【月に咲く花の如く】ネタバレ感想(69話・70話)。
周瑩の反撃により追い詰められた杜明礼は、查坤と逃亡することに。
杜明礼と查坤、2人の行く末は果たしてどうなるのか。
また、查坤が目にした“空を飛ぶ鳥”の意味についても考察しています。
【月に咲く花の如く】あらすじネタバレ69話
守りたい人
結局四海は、周瑩に完膚なきまでに叩きつぶされ、運営していた3件の銭荘も閉鎖寸前となりました。
銭荘にお金を預けていた貴族たちから賠償金を要求されることも予想され、沈家の破産は決定的に。
そんな中、周瑩のところに星移が会いに来ました。
2人が顔を合わせるのは、星移が「疫病神だ」といって周瑩を冷たく突き放して以来。
今では国のお尋ね者として追われる身の星移が、危険をおかしてまで周瑩に会いにきたのにはワケがありました。
星移は、父親(四海)に情けをかけてほしいと頼みに来たのです。
今さら手を緩められないと答える周瑩。
さらに彼女は「私もあなたと同じようにあなたを突き放すつもり。お尋ね者のあなたを、役人の趙白石に引き渡すわ」と言いました。
その時、周瑩に知らせが入ります。
「趙白石がたくさんの兵を連れて、星移を捕らえに来た」と。
それを聞いた周瑩は、星移を屋敷から連れ出して逃がそうとしますが、時すでに遅し。
敷地内に入ってきた趙白石と兵たちに囲まれてしまいます。
役人という立場の趙白石は、皇帝と西太后から恨まれる存在となってしまった星移を捕らえなくてはなりません。
周瑩は身を挺して星移をかばい、兵のひとりから剣をうばって趙白石に剣を向けました。
周瑩「私の同意なしに連行させないわ」
白石「反乱を起こすつもりか。なら容赦はせぬ」
周瑩「お互いさま」
星移「我ら3人はウマが合う。3人で共に死ぬのも悪くない」
緊迫した空気の中、趙白石は部下から「町で騒動が起きている」と報告を受け、騒動を鎮めるために渋々 屋敷を去りました。
兵たちが撤収した後、周瑩はすぐに星移を逃がすのです。
かたきへの救済
銭荘が潰れるということは、お金を預けていた民が困窮するということでもあります。
復讐のために四海の銭荘を閉鎖寸前に追いやった周瑩でしたが、銭荘の前で嘆く民たちを見て思うところがあったのか、四海を救済することにしたのです。
その後。
訪ねてきた周瑩の顔を見た四海は、自分を破産に追い込んだ人物が周瑩だとすぐに悟ります。
亡き蔚文のために復讐をしたのだろうということも。
「おめでとう、復讐は成功だ」
四海がそう言うと、周瑩は意外な言葉を口にするのです。
「持ち直すにはいくら必要?200万両で足りる?」
周瑩は、自分の復讐に民を巻き込んでしまったことを心苦しく思っているようで、200万両は民への賠償に使ってくれと言いました。
そしてもう1点。
義父の蔚文をどのように陥れたのかを、つぶさに記すよう四海に約束させました。
条件をのんで200万両を受け取った四海は、自身も銭荘も持ち直すこととなったのです。
【月に咲く花の如く】あらすじネタバレ70話
杜明礼のあがき
杜明礼は、周瑩の織物工場に打撃を与えるため、織布局の布を大幅に値下げしました。
一方の周瑩は、織物工場の顧客たちを集めて「うちは今は値下げをしない」と宣言。
その代わり、3か月の間うちから鞍替えせずにいてくれたら、3か月後には5分安く提供すると約束をします。
これにより、郡王の織布局にはまったく注文が入らず損失が大きくなるばかり。
杜明礼は、3か月以内に周瑩の工場を潰すと郡王に宣言したばかりなのに、このままでは逆にこちらが潰されてしまうと焦りを隠せません。
許容損失額は20万両。
杜明礼が現在の損失額を調べてみると25万両で、すでに許容損失額をオーバーしていました。
そのころ郡王の配下である文は、“杜明礼が、郡王におさめるはずの利益をピンはねしている”と知り、すぐに郡王に報告することに。
ピンはねした上に織布局の経営も失敗したと郡王が知れば、杜明礼は終わったも同然です。
しかし、それをまだ知らない本人(杜明礼)は、亡き詠梅の屋敷に足を運んでは彼女に思いを馳せていました。
「詠梅。あなたの敵を討ちます」
杜明礼vs周瑩
詠梅の屋敷に杜明礼が出入りしていると知った周瑩は、様子を見に行ってみることに。
すると、詠梅の寝台で横になっていた杜明礼がこちらに気づき、部屋から出てきました。
「何しに来た。好奇心は命取りになるぞ」
「確かに人はいずれ死ぬ。でも私は正々堂々と生きてきた。犬のように生きるあなたと違ってね」
杜明礼がいろいろと言い返してくるも、周瑩は余裕の笑みを崩さず、言葉で少しずつ杜明礼を追い詰めていきます。
✓あなたは長年かけて悪の限りを尽くしてきたのに、結局何を得た?
✓感情を出せず何も得られず、すべてを郡王に捧げるだけの人生は悲惨よね。
✓詠梅を慕っていたようだけど、好きだったなら、彼女が思いつめる前に手を差し伸
そう言いかけたところで杜明礼が遮り、激昂しながら周瑩に詰め寄ります。
「私とて彼女を助けたかった!結ばれたかった。お前に分かるはずもない、私が生きるために何を犠牲にしてきたか。だからこそ負けられぬ」
そう言って杜明礼が睨みつけるも、周瑩はひるむことなく「あなたの人生もこれまでよ」と宣告します。
さらに言葉を続ける周瑩。
「郡王と手を組むわ。その条件として“呉聘を殺した者を差し出してほしい”と要求するつもりよ」
呉聘を毒殺したことまでバレていると悟った杜明礼はよろめくも、「郡王が応じるわけがない」と強がってみせます。
周瑩はとどめを刺すかのように言い放ちました。
「応じるはずよ、こちらは年収200万両の工場を差し出すつもりだから。
でも、郡王にとって犬にしか過ぎないあなたはいくらの価値があるかしら。
しかもその犬は、利益をピンはねして織布局の経営も失敗した。
観念するのね杜明礼」
逃げるときは共に……
※以下、結末に関する重要なネタバレを含んでいますので、未視聴の方はご注意ください。
屋敷に戻った杜明礼は、查坤に逃げる準備をするよう伝えます。
何もかもがバレているうえに、周瑩が郡王と手を組むつもりだから逃げるしかないと。
杜明礼は查坤に先に逃げるように指示をし、後から追うから何があっても戻ってくるなと念を押しました。
ちょうどそこへ、郡王の配下である文が屋敷を訪ねてきて、今から都に行こうと言い出します。
文が自ら迎えにくること自体おかしい上に、なぜか数人の侍衛まで付き従えている。
自分を連行しようとしていると気づいた杜明礼は、何とか時間稼ぎをしようとするも無理やり連れて行かれ……。
その時、身を隠していた查坤が、侍衛に斬りかかり杜明礼を助けます。
「逃げてください!」と查坤。
「逃げるなら一緒だ!」
查坤を置いて逃げるつもりのない杜明礼はその場にとどまりますが、剣を持った文に襲いかかられ窮地に……。
間一髪で查坤が助けるも、数人の精鋭を相手にしているうちに查坤は致命傷を負ってしまうのです。
死闘の末に、何とか侍衛をすべて倒しきりました。
杜明礼は逃げていく文を追おうとしますが、後ろからドスンという音が聞こえて体を硬直させます。
ゆっくり、おそるおそる振り返ると、查坤が膝をつき血を吐きながらこちらを見ていました。
息も絶え絶えに「早くお逃げを……逃げてください」という查坤。
杜明礼は查坤の体を支えながら「逃げろと言ったのになぜ残っていた」と責めます。
「旦那さまこそ……逃げずにとどまった」
そして查坤は……早くお逃げをと言い残し、杜明礼の腕の中で命を落としました。
その後。
趙白石が侍衛の遺体を調べたところ、(4話で殺された)月生の傷跡と全く同じであることが分かりました。
このことから、侍衛を殺した人物こそが月生殺しの犯人=查坤だと判明したのです。
查坤が目にした“空を飛ぶ鳥”の意味は?
※以下、結末に関する重要なネタバレを含んでいますので、未視聴の方はご注意ください。
查坤が最期に目にしたものは、空を飛ぶ鳥(鷹?)でした。
それは一体なにを意味するのか。
杜明礼との思い出を具現化したもののようにも思えるし、自由への渇望とも取れるし、奴隷という身分から“今”解放されたという意味にも捉えられます。
あるいは、その全てなのかも……。
①杜明礼との思い出を具現化したもの
⇒2人の出演シーンでは鳥もよく一緒に映っていた。
鳥=杜明礼との思い出なのかも。
②夢に見ていた杜明礼との未来
⇒查坤は、未来を語るシーンで「鳥と遊びたい」と言っていた。
③自由への渇望、その表れ
⇒生前の查坤は、自由を望む気持ちがありならがも、いつも捕まることを恐れていた。
ゆえに、最期に目にした鳥は「やっと自由になれる」そんな気持ちの表れなのかも。
④奴隷という身分から”今”解放されたという意味
⇒生前の查坤は「このまま(宦官)で終わるつもりはない」と言っていた。
なぜ查坤が最期に目にしたものが鳥だったのか。
その答えが①~④の中にあるかは分かりませんが、全てが正解のような気もします。
【月に咲く花の如く】感想69話
星移はいつの間にか国のお尋ね者になっていました……。
革命家といわれる孫文の仲間になったということは、変法運動は失敗したけれど革命は諦めていないということなのでしょう。
革命に成功しないかぎり一生追われる身なわけですから、こうなってくると、ますます星移の幸せな未来が見えません。
ただ、突き放したまま離れていた周瑩とは、わだかまりが消えたように見えたのでそこは安心。
周瑩は、口では突き放すようなことを言っても、星移が捕らえられそうになった時には迷いなく、身を挺して彼を守りました。
結局のところ2人は、口では何を言っていても離れていても、いざとなれば相手のために命を投げうてるほど愛し合っているのでしょう。
また、周瑩が最後に四海を救済をしたのは、民のためという理由もあるのでしょうが、星移のためでもあったように思います。
【月に咲く花の如く】感想70話
※以下、結末に関する重要なネタバレを含んでいますので、未視聴の方はご注意ください。
ドラマの画面上では、今回初めて杜明礼と周瑩が顔を合わせました。
ただ両者の口ぶりからすると初対面ではなさそうだったので、画面に映っていないだけで面識はあったのかもしれません。
杜明礼vs周瑩の対決はドラマにとって大きな見どころ。
ゆえに、2人の対峙シーンは20分近くあり見ごたえがありました。
周瑩の追い詰め方はド正論でぐうの音もでないほどで、彼女からしたら念願の復讐といえます。
杜明礼は紛れもない悪なので報いを受けるのは当然だとは思うのですが、彼の生き様を見てきた後ゆえに少し同情もしてしまいました。
何より、最後まで杜明礼を守りぬいて死んだ查坤に涙……。
杜明礼にとっての查坤は、いつも自分の後ろにいて当たり前の存在です。
そんな查坤がドスンと膝をついた瞬間の、異変を感じとった杜明礼の表情が秀逸でした。
そこから恐る恐る振り返るシーンも印象的で、2人のファンにとっては忘れられないシーンになったのではないでしょうか。
いつも空気のような存在として杜明礼の後ろにいた查坤が、最後まで杜明礼に付き従おうとするも膝をついてしまった瞬間は胸にくるものがありました。
でも、最期に杜明礼の腕の中で死ねたことや「逃げるなら一緒だ」と言ってもらえたことは、查坤にとって救いだったのではないかと思います。
詠梅のことすら見捨てた杜明礼が、查坤だけは見捨てなかったのだから……。
さて。
杜明礼は逃げ延びたようですが、郡王に追われ、四海にも命を狙われ、周瑩の敵でもあり四面楚歌。
おそらく、杜明礼の命も長くはないでしょう……。
※次回71話・72話のネタバレ感想はこちらになります。
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