが、ある日怒りが爆発してしまいます。
夫と激しく揉み合っているところに娘が現れ、混乱の末、娘が夫に発砲してしまいました。
夫は意識不明となり、デニスは殺人未遂の罪で刑務所に入ることに……。
娘を守りたいデニスは真実を明かさず、事件について沈黙を貫きます。
デニスが入所した刑務所では、アズラ派とクドゥレット派の派閥に分かれているようで。
入所して早々、アズラの仲間たちが、デニスを仲間にしようと勧誘し始めました。
親切な女囚の話では、アズラは仲間を守ってくれるがクドゥレットは仲間を切り捨てると教えてくれます。
どちらの派閥にも属さないと決めるデニスでしたが、「娘と連絡を取らせてあげる」というアズラの取り引きに心が動いてしまい……!?
【ザ・ヤード 女囚たちの闘い】ネタバレと見どころ
トルコ産の刑務所ドラマも面白い!
海外ドラマファンの間で、一定の人気を誇る刑務所モノのドラマ。
これまで色々な国で刑務所ドラマが作成されてきました。
オーストラリア:【ウェントワース女子刑務所】
スペイン:【ロックアップ/スペイン女子刑務所】
アメリカ:【オレンジ・イズ・ニュー・ブラック】
韓国:【伝説の魔女】
トルコ産の【ザ・ヤード 女囚たちの闘い】は、過激さもありつつ少しウルッとくるような人情味もある、バランスの良いドラマという印象を受けました。
過激さ、女の生き様、主人公の行く末、殺人事件の推理、人間の苦悩などが目いっぱい詰め込まれているので、色々な要素を楽しめるはず。
何より、派閥のボスがそれぞれ強烈でキャラ立ちしているので、派閥争いに見入ってしまうこと間違いなしです!
派閥争いの強烈さに目を見張る
デニスが入った刑務所には2つの派閥が存在します。
アズラ派とクドゥレット派です。
アズラは気分屋で感情的ですが、仲間を守ってくれる情の厚さがあります。
一方のクドゥレットは、お金も人脈もあり陰謀に長けていますが、ひたすらに冷酷。
自分に逆らった人間には容赦なく、とことん地獄に突き落とすクドゥレット。
デニスが入所した当初、クドゥレットは独房に入っていたため、デニスの周りには自然とアズラの仲間たちが集まってきます。
娘のことを第一に考えるデニスは、刑務所内では誰の味方にもならずに過ごそうと決めていましたが、そうも言っていられなくなりました。
すぐにでも娘と連絡を取りたいデニスは、アズラに「いつでも娘と電話をさせてあげる」と言われ、アズラの悪事に手を貸すことに。
問題はその後です。
独房から出てきたクドゥレットは、新入りのデニスがアズラの仲間になったことが気に入らず、自分の仲間に引き入れようとしました。
しかしクドゥレットの誘いを断った上に、逆らってしまったデニスはその日からクドゥレットの標的になってしまいます。
と言っても、正面きって何かをされるわけではありません。
陰謀に長けているクドゥレットは、所長殺害の罪をデニスに着せるのです。
罪を着せられたデニスの行く末も気になりますが、アズラvsクドゥレットの派閥争いも目が離せません。
アズラがアイロンで手を焼かれるシーンは、思わず目を背けたくなりました。
感情タイプのアズラvs陰謀タイプのクドゥレットの争いは見ごたえ十分です。
考察/ニハル殺害事件の真相は?
ニハル所長を殺したのは誰?
クドゥレット派とアズラ派が乱闘さわぎを起こしている中、デニスは1人部屋にいました。
すると、ドゥドゥが娘のオイキュを連れてきて「外で乱闘しているから、娘を見ていて」とデニスに頼みます。
その後、目を離した隙にオイキュは部屋を飛び出してしまい、デニスがオイキュを追いかけていると、何かに滑って転んでしまいました。
デニスが滑ったのは、血のせいでした。
そして目の前にはニハル所長の死体が横たわっており、状況証拠的に、デニスは殺害容疑をかけられてしまいます。
もちろんデニスは犯人ではありません。
では、ニハル所長を殺した本当の犯人は誰なのでしょうか?
一見すると、デニスを嵌めるためのクドゥレットの仕業に思えます。
実際クドゥレットは、ニハル所長のブレスレットをデニスのベットに置き、殺人の罪をデニスに着せましたし。
しかし、ニハルを殺したのもクドゥレットなのかと言うと、そうとも言い切れません。
なぜなら、クドゥレットの計画は「乱闘さわぎの後、アズラを孤立させて痛めつける」というものでした。
ニハル所長の死亡事件は、クドゥレットが立てていた計画とはかけ離れているのです。
それに、事件の直前、クドゥレットは手下に「デニスを刺せ」と指示しただけで、殺害現場におびき出せとは指示していません。
そう考えると、もしかしたらクドゥレットは犯人ではないのかもしれません。
消された監視カメラの映像を見る限りでは、オクタイ看守が怪しいですね。
クドゥレットの協力者(裏切り者)を予想
ニハル所長を殺害した犯人は今のところ明らかになっていません。
ですが、仮にクドゥレットが仕組んだことだとすれば、デニスを殺害現場におびき寄せるための協力者が必要なはず。
デニスは、ドゥドゥの娘オイキュを追いかけて殺害現場にたどり着きました。
ということは、ドゥドゥがクドゥレットの協力者なのではないでしょうか?
ドゥドゥがあらかじめ娘のオイキュに「途中でデニスから逃げて、走ってママのところまで来るように」と指示していたのかも。
【ザ・ヤード 女囚たちの闘い】感想
アズラが魅力的!
2人のボスに目をつけられたデニスがどうなってしまうのか、目が離せなくて面白かったです。
アズラ派とクドゥレット派の派閥がある中、デニスがどちら側につくのか、あるいは中立の立場でいるのか。
それが最後のほうまで分からないので、ストーリーを予測しながら楽しめました。
また、ボス的存在のアズラとクドゥレットのキャラが立っていたのも◎。
特にアズラは魅力的な女性で、情緒不安定な部分も多少あれど、根は優しくて仲間思いなのが見て取れました。
普通ボスは仲間に弱いところを見せたりしないものですが、アズラはふと弱さを見せたりします。
だからこそ、ただ仲間を支配するだけのボスではなくて、友人のような存在として仲間に慕われているのでしょう。
棟を移動しようとするデニスに、アズラが向けた言葉が印象的でした。
アズラ「移動したって、どこにでも派閥はある。地獄を見るだけ」
デニス「でも、この棟に私が居ることを望む人は誰もいない」
アズラ「……私が望む。近くにいないとアンタを守ってやれない。それに、今日父親が死んだんだ。そんな私を放っておくっていうの?」
何となくですが、アズラは初対面の時からデニスに少し特別な感情を抱いているように見えました。
それが恋愛的なものかは分かりませんが、この先アズラとデニスの間には深い絆が生まれそうな予感がします。
シーズン2はデニス覚醒!?
シーズン1はとんでもないところで終わってしまいました!
所長殺害の容疑は晴れそうなデニスですが、クドゥレットに刃向かったため娘が危険な目に……。
おそらく、クドゥレットが息子のアルプに「デニスの娘を痛い目に合わせろ」と指示したのでしょうね。
「娘は横にいる」と電話でアルプに脅されたデニスが、「クドゥレットォォ!」と吠えるラストシーンは印象的でした。
クドゥレットの仕業だと確信して吠えたのでしょう。
シーズン1では、娘を盾にされてもできるだけ中立を保っていたデニス。
ですが、もしも娘に何かあれば、間違いなくクドゥレットに刃向かう側の人間になると思われます。
シーズン2ではデニスの覚醒を期待したいところです。
とは言え、デニスはまだ入所したばかりで権力があるわけでもないので、1人でクドゥレットに立ち向かうのは難しそう。
アズラが力になってくれると良いのですが。
【ザ・ヤード 女囚たちの闘い】の評価
テンポ:早すぎず遅すぎず、とても良いテンポでした。
無駄な回想や引き延ばしがないので、ストレス0で視聴できました。
ストーリー:良心的な主人公が刑務所で窮地に立たされるというストーリーは、刑務所ドラマの王道ですね。
しかし、王道ながらも山あり谷ありのジェットコースターのようなストーリーは中毒性あり。
シーズン1のラストでは、主人公が覚醒しそうな兆候も見られたので、今後がとても楽しみです。
キャラ:何と言っても、派閥のボスがそれぞれにキャラ立ちしていて見ごたえがあります。
仲間思いで繊細なアズラは人気キャラの1人になりそう。
クドゥレットも、中途半端な冷酷さではなく徹底しているのが良かったです。
演技:主人公のデニスは、良心的で芯の通った女性であることが、細かい表情から伝わってきました。
アズラの繊細な演技も素晴らしくて、ついもらい泣きしてしまうことも。
演出:感傷的なシーンでは、しんみりとしたBGMを流しながら、その人物が苦悩している姿を映すといった演出が多く見られます。
登場人物の苦しみを、変にセリフで説明するよりも、こうした演出のほうが胸に訴えてくるものがあって良いと感じました。
【ザ・ヤード 女囚たちの闘い】の作品概要
【配信元】
Netflixオリジナル作品(全12話)
【制作国】
トルコ
【年齢制限】
R12
【キャスト】
デメット・エヴガル、ジェラン・モライ、ヌルセル・キョセ、ケナン・エジェ、テオマン・クムバラジュバシュ、チャーダシュ・オヌル・オズトゥ、ルク