錦戸亮が主演のドラマ『トレース』第10話が放送されました。テニスプレイヤーの原田が死亡した事件は、何の変哲もない事故死に見えましたが、なぜか”捜査打ち切り”の命令が出てしまいます。調べるうちに、原田の所属チームのオーナーが、真野の兄とクラスメイトだったことが判明。やはり”武蔵野一家殺人事件”と関連がある!?それでは『トレース』10話のネタバレ解説をお届けします。
ドラマ『トレース 科捜研の男』
ドラマ『トレース』第10話のあらすじ
真野は、25年前に起きた“武蔵野一家殺人事件”の唯一の生き残り。最初はひとりで真相を探っていた真野ですが、今ではたくさんの協力者が増えました。
協力者の早川(真野の兄の元担任)の話によると、数日前に起きた事件が、”武蔵野一家殺人事件”と関連があるかもしれないとのこと。
死亡したのは、テニスプレイヤーの原田恭一。早川の話では、原田が所属する実業団のオーナー・佐保は、かつての生徒だったと言います。
佐保は、以前死体で見つかったホームレスの新妻と共に、真野の兄をいじめていたうちのひとりだったとのこと。
一方、虎丸刑事は、真野が”武蔵野一家殺人事件”の唯一の生き残りだと知りました。虎丸は、真野に「俺も真相を突き止めたい」と話をします。
真野は、ひとりで調べるには限界があると感じていたため、虎丸の申し出を受け入れました。
近くにいたノンナが「私も手伝いたい」と言いますが、真野はノンナに対して「お前には関係ない」と突っぱねてしまい……!?
ドラマ『トレース』第10話の解説
武蔵野一家殺人事件との関連性
今回死亡した原田は、2年前のテニス決勝戦目前、対戦相手の春日部の食事に薬物を混入し、春日部がドーピングをしたと見せかけました。
その“ドーピング見せかけ事件”以降、原田はテニス界を追放されてしまいます。
真野は、原田の所属する実業団オーナーが、兄のクラスメイトだったと知ったため、原田の事件について調べることにしました。
原田は、歩道橋の階段から転落死。防犯カメラの映像でも、ひとりで転落する様が映っています。
何の変哲もない事故死に見えますが、虎丸刑事の話によると、原田の事件は上層部から“打ち切り”命令が出たとのこと。
過去(第6話)に起きたホームレスの新妻の事件同様、真野の兄と関わる事件は全て“打ち切り”命令が出ています。よって、何か重大な事実が隠されているかもしれないと感じた真野は、虎丸刑事とともに現場に足を運ぶことにしました。
現場にて、真野が気になったのは2点。
・原田は転落する直前に後ろを振り返り、何かをつぶやいている
・一週間もたつのに、階段についた原田の足跡が残っている
足跡を調べると、油性塗料(ペンキなど)であることが判明。つまり原田は、転落する直前にどこかでペンキを踏んだ可能性が高いということになります。
また、原田が連日通っていたという居酒屋で常連に話を聞くと、原田は肩の故障が原因でテニスを諦めたといいます。
何とか真野の力になりたいノンナ
真野に「お前には関係ない」と言い放たれて、出しゃばりすぎたかな?と落ち込むノンナ。しかしそれでも、何か真野の力になりたいと思ったノンナは、ひとりで捜査を始めました。
すると、原田が洋服店の看板を何度も盗んでいる様子が、防犯カメラに映っていました。
看板についていた土を調べた結果、近くにある農場の跡地の土ではないかと推測。
真野、ノンナ、虎丸刑事の3人が農場の跡地に向かうと、そこには、原田がテニスのトレーニングをしていた形跡が残っていました。洋服店の看板は、土の整備に使っていたのです。
そして、原田が倒れたと思われる痕跡が土の上に残っていました。
普通は助けを求めるなら出口に向かうはずですが、土の痕跡からすると、出口とは逆の方向へと這いつくばっています。
また、歩道橋の防犯カメラの映像でも、原田は振り返ってつぶやいていたことから、誰かと一緒だったのではないかと推測されました。
真相
調べの結果、事件当時、原田と一緒にいたのは新田清美という女性でした。
清美は原田に好意を寄せられ、いろいろと話をするうちに、原田の重大な秘密を知ったと言います。
この秘密を知った清美は、春日部に脅迫を繰り返すようになりました。
春日部から「脅迫されている」と相談を受けた佐保オーナーは、その件はこっちで処理すると言い、数日後に原田が死亡。佐保は、清美に大金を渡し、原田を殺害するように指示したのです。
清美は大金に目がくらみ、佐保の指示通り、原田に毒を飲ませたのでした。しかしその直後、命からがら歩道橋を歩く原田を見かけた清美は、歩道橋の下から声をかけました。
すると原田は振り返って「試合に行くんだ」とつぶやき、その拍子に転落してしまったのです。
ドラマ『トレース』第10話の感想
原田が最後に言い残した言葉は「試合に行く」でした。原田が歩いていたすぐ先には、2年前に決勝を行う予定だったコロシアムがあり、原田はそこへ向かっていたのでしょう。
原田にしても春日部にしても、ふたりはずっと、2年前の決勝戦の日のまま時間が止まっていたのかもしれません。
原田はずっと隠れてテニスの練習をしており、テニスへの未練が感じられます。その未練の中にはきっと、”春日部ともう一度戦いたい”という思いもあったのではないでしょうか。
また、春日部も2年前の事件に縛られ続けていました。
2年前のあの日、佐保オーナーの提案をのんで原田を犠牲にしてしまった罪悪感が、ずっと心にのしかかっていたのだと思います。
原田を犠牲にした以上は、何としてでも勝ち続けなくてはいけないというプレッシャー。そして、こんな日々はもう終わらせたいという気持ち。そんな様々な感情が春日部の中で渦巻いていたに違いありません。
春日部は、2年前の”ドーピング事件”の真実を記者会見で発表しました。これでようやく、止まっていた春日部の時間が動き出したかもしれませんね。