「イエロージャケッツ」で気になるミステリーの1つとなっているショーナ（ソフィー・ネリッセ）の赤ちゃんがどうなったかがシーズン2で明らかになる。
その赤ちゃんについてリズ・ガーバス監督は「ローズマリーの赤ちゃん」からインスパイアを受けたと語っている。
ショーナの出産
シーズン2のエピソードでは、ショーナに陣痛が起こり仲間たちのサポートのなかで彼女は男児を出産をする。
ショーナは気絶してから目を覚まして赤ちゃんを抱いたが、ろくに食事を摂れていなかったため十分な母乳を出せすことができなかった。
後に彼女は眠りから目を覚ますと赤ちゃんがベッドにいないことに気づき、仲間を探すと彼女たちが赤ちゃんを食べているという瞬間を目撃した。
しかし、これはすべて夢だった。
その後ショーナは、赤ちゃんが亡くなっていることに気づく。
監督のリズ・ガーバスは、「イエロージャケッツ」シーズン2エピソード6でショーナの出産シナリオを2つ撮影している。一つは、飢餓による極度の幻覚体験で、友人が自分の息子を食べるというカニバリズムを目撃すること。もう一つは、食料も介護も医者もいない過酷な状況で妊娠しているという厳しい現実を現実的に伝えるものである。
世の中には赤ちゃんを亡くした人や流産した人がいるわけですから、重いエピソードです。ファンタジーやホラーなど、「イエロージャケッツ」のようなジャンルの要素もありますが、これは非常に感情的な生々しい瞬間で、まったく笑えません。これは極めて重要なことです。トラウマの瞬間であり、大人のショーナ（メラニー・リンスキー）がまだ抱えている変化でもある。だから、真剣さと好奇心、そして準備したいという気持ちで臨みました。
私が「ロッティのテーマ」と呼ぶものに入ると、カメラの動きやセットに微妙な違いがあり、32回もエピソードを見たい人たちのためにイースターエッグを仕込んでいます。ロッティの現実も悪夢のようなものです――彼女たちが赤ちゃんを食べる場面などです。私たちは「ローズマリーの赤ちゃん」でミア・ファローが隣人たちのグロテスクな顔を見るシーンを参考にし、ショーナの出産をどの程度過激に表現すべきかを考えるのが楽しかったです。
ソフィー・ネリッセはキャリアで多くの素晴らしいことを成し遂げるであろう非凡な若手俳優です。このエピソードは非常にハードでした。彼女は5日間にわたって感情的に揺り動かされ、壊滅的な展開を経験しなければなりませんでした。ソフィーはあのシーンでとても緊張していました。出産を経験し、赤ちゃんを亡くした人たちに、このシーンをリアルに感じてもらいたかったのです。
大人たちをこのシーンのために一堂に会させるのはとても楽しいことでした。まずミスティが現れて、ミスティとロッティの間にあのエネルギーがあるんだ。ヴァンとタイが車で、そして別の車でショーナがやってきて、森からナタリーが出てきて、ミスティがバスケットを編む屋外シーンを撮影するんだ。ロッティは水辺で祈りの輪を作り、ドローン撮影では棒人間が登場します。私たちは、残りのシーズンにおいて、何か素晴らしいことを成し遂げようとしているのです。私たちがやっていたのは、残りのシーズンを見据えたティーアップだったのです。
シモーヌ・ケッセル（大人のロッティ）もコートニー・イートン（ティーン・ロッティ）も演技がとても素晴らしく、とても無邪気な感じがするのですが、彼女を信用できないような色合いがあるため確信できないのです。
ショーナが意識を取り戻し、自分の赤ちゃんが助からなかったことを知らされるシーンを撮影した後、彼女は信じられないほどの痛みと不信感に襲われ、友人に向かって叫ぶというテイクを何度も繰り返しています。ショーナの声を失わないようにすることも意識して、それほど多くのテイクを重ねませんでした。最後のテイクでカットをかけ、「これで終わりです」と言いました。これ以上良くなることはない “と。
ベッドを見回すと、ベッドサイドにいた若手俳優たちがみんな泣いていたんです。ソフィー・ネリッセが演技で伝えた痛みに、みんな泣いていたんです。そのことを考えると今でも寒気がします。とてもパワフルでした。演技はもちろんのこと、若い俳優たちが互いに支え合っていることを実感する特別な瞬間でした。