Netflixオリジナルドラマ【ザ・クラウン】シーズン1ネタバレ解説(3・4話)
英国史上最高齢君主として、今もなお影響力を与え続けているエリザベス2世の半生を描いた最高傑作。
王女から女王となったエリザベスが、最初にぶつかる壁とは?
この記事では、【ザ・クラウン】シーズン1第3話・第4話のネタバレ解説やイギリス王室の知識をご紹介します。
【ザ・クラウン】シーズン1あらすじ(3・4話)
エリザベスの王位継承がもたらす生活の変化を実感するフィリップ。チャーチル首相は戴冠式の延期を求め、王位を放棄したジョージ6世の兄が帰国する。
出典:Netflix公式【ザ・クラウン】から引用
前回の重要ポイント
- 1947年、エリザベス2世は周囲に反対されながらもフィリップと結婚した。
- フィリップはイギリス国籍を取得し、海軍少佐に昇格した。
- エリザベスとフィリップは2人の子宝に恵まれ、平凡ながらも幸せに暮らしていた。
- ジョージ16世の肺癌が発覚したため、王位を継承するエリザベスが公務を代行していた。
- 1951年のイギリス選挙では、保守党が勝利しチャーチルが再び首相に返り咲いた。
- しかし、イギリスの経済状況は赤字で、チャーチルを排除する動きが高まっていた。
- 1952年、ジョージ6世が崩御。
- 即位名を本名“エリザベス”とし、女王エリザベスが誕生した。
- エリザベスの妹・マーガレットは、ジョージ6世の侍従武官タウンゼントと不倫関係にいた。
- タウンゼントは本来ならば軍隊に復帰するはずだが、ジョージ6世の意向で会計監視官となった。
【ザ・クラウン】シーズン1(3・4話)超ネタバレ!
第3話 ウィンザー家
1936年12月10日。
ジョージ6世の崩御に伴い、ジョージ6世の兄エドワードが帰国しました。
愛する女性と駆け落ちをし、王位を放棄したエドワードの帰国は、決して喜ばれるものではありません。
ジョージ6世の突然の死を嘆く母メアリー王太后は、エドワードの王位放棄をまだ許していなかったのです。
では、なぜエドワードは突然帰ってきたのでしょうか?
実は、多額の年金が目的でした。
エドワードは、王室が妻のウォリスを受けれいなかったことに対する復讐心から、年金を増額し王室の金庫を空にすることを企んでいたのです。
一方でフィリップは、自身の“マウントバッテン”という姓を子供達が継ぎ、歴代の君主が住んでいたバッキンガム宮殿に移らないことを希望していました。
法律では夫の姓を継ぐことから、王家の名を“マウントバッテン”とすることにエリザベス自身も納得していましたが、内閣は猛反対。
チャーチルはエリザベスを説得しに行きます。
しかし、チャーチルが戴冠式を16ヶ月先延ばし権威を保持しようとしていることをエリザベスは見透かしており、戴冠式の延期を了承する代わりに、王家の名を“マウントバッテン”にすることを約束させたのです。
困ったチャーチルはエドワードに相談しました。
そして、エドワードはエリザベスを説得する代わりに止められている年金を支払わせること、さらに妻に称号を与えることを約束させ、交渉が成立したのです。
翌日、エドワードはエリザベスに会いに行き、自身の過去の過失を謝りました。
エリザベスはエドワードの謝罪を受け入れ、父の代わりだと思いエドワードの助言を全て受け入れることを誓います。
そこで、エドワードから王家の名についてと今後住む家に関する話が持ち出され……。
エリザベスはフィリップに、子供に受け継がせる姓は“ウィンザー”とし、今後はバッキンガム宮殿に移り住むことを告げます。
フィリップは「君は僕から職も家も名も奪った。」と言い、到底納得できない様子です。
しかし、エリザベスは法律ではなく慣習に従うべきと言い、翌日大々的に王家の名を“ウィンザー”とすることを発表しました。
また、マーガレットと不倫関係にあるタウンゼントは、今朝、妻子が出て行ったことをマーガレットに告げます。
喜びを隠せないマーガレットは、今後の再婚に備え離婚訴訟を提案しました。
第4話 神の御業
エリザベスが王位を継承したことにより、キャリアを捨てることとなったフィリップは暇を持て余し、タウンゼントに飛行訓練を習い始めます。
パイロットになることが夢だったフィリップにとって、唯一の楽しみでした。
一方で、ロンドンの街は濃い霧に覆われ市民は不安に襲われていました。
にも関わらず、チャーチルは何の策も取らず国民には不信感が募ります。
≡1日目(1952年12月6日)≡
霧は一層濃くなり道路は渋滞、空港は閉鎖する事態になってきました。
気象庁によると高気圧が空を覆い、煙が大気に閉じ込められているとのこと。
道路の見通しが悪く車を出すことができないため、エリザベスは歩いて祖母メアリーに会いに行きます。
また、チャーチルの秘書スコットはいつものように仕事をしているところ、チャーチルと鉢合わせになりました。
そこでスコットは、チャーチルが野心や希望に満ちていた若い頃に書いた自伝の一節を音読します。
チャーチルは良い顔をしないものの、スコットはかつてのチャーチルのほとばしるような希望エネルギーと希望、そして情熱を期待していることを伝えました。
≡2日目(1952年12月7日)≡
昨日に引き続き、深刻な濃霧が首都圏の機能を麻痺させ、救急隊の出動要請は頻発していました。
列車は主要駅で停車、もしくは数時間の遅延状態。
しかし、政府は未だこの霧に対応していないため批判が高まっていました。
エリザベスは、チャーチルから天気について詳しい情報を聞こうとするも、彼は深刻に考えていないようで、フィリップの飛行訓練の話にすり替えられてしまいます。
≡3日目(1952年12月8日)≡
火力発電所は二酸化炭素の排出を減らすなど対応するも、汚染された大気の大幅な浄化は期待できない状況のまま。
列車が鉄道作業員をはね複数名死亡・負傷者多数の事故が起こり、病院はどこも満杯状態で被害は深刻化していきます。
にも関わらず、チャーチルは霧を軽く見ており金銭面から何も措置をしないつもりでいました。
むしろチャーチルの関心は、フィリップの飛行訓練にあったのです。
議会からチャーチルの辞任要請を受けたエリザベスは、君主は内閣の問題に口を出すべきではないと思うものの、この窮地を打開するためチャーチルの内閣退陣を検討します。
同じ頃、スコットは体調が優れない同居人を病院に連れていきました。
そこで病院の現状を知ったスコットは、チャーチルに話せば何とかしてもらえるのではないかと思い急ぎ足で事務所に向かったものの、霧で道路の見通しが悪くなっていたせいでバスに跳ねられ命を落としてしまったのです。
スコットの不慮の事故の知らせを聞きつけたチャーチルは、遺体安置所で彼の遺体と対面して初めて事の重大さを思い知らされました。
そしてマスコミを呼ぶと、直ちに措置を講じることを誓ったのです。
翌日の新聞でチャーチルの記事が一面を飾ると、彼の人気はまた上昇することになります。
しかし、事態が改善する一方でエリザベスは、女王としての在り方に悩んでいたのです。
【ザ・クラウン】を観る上での予備知識
エドワード8世の結婚と退位
エドワードはなぜ王位を放棄し、妻と亡命したのか?
実は妻ウォリス・シンプソンはアメリカの平民で、結婚歴もあることから2人の成婚を国民の大多数が反対していたのです。
独身のまま王位を継承したエドワードでしたが、「愛は積もるばかりだ。」と言い、ウォリスとの交際を大々的にアピールしました。
しかし、国民からは相変わらず批判の声が高まり、ノイローゼ状態となったエドワードは王位を退位することを決意したのです。
即位からわずか325日で退位し、イギリス国王としては歴代最短の在任期間となりました。
因みに、当時エドワードはウォリスとの交際をチャーチルに相談していたそうです。
そのためチャーチルに借りがあったエドワードは、彼の頼みを快く聞いていたのかもしれません。
ロンドンスモッグ
ロンドンスモッグは、1952年12月5日から12月10日の間にロンドンで発生した、史上最悪規模の大気汚染による公害事件です。
暖房器具や火力発電所、路面電車から排出された二酸化炭素が原因とされています。
人々は喉の痛みや目の痛みを訴え、気管支炎や心臓病の症状で病院に多くの人が運ばれました。
そして、このロンドンスモッグによる死者は、12,000人を超える大惨事となったそうです。
【ザ・クラウン】シーズン1(3・4話)感想
ヘレナ・ボナム=カーターがザ・クラウンでマーガレット王女を演じるにあたり降霊術で彼女と話したという心温まるニュースを知る(むろん知人にリサーチするなど正攻法の手段も取っている)https://t.co/WAK16CSgRl
— Sお (@clarissabloom) October 7, 2019
ザ・クラウンのセットの多さ、規模、緻密さにただただビビるしかない
— もっけい@探跡家VTuber (@mokkei_VE) September 17, 2019
イギリス英語を勉強するために『ザ・クラウン』を見てるのだけれど、王女として公共の場では家族と他人行儀にふるまわないといけなかったり、名字のことで嫁ぎの問題が発生するあたりが、みてるだけで息苦しい…
— Leer (@Leer83634903) August 29, 2019
ジョージ6世の崩御により、王室の雰囲気は変わってきました。
フィリップにもエリザベスにもそれぞれの悩みがあり、前回までとは違い普通の夫婦ではいられない葛藤が伝わりました。
2人も覚悟していたでしょうが、いざその状況になると受け入れがたいことも多かったようです。
特にエリザベスは、君主として国民を助けたいという思いが強いものの、 内閣や政治のことには口を出さないという代々のしきたりから何もできないというのは、相当辛いものだと思います。
それでも、ジョージ6世とはまた違った強い君主に成長するエリザベスが楽しみです!