【ザ・クラウン】シーズン4ネタバレと解説。1980年代、エリザベス女王は「鉄の女」サッチャーとの対立が報道され、ダイアナとチャールズは不幸な結婚生活が囁かれます。その真相は?
【ザ・クラウン】シーズン4あらすじ
1979年。
総選挙で保守党が勝利し、マーガレット・サッチャー(ジリアン・アンダーソン)が政権を握りました。
エリザベス女王(オリヴィア・コールマン)は、英国初の女性首相との謁見に期待を持ってのぞみますが、サッチャーが女性に偏見がある事に気づきます。
一方、チャールズ皇太子(ジョシュ・オコナー)は、大好きな伯父マウントバッテン卿(リチャード・ダンス)にカミラ(エメラルド・フェンネル)との不倫を批判され仲たがいします。
しかし、それから間もなくマウントバッテン卿はIRAにより暗殺されてしまいました。
打ちひしがれたチャールズは、マウントバッテン卿が生前に書いた手紙を受け取ります。
そこに書かれていたのは「皇太子妃として国民に愛される女性を選んで欲しい」という願いと、チャールズへの愛でした。
チャールズは、ダイアナ・スペンサー(エマ・コリン)との交際を始めます。
【ザ・クラウン】シーズン4の登場人物/キャスト
マーガレット・サッチャー/ジリアン・アンダーソン
下層中産階級でありながら、オックスフォード大学に進学し、英国史上初の女性首相となったマーガレット・サッチャー。
強靭な政治姿勢から「鉄の女」の異名を持ち、1979年から1990年までの長期政権となりました。
サッチャーを演じたジリアン・アンダーソンは【X-ファイル】(1998-)のダナ・スカリー役で知られるアメリカの女優です。
ダイアナ妃/エマ・コリン
あまりにも有名なダイアナ妃は、イギリスの名門貴族スペンサー伯爵の三女として生まれました。
チャールズは当初ダイアナの姉セーラと交際していました。
若きダイアナを演じたエマ・コリンは、この役でゴールデングローブ主演女優賞を受賞しています。
【ザ・クラウン】シーズン4ネタバレと解説:サッチャー
サッチャーの政治
サッチャー首相は、イギリス経済の再建を図るため与党の反対を押し切り、大幅な歳出削減を実施します。
また、アルゼンチンがイギリス領フォークランド諸島を侵攻した際にも強靭な姿勢で軍を派遣し、奪還に成功しました。
南アフリカのアパルトヘイトへの制裁ではサッチャーは頑なに反対しますが、女王は賛成をするなど意見が対立することもありました。
エリザベスとサッチャーの間は微妙な緊張関係にあり、しばしばメディアは2人の対立を煽りました。
辞任
サッチャーは、副首相のジェフリー・ハウが議会で辞表を提出したことで、自らも追い詰められました。
議会解散を決意したサッチャーはエリザベスに支援を求めますが、何もしないこと(解散をしないこと)を勧められます。
そしてサッチャーは首相を辞任。
最後の謁見の時に、エリザベスはサッチャーに「メディアは2人の対立を煽ったが共通点を見逃してる。それは愛する国への徹底的な献身」と語り、君主の判断だけで与えることができるメリット賞を自ら授与します。
サッチャーは目に涙を浮かべ女王に敬愛を示し去って行きました。
【ザ・クラウン】シーズン4ネタバレと解説:ダイアナ
世紀の結婚
ダイアナは、容姿といい家柄といい皇太子のお妃候補としては申し分なく、王族は歓迎しますがチャールズにとっては子供にしか見えませんでした。
それでも、結局チャールズはダイアナにプロポーズし、ダイアナも喜んでそれを受け入れました。
ダイアナは、ロンドンのフラットから宮殿に引越し、メディアが騒ぐ中で生活を始めますが、そのストレスから摂食障害の症状に苦しみます。
そしてカミラの存在に気づき、自分は愛されていないと感じ始めます。
悩んだ彼女は結婚をやめようと考えますが、もう引き返すことはできませんでした。
全世界が注目する中、盛大な結婚式が行われました。
オーストラリア外遊
1983年、王室嫌いのボブ・ホークがオーストラリアの首相に就任します。
彼は皇太子夫妻のオーストラリア訪問の失敗による君主制崩壊を望んでいました。
現地でチャールズとダイアナは結婚生活の難しさについて話し合い、努力することに同意し、2人の関係は一時的に改善されます。
このような中、若いプリンセスを見ようと大勢の国民が集まり、訪問は大成功。
ホーク首相もチャールズに「ダイアナがオーストラリアの君主制を救った」と語ります。
スポットライトは全てダイアナに当たり、チャールズはミジメな思いをします。
そして2人の関係は再び悪化します。
理解し合えない2人
1985年、チャールズの誕生日を記念したガラコンサートで、ダイアナはステージに上がり、ビリー・ジョエルの歌に合わせダンスを披露しました。
これはチャールズへのサプライズでしたが、全くの逆効果で彼の誕生日であるにもかかわらず脚光を浴びたのはダイアナでした。
そうなるであろうこと、そしてそれはチャールズが嫌がるだろうということをダイアナには想像できません。
「どちらも高貴な生まれだが性格は大違い。趣味も友人も完全に別。」と、チャールズの妹アン王女が指摘する通り、2人は互いを理解できませんでした。
チャールズもダイアナも不倫に走り結婚生活は破たんの一途を辿ります。
よそ者
そんな中、ダイアナはニューヨークの外遊を単独で行い大成功をおさめます。
ダイアナの人気ぶりをテレビで見たカミラはチャールズに「私を愛しているなら、ダイアナとの離婚は諦めて」と告げました。
カミラは若さも容姿もダイアナに完敗している自分が世間に嫌われ、非難されることがわかっていたのです。
エリザベスはチャールズに、彼の未熟さと特権に対する恩義がないことを非難した上で、「別居も離婚もしてはいけない」と言い放ちました。
フィリップ(王配)はダイアナに、「苦しんでいるのは自分だけではない、皆孤独と悩みを抱えている」と話します。
そして、「王室全員がある人に尽くしているが、同じよそ者である君と私との違いはそれが誰だかわかっているかどうかだ」と告げました。
つまり、ダイアナは王室に入るということは女王陛下に尽くさなくてはいけないということを理解していなかったのです。
【ザ・クラウン】シーズン4:ファクトチェック
女王とサッチャー
1話で女王が、首相が誰を閣僚に任命するか推測するシーンは全くのフィクションです。
サッチャーが王室での謁見を早々と切り上げたり、女王の特権を批判する事もありませんでした。
また、女王が政治に関して自分の意見を言うことはなく、報道官が勝手に自分の意見をメディアに言ってしまうことが多かったようです。
10話でサッチャーが首相に留まるために女王に支援を求めるシーンがありましたが、こちらも事実無根だとの事です。
バルモラル城
2話ではエリザベスがバルモラル城に歴代の首相にそうしたように、バルモラル城にサッチャーを招待します。
城の生活に慣れないサッチャーが居心地悪く過ごし、歴代の首相の中でも早く滞在期間を切り上げたことは事実だったようです。
この回は、貴族のダイアナと庶民のサッチャーがあらゆる面で対象的であることを表したエピソードでもありました。
「オペラ座の怪人」のビデオの件
9話で【オペラ座の怪人】のクリスティーヌに扮したダイアナが「All I ask you」を歌っているビデオを、チャールズに結婚記念日のプレゼントをするシーンがあります。
ダイアナがウエストエンドに赴き、本物のセットで作曲者アンドリュー・ロイド・ウェバーの立ち合いのもとでビデオを作り、チャールズに送ったことは本当のようです。
しかし誰もそのビデオを見ていないので、証拠はなく曲名などは不明ということです。
【ザ・クラウン】シーズン4の感想
シーズン3からのエリザベス役のオリヴィア・コールマンは、本物の女王にもシーズン1、2のエリザベスにも全く似ていないのでミスキャストではないかと思っていましたが、違和感全くなく女王然としたところに、さすが名優と感心しました。
サッチャー役のジリアン・アンダーソンは、サッチャーの物まねのような演技が鼻につきましたが、エリザベスとの最後の謁見でメリット賞を授与される時の顔は胸にせまりました。
シーズン5では再びメインキャストがガラッと代わります。
今度のエリザベスはイメルダ・スタウントンです。
彼女も女王のイメージからは程遠いですが、どんなエリザベスを見せてくれるのか楽しみです。
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