ヘンリーを初めとする10人の仲間を失ってしまった共同体。王国では、キャロルもエゼキエルもヘンリーの死を受け止めきれずにいました。
それに加え、厳しい冬で配管が悲鳴を上げ腐敗が拡大し打撃を受けてしまいます。エゼキエルは王国を捨て、厳しい冬を越すために王国の住民らを連れヒルトップへと移り住むことにしたのです。
『ウォーキング・デッド』シーズン9最終話あらすじ
ヒルトップへ
攻撃により被害を受けた王国は、もはや暮らしていける状態ではなくなってしまいました。王国の住民たちを守るため、エゼキエルは住民たちをヒルトップに移動することにします。
雪が降り積もる冬の厳しいある日。ヒルトップまで数日という短くも長い旅が始まりました。共同体の仲間たちが、協力してまや馬車を利用して誘導していきます。
リディアもそのひとりですが、彼女はヘンリーを含む10人の犠牲者を出してしまったことで、自分を責めていました。
罪の意識からか移動の途中で姿を消し、土に埋められているウォーカーに自分を噛ませようとしたところにキャロルがやってきます。2人は顔を合わせるも何も語らず。しかしリディアには分かっていたのです。キャロルの思いが……。
天候が荒れてきたせいで、中継地点までたどり着けず、道を外れて避難所を探すことにしました。その場所とは聖域。誰もが思い出したくない場所でした。
アレクサンドリアの冬
アレクサンドリアでは厳しい冬に備えていました。暖房が使える3ヶ所に住民を集めて暖炉に火をともして寒さを凌ぎます。牢には暖房がないため、このままではニーガンが凍え死んでしまうとのことで、手錠をはめたまま室内にいれることに……。
人と話せるからか、室内に入れたからか、ニーガンはいつも以上に饒舌。汚い言葉を使ってジュディスに怒られると、笑顔で謝ることも。
その時、猛吹雪で煙突がふさがれ暖炉で火を焚くことが出来なくなってしまいました。火を焚かなければ凍え死んでしまうので、アーロンの家に移動することにします。
風邪で飛ばされないよう、ロープを握って1列で進んでいきました。そんななか、ジュディスが「ドッグ」と叫びながら列から離れてしまい、ニーガンが後を追います。
聖域でも、すきま風は入るものの火を焚いて寒さを凌いでいました。しかし、このままでは何日も持ちません。せめて中継地点に行き物資だけでも……と思っていても、途中で足止めされた場合のことを考え話し合いました。
中継地点はルートBと並行する川の向こう。しかし、この天候ではたどり着くことが出来ません。せめてリックの橋があれば近道ができたんだが……という言葉にキャロルは、川は凍ってるから橋は必要ないと言います。
そこで、少人数ずつわたり昔の猟場を通り抜けるのはどうかという案を出しましたが、通り道はアルファの領域です。
ところがキャロルは、アルファに同意はしていない彼女が勝手に決めた事だといいます。エゼキエルは戦争を引き起こすと心配していましたがミショーンも、夜なら見つからずに済むとキャロルの意見に賛同しました。
もしかしたらもう見つかっているかもしれない、それなら早く出発しようと強行突破することにしたのです。
シーズン9最終話の解説
食料は2日分しかなく、天候の回復はいつになるか分からない状況。年寄りや子供もいるということで、エゼキエルは反対しましたが、雪が続けば進むことすらできないためどちらにしろ中継地点に行かなければ皆死んでしまいます。
猛吹雪の夜、息をひそめて静かに歩き始める住民たち。ダリルたちは住民たちを率いて川のほとりまでやってきましたが、リディアが姿を消してしまいます。
境界を気にしながら進むも、積もった雪のなかからゾクゾクとウォーカーが現れたり、雪が積もったウォーカーが歩いてきたりと大変な状況。
これもアルファの作戦なのか…?という一幕でした。リディアを探しに行ったのはキャロル。彼女は、川を渡ってもヒルトップに行っても状況は変わらない。自分は邪魔なだけで自分が居なければみんなは生きていたとすべての責任を背負ってしまているようでした。
彼女は本当はとてもいい子なのでしょう。それ故に、死なせてしまったことの罪の重さ、住民が自分を見る目に耐えられなかったようですね。
これがアルファが言うリディアの”弱い”部分なのでしょうが、人間として非常に大切な部分でもあります。自分がいたら終わらない、みんなを守るには自分が死ぬのが一番だと思ってしまうのも、根が素直な少女だからでしょう。
こんなリディアの姿を見たキャロルは、ヘンリーがなぜ彼女を救いたかったのか気づいたはずです。だから手を差し伸べたのだと思います。
シーズン9最終話の感想
ニーガンが必死になってジュディスを探している姿は、彼が妻を探していたのと同じくらい必死でした。ジュディスを抱え上げてドッグも一緒に救出する、ニーガンはジュディスに何か特別な想いを感じているようですね。
ダリルたちも、色々と危険な目にあって一時はどうなるかと思いましたが、囁く者も現れず大きな問題はなく無事にヒルトップに到着して良かったです。
エゼキエルは、キャロルと2人でヘンリーを思いながら過ごしたいと思う一方で、キャロルは自分はアレクサンドリアに行くという答え。
ダリルは、当初からキャロルと一緒に過ごしていた仲間ということもあり、彼女のことはエゼキエルよりよく知っているんだな、と改めて感じましたね。
エゼキエルは前から、自分の意見を押し付けるタイプで、ダリルは相手を尊重するタイプ。キャロルとダリルは、エゼキエルとは別の繋がりがあるのだと、つくづく感じました。こういう関係は、心の底から信頼関係がないと生まれません。
しかも、キャロルはエゼキエルに「おとぎ話での暮らしは後悔しない」と指輪を外しました。これは、かつてのキャロルに戻るという意味が込められているはずです。
王国での暮らしはキャロルにとって、現実を忘れさせてくれた生活だったのでしょう。この平和な時間がずっと続けばいいと思いつつも、どこかで現実だと分かってしまう。
今回、キャロルの涙が語ったのは、どんなに求めていても平和も幸せも奪われていくのを実感したからではないかと……。
そして、キャロル自身の答えでもあったように、彼女もアレクサンドリアに向かいました。みんなで雪合戦している姿は、ほんのひとときの幸せを感じさせてくれましたね。
ミショーンはジュディスを救ってくれたニーガンに「ありがとう」という言葉を掛けるなど、展開が大きく変わりつつあるような予感がします。