【ハンドメイズテイル】シーズン3ネタバレ(3話)。
多くのマルタが異端者という理由で縛り首となった。
ギレアドでレジスタンスの存在を認めることがあってはならず処刑の理由にもしない。
脱出という言葉も存在しない。ギレアドはあくまでも異端者として彼女たちを処刑したのである。
【ハンドメイズテイル】シーズン3第3話は、そんなショッキングな冒頭から始まる。
【ハンドメイズテイル】シーズン3ネタバレ
ローレンス家で開かれた集まりで、ジューンはウォーターフォード司令官とニックに再会する。そこでローレンス司令官はジューンに試練を与える。
出典:hulu公式サイト【ハンドメイズテイル】シーズン3第3話から引用
オブジョセフとしてローレンス司令官の侍女となったジューン。
その日は、脱出に関与して縛り首となった、マルタたちがさらされている場所にたたずみ、自問自答していました。
”異端者は愚かで殉教者は勇敢。では自分は愚かだったのか……”
処刑されたマルタたちの顔には布が被れていたため、誰が”異端者”なのかわかりません。
そこにコーラはいるのか?しかし、ローレンスはそこまでしないはず。
遺体はおとといから吊るされたままで、匂いも出始めていました。
果たしてこれで終わるのか。マルタの処刑はこれで終わっているかもしれないが、次は誰なのか……。
そんな不安が過ったジューンは、生き延びるためには”力のある味方”が必要だと悟ったのです。
以下、結末に関する重要なネタバレを含んでいますので、未視聴の方はご注意ください。
【ハンドメイズテイル】シーズン3超ネタバレ(3話)前編
得体の知れない恐怖
ローレンス宅に戻ったジューンは、訪れる予定の来客のために忙しそうに働いており、ジューンも彼女たちの手伝いをしていました。
まだ若いマルタのシエナは、ローレンス司令官が絨毯にこぼした水をふき取っていた際、スカートの膝を汚してしまいます。
それを見たローレンスに「マルタは一番清潔でいなければならん」と叱られて、怯えながらその場を離れました。
コーラが居なくなり、今まで以上に忙しくなったもうひとりのマルタは、慌ただしく料理を作っていた最中、ライキャクを知らせるベルが鳴り響きます。
ジューンは、自分が代わりに客人を出迎えてもいいかとローレンスに尋ねながら、玄関へと向かおうとしましたが、ローレンスは「玄関を開けた侍女にはどんな罰が下されるのだ?」と、さりげなく言うのです。
一瞬、ジューンの動きが止まりました。
「知らないから聞いている」という言葉に一歩踏み出すと、次に「どんな罰がふさわしいのか?何が妥当なんだ?」と言います。
ジューンは再び動きを止めると「もういいから忘れろ」と、ローレンスは席を立ち自ら客人を出迎えたのです。
マルタが処刑されたということもあり、ジューンにとってまだ謎が多いローレンスの言葉は背筋が凍りつくほどでした。
ウォーターフォード司令官との再会
ローレンス宅には多くの司令官が集まっており、フレッド・ウォーターフォード司令官もそのひとりとしてやってきました。
ジューンはフレッドに、セリーナがどうしているかを聞きつつ、ローレンスがどんな人物かを訪ねます。
フレッドが言うには、ローレンスは”興味深い男”で、ギレアドの建国に貢献した人物で、自分たち司令官の方針となっているというのです。
ただ、彼の本音は「タフで腹の底が読めない」という人物ということ。
ジューンは、ここで少しずつフレッドに近寄り、力のある味方を得ようという策にでました。
フレッド「彼は特にうまく対処している。私と違って感傷的じゃない」
ジューン「あなたを ことさら感傷的だと思ったことはない。あわれみ深いだけ。あんなことをした私がまだ生きているんだから。これからも感謝し続ける。でも もう仕えられない。ローレンスのことで情報があれば何でも教えて」
出典:hulu公式サイト【ハンドメイズテイル】シーズン3第3話から引用
フレッドは軽くうなずくと「ロ-レンス司令官は退屈するのが嫌いだ」と、話したのです。
すると、2人の様子を見ていたローレンスが近寄ってきました。
フレッドは挨拶すると、何事もなかったかのように客間へ行き、ジューンもその場を立ち去ろうとしますが、ローレンスが一度引き留めて「頑張っているか?何をだ?答えなくていい」と意味深な言葉を言うと、ジューンの返事を待たずに客間へと戻って行ったのです。
セリーナの苦悩
セリーナは、浜辺で海を眺めており、その表情からは疲れ切っているようにも見えました。
彼女の母親が後ろからそっとコートを羽織わせ、家で祈りの集会があるから参加しないかと誘いますが、セリーナは「集会に集まるのは母の友人であって、自分の友人ではない」と断ります。
今のセリーナには、母の言葉もそういった誘いも苦痛のように感じている様子。
ニコールを失ったというだけではなく、自分の本当にやりたかったことと、今の自分が置かれている環境の違いにも苦しんでいるようでした。
結局、母に押し切られた形で集会に参加することになったものの、彼女の中ではもう”神”を信じることが出来なくなっていたのかもしれません。
その一方、夫のフレッドはある一室で、ウイスキー片手に夜景を眺めながら、妻に愛の言葉を伝えていました。
……かのように見えましたが、実は愛の言葉を聞いていたのはセリーナではなく別の女性だったのです。
ローレンスの魂胆
ジューンはローレンスから給仕をするよう言いつけられ、恐る恐る客間へと向かうとその中にはニックもいたのです。
ニックとジューンは、目を合わせましたがすぐに反らします。
ローレンスもフレッドもその一瞬を見逃しませんでしたが、ジューンは何事もなかったかのように給仕を行いながら意義の内容に耳を傾けていました。
ジューンに給仕をさせたのは会議の内容を聞かせることや、ニックとジューンが繋がっていることをローレンスが見極めるのが目的かも。
だとすれば、彼は相当食えない男です。
会議で話していたのは、反乱軍の壊滅方法についてや、来週から始まる救済の義について。
コロニー送りにする予定の女性は、他の女性たちに悪影響を及ぼすから処刑すべきという意見が上がっていました。
また、救済の義を行うことは、国民への教育にもなるというのです。
そこでローレンスは、女性たちは自分を過信している傾向があるが、使える場合もあるとした上で、かつて編集者だったジューンに意見を求めました。
「女性をどう評価すべきか、性の違いがある中で個人の価値をどう見るべきか」と。
さらにローレンスはジューンに「本棚から本を取ってきてほしい」と言うのです。
ギレアドでは女性が本を読むことを禁じているため、男たちの視線がジューンに集まります。
ローレンスは、かつて編集者だったというジューンに、ただ本を取らせることで「君の価値はこんなものだ」と伝えていたのです。
そして、ジューンがローレンスを見た時の目は、殺意に満ちた鋭いものでした。
【ハンドメイズテイル】シーズン3超ネタバレ:後編
誇り
ローレンスの仕打ちで、”こんな自分は誇りに思えない”と気づいたジューンは、「自分は文章だ、スピーチを書くように自分を構成する」と考えるようにしました。
その日の夜。ジューンはお茶の用意を持って、ローレンスの部屋を訪ねて探りを入れます。
しかし、ローレンスはジューンの策略に気づいていたようで、2人の間には火花が散り始めました。
さらにジューンは、ローレンスは罪悪感からエミリーを逃がしたと思っていたようですが、実は全く違う理由があったと知らされたのです。
ローレンスがエミリーを逃がしたのは、彼女の賢さは”いつか世界のためになる仕事をする”と思っていたからで、同情や罪悪感からではありませんでした。
だから戻って来たジューンは愚かだと言うのです。
ジューンはハンナのために戻ってきましたが、ローレンス曰く自分の方がよほど娘のためになると断言。
彼女のために世界を救おうと(人類を増やす)しているのだと言うのです。
ジューンは自分はハンナの母親だと声を張り上げましたが、ローレンスにそんな言い分は通用しません。
さらに、「ハンナを娘にしたマッケンジー夫人は、他人の夫を取ったりしないし、両親を失くしたアフリカの子を援助していた女性。じゃあ、君は何していたんだ?病気の娘を放ったかしにして、誰も読まないような難しい本を作っていただけだ」と罵倒したのです。
しかしジューンも反論。
難しい本を書いたのはローレンスで、表の数字通りに人が処刑されていくとは恐ろしい。その本が無ければ世界はもっと良くなっていた、無価値より悪い。というのです。
家に閉じこもったり、時々いいことをするのは罪悪感の裏返しだと詰め寄るジューンに、ローレンスの表情が変わりました。
そして、「人はどんな相手でも人間らしいと思い込む」と静かに言うと、ドライブと称してジューンを連れ出したのです。
選別
ジューンが連れて行かれた先は、救済の義が中止となりコロニーに送り込まれることになった人たちが閉じ込められている場所でした。
大勢いる中の5人だけはマルタとして助けられるというローレンスは、その中から女中として価値のある5人を選べとジューンに言うのです。
マルタの空きは5人。全員は助けられないという中で行わなければならない選別。
コロニーに行けば死ぬのは確実で、それが分かっていながらも助けられる命はたった5つだけというのです。
学歴や年齢、かつての職業や名前、不品行が書かれている資料を見ながら自分の価値を示せといいますが、ジューンは首を横に振り、出来ないと答えました。
でも、ジューンが選ばなければ5人も助けられず、全員死ぬというローレンス。
それでもジューンは、人を殺すのはギレアドで自分じゃないと徹底的に拒否したのです。
ジューンの価値
ある夜遅くに、司令官となったニックがジューンを訪ねてきました。
ジューンは、司令官なら自分とハンナを逃がせるはずだ、ローレンスのことを教えて欲しいと強く言いますが、ニックはに出すこともローレンスを探るのも無理だと難色を示します。
役に立てるの?と聞くも、ニックは前線に派遣されることを伝えに来ただけだったのです。
シカゴに派遣されることなったから最後に会いに来たというニックに、思うように運ばない現状の苛立ちから「さようなら」と冷たい言葉を放つジューン。
しかし、冷たい対応はジューンの本心ではなく、ニックもそれに気づいていたようでした。
2人はドア越しに手を繋ぐと、そのまま部屋に入り鍵を閉めたのです。
ニックが去った翌日。セリーナがジューンを訪ねてきました。
セリーナは、友としてジューンを訪ねてきたようで涙を流しながら、懐かしそうにニコールの話をし始めます。
ニコールを失ったことの悲しみから抜け出せずいるセリーナに、ジューンは「子供を奪われた母親のことを思い出して。何か方法はあるはず」と優しく問いかけました。
さらに、子供と一緒に安全に、そして幸せになれる世界を作るために強くなろうと伝えたのです。
初めセリーナは、もう昔の私じゃないと後ろ向きに考えていましたが、彼女自身も何かを悟ったかのように前を向きます。
よりよい世界のための準備
その後、ジューンはコロニー送りの中から5人を選びました。
あんなに拒否していたのに心変わりした理由は、選んだ5人をレジスタンスに入れるのが目的だったのです。
エンジニアとIT技術者、記者と法律家、そして泥棒。
ローレンスがジューンに選ばせたのは、彼女がチャンスに気づくかどうかを確かめるためだったのかも?
自分たちに有利になる人物を選び出せるかどうか……。
もしそうならば、ジューンはその問いに答えたことになりますが、いずれにせよローレンスが腹の底で何を考えているかは依然として不明。
よりよい世界を作りたいと願う一方で、コロニーというものを作ったり……。
ただ、「人はどんな相手でも人間らしいと思い込む」という言葉には、深い意味があるような気もします。
【ハンドメイズテイル】シーズン3(3話)を観た感想
ジューンは、自分が文章となってシナリオを開始したようで、コロニー送りになる大勢の中から5人を選ぶことのチャンスに気づきましたね。
書類を受け取ったローレンスの表情からすると、「なぜ心変わりしたのか?」とも取れるので、彼自身ジューンにチャンスを与えた意識はあるのかは不明です。
単に、罪悪感はないということを伝えようとしたのか、それとも……?
2話で、火事になったウォーターフォード家から出る時、ジューン、セリーナ、フレッドそれぞれの行先が別でしたが、セリーナはフレッドから離れ、実家に戻っていました。
母親からはフレッドが命綱だから戻るよう言われましたが、セリーナにはその気持ちはないようです。
ましてや、ジューンに協力するとなればフレッドの存在は邪魔でしかありませんし、すでに彼への愛は尽きているはず。
予告動画では、ジューンとセリーナがプールサイドで煙草を吸うシーンがあったので、こんな場面が見られるのも間近かなと思います。
元々、物書きで繋がっていた2人。
今回、さらに距離が縮まったようです。