Netflixオリジナルドラマ【ザ・クラウン】シーズン1ネタバレ解説(5・6話)
英国史上最高齢君主として、今もなお影響力を与え続けているエリザベス2世の半生を描いた最高傑作。
エリザベスは新時代のシンボルとして、新しい英国を築き上げることはできるのか?
この記事では、【ザ・クラウン】シーズン1第5話・6話のネタバレ解説と、イギリス王室の知識をご紹介します!
【ザ・クラウン】シーズン1あらすじ 前回の重要ポイント
慣例の背き、夫を戴冠式委員長に任命したエリザベスだが、フィリップの大胆な計画に波紋が広がる。同じ頃、女王の伯父・ウィンザー公が渡英する。
出典:Netflix公式【ザ・クラウン】から引用
✓ジョージ6世が崩御し、過去に王位放棄し追放となった兄のエドワードが王室に現れた。
✓エドワードの目的は、年金の増加と妻に称号を与えることだった。
✓フィリップは子供達に自分の姓である“マウントバッテン”を継いでもらおうと思っていたが、慣例から言うと子供が継ぐ姓は、エリザベス一家の姓“ウィンザー”のはずだった。
✓フィリップの思惑に内閣は猛反対。
✓エリザベスは歴代の慣例を引き継ぎ、子供の姓を“ウィンザー”とし、家族全員でバッキンガム宮殿に移り住むこととなった
✓1952年12月5日から12月10日、ロンドンスモッグ発生により都市機能は麻痺し、多くの負傷者や死者を出した。
✓被害が拡大しているにも関わらず、何の措置も取らないチャーチルに国民の不信感が高まっていたが、チャーチルの秘書・スコットの死により、チャーチルは事の重大さを認識する。
✓マスコミを集め措置を取ることを誓い、翌日の新聞の見出しを飾るとチャーチルの支持率は急上昇。
✓エリザベスは君主として、ロンドンスモックに何も対応できなかったことに違和感を覚えていた。
【ザ・クラウン】シーズン1(5・6話)ネタバレ
第5話 板挟み
1937年5月11日、その日はジョージ6世の戴冠式でした。
今でもエリザベスは、当時ジョージ6世が2キロもの重さの王冠をかぶる姿を鮮明に覚えています。
あの日から15年が経ち、ジョージ6世がかぶっていたその王冠は、遂にエリザベスのものとなりました。
エリザベスは、信頼の証として戴冠式の委員長に夫・フィリップを指名します。
しかし、紋章院総裁であるノーフォーク公が代々委員長を務めているため、本来ならばバーナードが今回の委員長を務めるはずでした。
エリザベスの予想外の決断に、王室は混乱します。
一方、エドワードは母メアリー太王太后の体調不良の見舞いのため再び王室に現れました。
そこでエドワードは、王位を放棄した自分が戴冠式に出席することを王室の人間に快く思われていないこと、妻・ウォリスの参列を拒否されてることを知り激怒します。
エドワードはイギリス王室は下品で卑劣だとひどく非難し、エリザベスの戴冠式は欠席することにしました。
1953年3月24日、メアリー太王太后が崩御。
王室の人間が全員集まり、それぞれが欲しい遺品を選びました。
メアリーの葬儀の日、ジョージ6世の葬儀と参列者もお悔やみの言葉も全く同じことに違和感を感じたフィリップは、エリザベスの戴冠式は新時代のシンボルに相応しい、古いしきたりに縛られないような式にしたいと思ったのです。
しかし、フィリップの戴冠式の計画はあまりに度を超えるものでした。
一般人戴冠式にが参列できないことに不満を抱いていたフィリップは、労働組合や実業家を招待し、会場にテレビカメラを置き戴冠式の様子を中継しようとしていたのです。
フィリップは国民に寄り添う国家を理想としていたためこのような計画に及びましたが、王室は国民にとってより高みの理想であるべきだと考えるエリザベスは、王室が気軽に見られることを懸念してフィリップの案に反対しました。
それでもフィリップは譲らず口論は平行線を辿ります。
そこで、エリザベスはテレビ放送を支持する代わりに、ひざまずくことをフィリップに要求したのです。
その言葉を聞いたフィリップは激怒し、今のエリザベスは権力に執着していると痛烈に批判します。
1953年6月2日、イギリスで6人目となる女王の戴冠式が行われました。
エドワードはパリで妻・ウォリスとともにテレビ中継を視聴します。
戴冠式の中で最も尊いと言われる聖別の儀で、聖別の油を身体になじませ、エリザベスはたちまち国の最高君主となったのでした。
そして、王としての権力ではなく愛を選んだエドワードは、ひとり涙を流していたのです。
第6話 スキャンダル
ある日新聞社では、戴冠式の日にマーガレットが平民であり離婚歴のあるピーター(タウンゼント)の糸くずを拾っていたことを記事にするか、討論が起こっていました。
当時、女性が男性の糸くずを取るのは親密な行為と言われており、もし2人が親密な関係だとして、王室のスキャンダルは国民の注目を集めること間違いなしです。
このまま新聞社は、記事を書き進めていくことにします。
一方、マーガレットはエリザベス、フィリップ、ピーターと4人で食事をすることを提案。
マーガレットたっての希望で、4人は正装をして集まりました。
そこでマーガレットが口にしたのは、ピーターと本気で結婚を考えているということ。
父親が亡くなり、悲しむ間も無くエリザベスが即位し多忙を極めていた中で、マーガレットにとってピーターだけが心の支えだったのです。
ピーターの元妻や息子は了承済みであり、後は君主であるエリザベスの許しを請うだけでした。
以前から2人の親密さに勘づいていたエリザベスは、2人の結婚を支援することに。
しかしフィリップは、2人の年の差やピーターの離婚歴から、ピーターは王室の人間と結婚するのにふさわしくないと反対します。
そこでエリザベスは、スコットランド国協会は結婚を神聖視していないことから、スコットランドで式を挙げることを提案しますが……。
同じ頃、王室には新聞社の社長から一報が届きます。
「会計監査感タウンゼントは、マーガレット王女の付き添い役ではなく、未来の夫として目される。」
母・エリザベス王太后は王室の存続のことを考え、マーガレットの結婚を大反対します。
エリザベス王太后曰く、今大切なのはエリザベスと政府や協会との関係を守ること。
王室には、“王族が25歳未満で結婚する場合には、君主の許可を得なければならない”という法律があることから、23歳のマーガレットは君主の許可がなければ結婚できないのでした。
エリザベスは迷いながらも王室を守るため、マーガレットに「25歳になったら必ず結婚させる。」と約束し、ピーターをベルギー・ブリュッセルに異動させ、マーガレットと引き離したのです。
一度も2人で過ごす時間もないほど急に……。
マーガレットはエリザベスの決断に腹を立て、更に自分に注目が集まっていることに嫉妬していたのだろうと痛烈に批判しました。
翌日の新聞の見出しは、「王室ロマンス叶わず。」
王室を守るための決断だったにも関わらず、マーガレットとピーターの結婚を応援していた国民からは、今回のピーターの異動に非難の嵐でした。
王室の人間も再婚できるように法を変えるべきではないのかと……。
【ザ・クラウン】を観る上での予備知識
エリザベス2世の戴冠式
イギリスの戴冠式は、ロンドンにあるウェストミンスター寺院で行われます。
エリザベス2世の戴冠式では、重さ約2キロの“聖エドワード王冠”が戴冠されました。
ただその王冠はあまりにも重すぎるため戴冠式でのみ使用され、他の儀式の際は“インペリアル・ステート・クラウン”が用いられています。
この式の際は、日本から皇太子明仁親王が列席しました。
イギリス王室の結婚のルール
マーガレットとピーターの結婚が簡単に許してもらえないように、イギリス王室の人間と結婚する際には君主の許可が必要不可欠です。
【ザ・クラウン】シーズン1第6話では、伝統的な王室婚姻法により、ピーターが平民で離婚歴があることが大きな障害となっていました。
しかし、2013年に王室婚姻法は改定され、女王の許可がある限り婚姻が可能となりました。
【ザ・クラウン】シーズン1(5・6話)感想
前代未聞の戴冠式のテレビ中継により、国民の支持が集まった英国王室。
しかし、その支持を守るためマーガレットとピーターを引き離したつもりが、返って国民に非難される形となってしまったのは、本当に皮肉な話でした。
一般人であれば、離婚歴があろうが子供がいようが再婚できるにも関わらず、王室だからという理由で諦めないといけないのは、観ているこっちも悔しかったです。
マーガレットとピーターが悲しんでいる顔を見ていると、“王冠を賭けた恋”と称され王位を放棄してでも駆け落ちをしたエドワードの当時の辛さを少し感じ、同情してしまいました。
マーガレットとピーターにとって、2年という月日はとても長く感じられるのでしょう。
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