【月に咲く花の如く】ネタバレ感想(57話・58話)。
織布局の株を狙う者たちにより、ハメられてしまう周瑩と趙白石。
その上、呉漪が周瑩を裏切る展開に!?
ベイレ以外にも敵が増えてしまった周瑩たちは、この先どうなってしまうのでしょうか!?
【月に咲く花の如く】あらすじネタバレ57話
趙白石の罷免
ある時、趙白石のもとに刑部の役人がやってきて「呉家だけに織布局の株を売った職権乱用の罪で、趙白石を調査対象とする」と言い渡されました。
当然、事実無根。
趙白石が家に戻ると、師匠の張が来ておりすべてはベイレによる陰謀だと言うのです。
張が言うには「織布局の株をすべて回収すれば、その功績を持ってしてお前を助けてやれる」とのこと。
さらに、ベイレの勢力に立ち向かうためにも織布局の株が必要だと力説されますが、趙白石は株を回収する気はありません。
話は平行線となり、2人は分かりあえないまま別れてしまいます。
趙白石はその後、罷免されました。
星移の宣言
味経書院で働く星移のもとに父の四海が現れ、2人は落ち着いて話すことに。
趙白石の罷免を知った星移が「まさか父上も関わっているのですか?」と問うと、四海は口を閉ざします。
それを肯定と受け取った星移は、他人を陥れる四海の行動を厳しく非難。
すると、四海は星移の頬をたたいて反論をします。
「今の時代に善も悪もなく、権力がすべてだ。生き延びるために杜明礼に従うしかなかった」と。
その言葉を受けて、星移は一言返します。
「生きるだけなら悪事は必要ない」
そして、星移は杜明礼を倒すことを誓い、世の中を変えてみせると宣言するのです。
捕らえられた周瑩
呉漪が夫・趙白石のために観音菩薩にお祈りをしに行くと、そこで会った張の奥様から「趙白石を助けられる方法がある」と言われます。
その方法とは、周瑩を織布局の副局長の座から降ろすというもの。
張の奥様は、とりあえず周瑩の部屋に“封筒”を置けばいいとだけ言いました。
その後、呉漪は指示されたとおり“封筒”を周瑩の書斎に……。
場所は変わり、織布局。
周瑩が部下からの報告を聞いていると、突然役人たちが押し入ってきて周瑩を捕らえました。
【月に咲く花の如く】ネタバレ解説58話
ねつ造された証拠
織布局で捕らえられた周瑩は潔白を訴えますが、その後の家宅捜索により“証拠品”が出てきたため、北京の牢に移送されてしまいました。
封筒の中の文には、周瑩が仲介者から口利き料を受け取ったという旨が書かれていましたが、完全なるねつ造。
織布局のすべての株を手にいれたい張一派が、今回の件を仕組んだのです。
周瑩が株を譲らないのであれば、強制的に副局長をやめさせれば良いと考えたのでしょう。
“張が関与しているかもしれない”と感づいた趙白石は、さっそく張に会いに行きました。
「周瑩には株をすべて譲渡するよう諭しますので、どうか彼女の命だけは助けてください」
そう懇願すると、張は上層部に寛大な処置を頼んでみると言ってくれました。
周瑩への説得
趙白石は、王世均とともに北京の牢にいる周瑩を説得しに行きました。
「証拠はすべてねつ造よ」と言う周瑩に対して、もはや証拠は重要ではなく、織布局の株を渡すことで命が助かると話す趙白石。
しかし周瑩は、ここで株を渡せば張らの思いどおりになるだけだから絶対に渡さないと言い張るばかり。
「最悪でも死ぬだけよ」
汚名を着せられた周瑩からしてみれば、ここで折れることは屈辱でしかありません。
そんな彼女の気持ちを理解しながらも、命を助けたい趙白石はさらに説得を続けます。
王世均も、呉聘の名帖を周瑩に見せながら「奥様からの伝言です。夫と呉聘を失い、娘まで失うわけにはいかないと仰せでした」と説得。
さらに、
✓周瑩が命を落とせば呉家で働く者たちが路頭に迷う
✓周瑩が命を落としたら、蔚文の汚名は誰が晴らすのか
✓周瑩が生きて帰ることを願っている皆のためにも譲歩してほしい
と諭しました。
すると、周瑩は大粒の悔し涙を流しながら、ようやく「分かった……」と折れるのです。
趙白石は、周瑩に“株の譲渡協議書”にサインさせ、すぐにそれを張に持っていきました。
星移の誓い
一方の星移は、周瑩が北京に移送されたと聞いて助けに行こうとするも、今の自分には北京に行くためのお金がありません。
お金を手に入れるため、沈家の店へ行き「金を出せ」と番頭を脅す星移。
そこへ父の四海が現れて、金を何に使うのかと問いました。
周瑩を助けに行くと答えると、四海は眉間にしわを寄せて反対をします。
四海からすると、沈家の商いを脅かす周瑩が捕まってホッとしているというのに、わざわざ彼女を助けようとするなど論外なのでしょう。
星移はお金を貸してほしいと頼み込みますが、四海は首を縦には振りません。
どうしても周瑩を助けたい。
星移はその一心で、膝をつき、涙を浮かべながら四海に懇願するのです。
「父上、どうかお願いします。私が周瑩にしてやれる最後のことです。
もしも助けるのを許していただけたなら、その後は彼女と金輪際 関わりません。
沈家に戻って家業も継ぎます」
【月に咲く花の如く】感想57話
おそらく趙白石も星移も、物事を“グレー”のままにしておけない性分なのでしょう。
彼らの中では悪は絶対に悪で、どんな事情があろうとも他人が悪事に手を染めるのが許せないし、自分が悪に染まるなんてことは尚更あり得ない。
そんな2人だから、世渡りが下手でいろいろな物を失ってしまうのでしょう。
でも2人にとってはきっと、地位やお金を失うことは大したことではないのだと思います。
「生きるためだけなら悪事は必要ない」
星移のこの言葉が、彼の思想と生き方を表していると感じます。
今回は、四海との対話を通して、星移がなぜ改革にこだわるのかその理由が見えてきました。
四海の「今の時代で重要なのは権力」いう言葉も一理あります。
誰もが正しく清廉潔白に生きていける世の中ならば、どれほど素敵でしょう。
でもこの時代、何の権力もない人間が家族を豊かに養おうとするのは簡単ではなかったはずです。
呉家東院ですら、後ろ盾をもっていました。
四海からしてみれば、家族を守りたくて杜明礼と手を組んだのでしょうし、息子の敵を討ちたかったという思いも分からなくはありません。
とはいえ、やはり後ろ盾を持つにしても相手をしっかりと見極めるべきでしたね……。
また、気になるのは呉漪の行く末。
彼女はかつて周瑩のことを心から慕っていましたが、夫が周瑩を愛していると気づいてからは、周瑩への態度が見るからに変わりました。
今回に至っては、周瑩を陥れるための手伝いをしてしまいましたし、このまま呉漪が悪に手を染めていくのではないかと心配……。
もともとは良心と優しさにあふれる女性なので、早いところ以前の彼女に戻ってほしいと願います。
【月に咲く花の如く】感想58話
周瑩と星移、それぞれの信念が揺らいだ回でした。
まず周瑩ですが、いつもの彼女であれば張との根比べで折れることはなかったでしょう。
以前に柳婉児にハメられた時も「最悪でも死ぬだけよ。汚名を着たまま生きたくはない」と言って楽な道は選ばず、たとえ命の危険があっても高潔に生きる道を選びました。
そんな彼女からしてみれば、汚名を着せられたまま相手の思いどおりに折れなくてはならないなんて、さぞ屈辱だったはずです。
しかし今は、呉家で働く者たちを守らなくてはいけない大当主という立場。
それに、奥様や星移、趙白石や王世均といった周瑩が生きのびることを願う人たちの想いも響いたのか、今回は泣く泣く生き方を曲げました。
自分の生き方や信念を曲げたくはない、でも曲げなくてはならない。
そんな周瑩の葛藤と悔しさが、画面越しからとても伝わってきました。
また、星移も信念を曲げました。
彼は、他人を陥れる父親に失望して家出をし、家に戻るつもりは微塵もなかったと思われます。
けれども、彼は信念を曲げて家に戻ることを誓ったのです。
周瑩を助けたいという一心で……。
いつもは頑固な2人がそれぞれに信念を曲げたこと、曲げざるを得なかったこと。
その過程がとても胸に刺さりました。
※次回59話・60話のネタバレ感想はこちらです。
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